LINE WORKS OCRの事例で、製造業の紙の入力はどれだけ減ったか
悠 Yu Niibori AIエンジニア プロフィール
出典 5件
要点
対象:紙の書類をシステムに打ち込んでいる工場の事務
マニュアルのデータ化の工数は約75%減 手書きの日報は読み取りを試していた 別のO CRでもF AX注文の処理時間が減った 自動車用ゴム部品を作る鬼怒川ゴム工業は、3 種類の書類をL INE WORKS OCRで読み取ろうとしました。2 025年4月 の取材の時点で、数字が出ていたのは、2 0年以上前にワープロで印刷したマニュアルでした。1
この記事の目次(8節) どの書類に使い、どれで効果が出たか 紙のままで困っていたこと OCR・人・R PAの役割分担 手書きの日報でつまずいた点 数字の前提 別のO CRを使った製造業の2 社 紙の書類の手入力を減らす3 つの方法 書類ごとに最初に確かめること
製造ラインごとに毎日何十枚も出る手書きの日報は、まだ試しの段階でした。1
OCRは、紙の文字を読み取って、編集できるテキストデータにする仕組みです。L INE WORKS OCRは、L INE WORKS株 式会社が提供する、文字の読み取りに特化したサービスです。3
どの書類に使い、どれで効果が出たか
鬼怒川ゴム工業のグループは1 939年 創業で、自動車用のゴムと合成樹脂の製品を作っています。取材の時点で、L INE WORKS OCRを次の3 つの書類に使おうとしていました。1 2
書類 量 手入力の手間 取材の時点(2025年4月 )の状態 点検・安全マニュアル 1冊4 0〜50ペ ージ1冊約1カ月(140〜160時 間)の見積もり 工数削減率は約75% 見積書・検収書 協力会社に発注する治具が年200個ほど 見積書と検収書それぞれ1件 約1 0分 導入テストをほぼ終え、近く本格運用の予定 出来高日報(手書き) 各工場に2 0〜30の製造ライン。各ラインで毎日4 0〜60枚 全部を登録し終えるまで1 日〜1日半 読み取りを試している最中
マニュアルの読み取りはすぐ終わり、時間の大半はその後のレイアウトと製本にかかりました。1
同社の試算では、見積書と検収書の入力がなくなると、年に約20万円のコストが減ります。まだ実際に減った額ではありません。1
紙のままで困っていたこと
マニュアルの原本は、2 0年以上前にワープロで作って印刷したものでした。元のテキストデータが無く、内容の改訂が難しくなっていました。種類が多く、1 冊のページ数も多いので、データ化は先送りになっていました。1
熱間加工(熱を使う加工)の多いラインでは、作業者が手袋をしているので、日報は手書きにするしかないそうです。字が読みにくく、担当者がシステムに登録し終えるまで時間がかかるため、生産実績を確かめられるのは翌日でした。1
OCR・人・R PAの役割分担
書類がデータになるまで
書類を渡す
スキャンした紙か電子帳票
文字を読み取る
LINE WORKS OCR
マニュアル
人が確かめて直し、製本する
見積書・検収書
RPAで基幹システムへ(テスト中)
手書きの日報
読み取りを試していた
人かRPAが渡す
OCRが受け持つ
書類ごとに分かれる
鬼怒川ゴム工業で、3 つの書類がデータになるまでの流れです。マニュアルは人が読み取った文字を確かめて直しました。見積書と検収書は、R PAで基幹システムへ入れる仕組みをテストしていました。手書きの日報は、読み取りを試していました(どれも2 025年4月 の取材の時点)。
書類 LINE WORKS OCRがすること 人がすること RPA( 決まった操作を自動でするソフト)がすること マニュアル スキャンしたファイルから文字を読み取る 読み取った文字を確かめて直す。W ordでレイアウトを整え、図を入れて製本する 事例には書かれていない 見積書・検収書 テンプレートで決めた位置の項目を読み取る 読み取る位置を前もって登録する 検収書をO CRに渡し、読み取ったデータを基幹システムに入力する 出来高日報 テンプレートで決めた位置の手書きの字を読み取る 集めた日報を複合機のスキャナーでP DFにする 事例には書かれていない
マニュアルは、紙をスキャンし、クラウドのアプリ「LINE WORKS OCR Reader」にアップロードして読み取りました。1
見積書と検収書では、T emplate OCRという機能を使う仕組みをテストしていました。書類ごとに読み取る位置を登録しておく機能で、登録した書式をテンプレートと呼びます。1
