要点

対象:食品スーパーで日配品の発注を担当している人

  1. いなげやは日配の発注が約50%減
  2. ライフとヤマザワは時間の数字なし
  3. 人は異常値の商品を確かめる

日配品の発注にAI-Order Foresightを入れた4つのスーパーのうち、時間の変化を数字で出したのは2社です。

この記事の目次(7節)
  1. AI-Order Foresightを入れた4社の発注作業時間
  2. 別のシステムの例、野嵩商会
  3. 導入前の発注の悩み
  4. AIが発注数を計算し、人が異常値の商品を確かめる
  5. 数字の見方
  6. 導入を検討するなら、提供元に聞くこと
  7. 最初の一歩

いなげやは全130店舗で稼働を始め、日配部門の発注作業時間が稼働前より約50%減りました。12 富士シティオは、先行導入店舗の対象商品で5割減りました。3

ライフとヤマザワは、時間の数字を出していません。どの数字も導入した会社と提供元の発表で、測った期間や比べ方は書かれていません。45

AI-Order Foresightは、BIPROGYが提供する、発注を自動で行うサービスです。販売実績・気象情報・特売の企画情報などから、AIが店舗ごとの毎日の発注数を計算します。1

AI-Order Foresightを入れた4社の発注作業時間

日配品は、卵や冷蔵食品のような、賞味期限が短い食品です。4

スーパー店舗対象発注作業時間発表
富士シティオ(Fuji)全店舗(店舗数は記載なし)日配品先行導入店舗(全店に広げる前に使った店)で、対象商品が5割減32023年2月
ライフ全304店舗生鮮部門数字なし52024年2月
ヤマザワ全70店舗日配部門数字なし42024年9月
いなげや全130店舗日配部門稼働前と比べて約50%減12025年6月

ライフは日配品に2021年2月から使い、生鮮部門には2024年4月までに全店で使い始める予定と発表しました。5

生鮮部門では、実験店舗で、発注作業時間を減らす目標を達成したと言います。ただし、何時間減ったか、何店舗で何日間試したかは示していません。5

別のシステムの例、野嵩商会

沖縄県で食品スーパー「フレッシュプラザユニオン」を展開する野嵩商会は、ブライセンのB-Luckを入れました。AIが需要を予測する自動発注システムです。21店舗で運用を始めています。6

導入前は、カテゴリごとに担当者が別々に発注していました。発注には、店ごとに1日約5時間かかっていました。導入後は約3.5時間で、約30%減です。6

全店舗の合計では、月約900時間減りました。この計算の前提は、発表にも報道にも出ていません。67

導入前の発注の悩み

ヤマザワでは、日配品は賞味期限があって販売期間が短いため、既存の自動発注システムが使えませんでした。経験や勘をもとに、担当者が手作業で発注していました。4

いなげやでは、人手不足のなか、発注が担当者ごとの判断になり、精度にばらつきがありました。1

野嵩商会でも、担当者ごとの発注で在庫がばらつき、欠品や売り逃し(機会損失)が出ていました。6

AIが発注数を計算し、人が異常値の商品を確かめる

日配品の発注が済むまで 情報を読む 販売実績・気象 特売の企画 発注数を算出 商品ごとに 毎日 画面に表示 異常値の商品だけ (アラート商品) 人が確かめる 発注の担当者が 見て発注する AIが受け持つ 人が受け持つ
AI-Order Foresightで日配品の発注が済むまでの流れです。AIが販売実績・気象・特売の情報から商品ごとの発注数を毎日出し、異常値の商品だけが画面に表示されます。人はその商品を確かめて発注します。

いなげや・富士シティオ・ヤマザワで、人が確かめるのは、異常値(AIが、ふだんと違うとみなした数量)などの商品だけです。AIが出した発注数を全部は見ません。134

スーパー画面に出るもの人がすること
富士シティオ毎朝、発注端末に各商品の発注数量異常値だけを確かめる3
ライフ3週間先までの発注数量従業員が異常値を確かめる5
ヤマザワAIが選んだ商品発注担当者が、その商品だけを確かめる4
いなげや異常値の商品(「アラート商品」)担当者が、その商品だけを確かめる1
野嵩商会(B-Luck)アラームアラームと画面を確かめて、発注する6

異常値の基準は、どの発表にも出ていませんでした。

ライフの生鮮部門は、加工拠点やメーカーへの事前発注があり、日配品より長い予測が要ります。そのため、計算する期間を5日から3週間に延ばし、一部の商品に、発注を確定するときに数量を直す機能も加えました。5

数字の見方

どの数字も、第三者が確かめたとは書かれていません。

約50%と約30%は、システムも店も違うので比べられません。

ライフとヤマザワの発表からは、ほかのスーパーでも半分になるかは分かりません。

導入を検討するなら、提供元に聞くこと

店舗数が出ている発表は、21店舗(野嵩商会)から304店舗(ライフ)までのスーパーのものでした。数店舗の店が同じ効果を見込めるかは、発表から分かりません。1456

提供元に聞くこと聞く理由
導入前の発注時間を、どの店の何日分で測ったか約50%も約30%も、測り方が分からないから
異常値の基準を、誰が決め、あとから変えられるか基準によって、人が確かめる商品の数が変わると考えられるから
確かめたあと、誰がどの画面で発注を確定するか発表によって、書いてある範囲が違うから
日配品のほかに、どの商品まで使えるかライフは生鮮に広げるとき、計算の期間と機能を変えたから

在庫が決めた数(発注点)を下回ったときのお知らせは、AI秘書の社内・総務でも引き受けています。

最初の一歩

食品の卸が受け取る注文書をAIで読む例は、受発注AIエージェントの記事にあります。

店の棚の欠品を見つけるAIカメラは、小売店のAIカメラの記事にまとめました。電話注文の変化は、飲食店のAI活用の記事で扱っています。

まず、発注に時間がかかっている部門を1つ選び、導入前の発注時間をどの店の何日分で測ったのか、提供元(各社の発表では、BIPROGYやブライセン)に聞いてみてください。

出典

  1. BIPROGY「いなげや全130店舗で 小売業向けAI需要予測によるBIPROGYの発注自動化サービスが稼働開始」(2025年6月12日)(参照 2026-10-25)
  2. Impress IT Leaders「いなげや全130店舗の日配部門でAI-Order Foresightが稼働」(2025年6月12日)(参照 2026-10-25)
  3. Impress IT Leaders「食品スーパー『Fuji』の富士シティオ、AIによる需要予測・自動発注システムを全店舗で稼働」(2023年2月16日)(参照 2026-10-25)
  4. BIPROGY「ヤマザワ全70店舗にAI自動発注サービス『AI-Order Foresight』を導入」(2024年9月27日)(参照 2026-10-25)
  5. BIPROGY「ライフ全304店舗の生鮮部門にAI需要予測による発注自動化サービス『AI-Order Foresight』を適用」(2024年2月13日)(参照 2026-10-25)
  6. ブライセン「B-Luck」、野嵩商会(フレッシュプラザユニオン)に導入、月900時間の業務削減を実現(2026年5月19日)(参照 2026-10-25)
  7. ロジ・トゥデイ「ブライセン、食品スーパーの発注業務をAI化」(2026年5月19日)(参照 2026-10-25)