届いた定型の見積書をO CRで読み取ると、自社開発のR PAがそのデータを受け取って基幹システムに入力し、発注が終わる仕組みです。1
検収書は電子帳票(紙ではなくファイルで発行される帳票)なので、スキャンは要りません。決まったフォルダに入れると、R PAがO CRに渡し、ファイルの中の項目を読み取らせます。1
同じ読み取りエンジンを搭載した「LINE WORKS PaperOn」もあり、アップロードから確認・保管までをまとめて扱えます。L INE WORKS株 式会社が提供しています。3
手書きの日報でつまずいた点
取材の時点で、手書きの字は読み取り精度が落ちやすいことが課題でした。外国人の作業者には、日本語を書き慣れていない人や、数字の書き方が違う人もいました。網掛けの欄の上に書いた字は、読み取りにくいこともありました。1
同社は、作業者に書き方を教えることと、O CRで読み取る前提で日報の書式を変えることを考えていました。I Tソ リューション部の課長は、ツールを入れるだけでなく業務フローも見直す必要があると話しました。1
数字の前提
鬼怒川ゴム工業の数字は、L INE WORKSの導入事例のページで課長が話したものです。約75%は、手入力ならかかると見積もった時間と比べた数字です。どう測ったか、第三者が確かめたかは、事例のページに書いていません。1
別のO CRを使った製造業の2 社
インフォディオのO CR「 スマートO CR」を使った製造業の2 社も、F AXで届く注文書を読み取らせています。4 5
会社 読み取らせた書類 数字 人に残った作業 太陽油脂(食用加工油脂・石けんなどのメーカー) FAXで届く注文(月平均4 ,000件 )。テンプレートを作ったのは、取引先2 50社 ほどのうち件数の多い4 0社 約80時間ほど削減(目標は8 8.5時間) 日付だけが違う似た注文書なら、日付と数量を確かめる4 ニイタカ(業務用洗剤などのメーカー) FAXで届く注文書。取材の時点で読み取れたのは、対象の1 割弱 月約5 0時 間かかっていた作業が、平均で3 分の1 ぐらいに 読み取った結果を確かめて直し、確定のボタンを押す5
太陽油脂の約80時間は、スマートO CRを中心にした業務改善全体で減った時間です。月あたりの数字かどうかは、ページに書いていません。
取材の時点では、テンプレートとマスタ(取引先や商品の一覧)のメンテナンスが難しく、削減の効果が下がっていました。4
ニイタカは、取引先ごとに書式の違う注文書を読み取れることを、製品を選ぶ条件の1 つにしていました。読み取りやすい書式から対応してきたので、残りの9 割は、テンプレートを作るのがだんだん難しくなるそうです。5
食品の卸がF AXの注文書をA Iで読んだ例は、受発注A Iエ ージェントの記事 にあります。
紙の書類の手入力を減らす3 つの方法
方法 向いているとき 残る手間 OCRのサービスを入れる 書式の決まった書類か、取引先の数が限られる書類が、毎月まとまって届くとき テンプレートを作ってメンテナンスする手間と、読み取った結果を確かめる手間 書類の書式を変える 手書きの日報のように、いまの書式では読み取りにくいとき 書く人に新しい書き方を覚えてもらう手間 転記や清書を外注する 書類の種類が多く、テンプレートを作るほどの量が無いとき 外注先に、書類の読み方を伝える手間
外注先の1 つとして、当サイトのA I秘書も日報・作業記録の清書を引き受けています。任せられる範囲はAI秘書の社内・総務 で確かめられます。
LINE WORKS PaperOnの料金と読み取りの回数は、PaperOnの料金の記事 にまとめています。
書類ごとに最初に確かめること
この事例から見ると、最初に試すなら、手書きの無い印字の書類が近いと考えています。数字が出たのは印字のマニュアルで、手書きの日報は書式から見直す話になっていたからです。
書類 最初に確かめること 昔の印刷物で、テキストデータが無いマニュアル 1冊をO CRで読み取って直す時間と、手入力の時間を比べる 毎回同じ書式の見積書・注文書 読み取った項目を、誰がどのシステムに入れるかを決める 手書きの日報 いまの書式のまま読み取れるかを試す。読み取れなければ、書く欄の形から見直す
製造業でA Iを入れるときの全体の進め方は、製造業のA I導入の記事 にあります。
まずは、いちばん枚数の多い書類を1 種類選び、O CRで読み取れるかを試してみてください。
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