要点
対象:PLaMo翻訳を仕事で使っている人
- 0.8Bは小さくした形で0.57GB
- 売上10億円以下は登録で無料
- 公開する訳文はPLaMo製と明示
PLaMo翻訳が使っている翻訳AIを、自分のパソコンで動かせたら便利だと思いませんか。それが、11月5日からできるようになりました。
Preferred Networks(プリファードネットワークス、PFN)が、翻訳サービス「PLaMo(プラモ)翻訳」で使っている翻訳AI「PLaMo 3 Translate」のモデルを公開しました。1
モデルは、AIの中身を丸ごと入れたファイルです。手元に置けば、原文も訳文も外のサーバーに送らずに翻訳できます。1
いちばん小さいモデルは、機内モードのスマホでも動くとのこと。1 収入か売上が10億円以下の会社なら、登録すれば無料で仕事に使えます。5
公開された4つのモデルの大きさ
大きさは4つあります。名前の「B」は10億のことで、AIの中にある数値(パラメーター)の数を表します。小さいモデルほど、翻訳の精度はやや下がる傾向があります。12
PFNは、数値を粗く丸めて小さくした形(量子化)のファイルも公開しています。3
| モデル | 元の形 | 小さくした形(GGUF・Q4_K_M) |
|---|---|---|
| 0.8B | 1.78GB | 0.57GB |
| 2B | 5.76GB | 1.81GB |
| 8B | 17.06GB | 5.28GB |
| 31B | 63.51GB | 19.53GB |
PFNの測定では、Q4_K_Mに縮めても、翻訳の精度は元の形に近いままでした。3
0.57GBなら、スマホにも入る大きさですね。GGUFなどの形式の名前の読み方は、量子化の記事にまとめています。
PLaMo 2 Translateから変わったこと
PFNは2025年5月にも、前の版「PLaMo 2 Translate」のモデルを公開していました。6
| 項目 | PLaMo 2 Translate | PLaMo 3 Translate |
|---|---|---|
| 公開 | 2025年5月 | 2026年11月5日 |
| 訳せる言語 | 日本語と英語 | 日本語と英語を含む53言語 |
| 大きさ | 8Bの1つ(ファイルは約19GB) | 4つ(0.8B〜31B) |
いや、英語と日本語だけだったのが53言語って、増え方が極端すぎません?16
0.8Bでも、日本語と英語の翻訳では、前の版(8B)を上回ったとのこと。2 ただし、PFNが自社で測った結果で、ほかの会社が確かめたものではありません。
文脈・用語集・文体の3つを指定できる
| 項目 | できること |
|---|---|
| 文脈 | 前後の文章や場面を、訳す手がかりとして渡す |
| 用語集 | 製品名や専門用語を、決めた訳語で訳させる |
| 文体 | 日本語の訳を「です・ます」か「だ・である」にそろえる |
用語集は、社内で呼び名を決めている製品名に効きます。訳すたびに訳語が揺れると、直す手間が増えるからです。
段落ごとに訳すときは、前に訳した原文と訳文の組も渡せます。3 長い書類でも、前の段落と訳語をそろえやすくなります。
PLaMo翻訳のサービスで訳す場合と、手元で動かす場合の違い
PLaMo翻訳のサービスには、無料プランもあります。テキスト翻訳は月5万文字までです。7
PLaMo翻訳では、テキストの原文と訳文は訳を返したあとに捨てられ、AIの学習には使われません。ファイル翻訳のデータは、削除するか7日たつと捨てられます。7
| 比べる点 | PLaMo翻訳(サービス) | 手元で動かす |
|---|---|---|
| 原文の行き先 | 国内のサーバー | 自分のパソコンやスマホの中だけ |
| ネットがないとき | 使えない | 使える |
社外のサーバーに原文を送ること自体を禁じている会社なら、手元で動かすのが向いています。17
会社で使うときのライセンスの条件
ライセンスは「PLaMoコミュニティライセンス」という独自のものです。5 使い方によって条件が変わります。35
| 使い方 | 条件 |
|---|---|
| 個人の学習や趣味・学術の研究(仕事でない利用) | 登録なしで無料 |
| 仕事での利用で、収入か売上が10億円以下 | PFNのフォームで登録すれば無料 |
| 仕事での利用で、収入か売上が10億円超 | PFNと別に契約する |
見落としやすいのですが、社員だけで使う場合も、ライセンスでは「商業目的」に入るんです。5 登録は、PFNの「PLaMo商用利用登録フォーム」から行います。3
条文では、「ユーザー又はその関係会社」の直近の事業年度の収入か売上が、10億円を超えないことが条件です。5 親会社や子会社がある会社は、そちらの数字も確かめてください。
訳文の公開と製品への組み込みで要る表示
訳文を公開するときは、PLaMoが作ったものだと明示するのが条件です。5 店のWebサイトの英語版をこのAIで作るなら、そのことをページに書きます。
モデルや訳文を社外の人や会社に提供するときは、ライセンスの写しを渡し、「Built with PLaMo」と表示します。5 条文では、提供するものに訳文も含まれています。5 モデルを作り変えて名前を付けるなら、名前に「PLaMo」を入れます。5
手元で試す前に確かめること
冒頭の、機内モードのスマホで翻訳したアプリは、PFNが社内で作ったデモです。PFNはいまのところ公開していません。2 スマホで使うなら、アプリを自分で用意するしかありません。
パソコンで試すなら、ファイルの形式は機種に合わせて選びます。3
- 多くのパソコンでは、CPUやGPUで動くGGUF形式を選び、llama.cpp(ラマ・シーピーピー)というソフトで動かします
- Apple siliconのMacなら、MLX-4bit形式も選べます。こちらはmlx-lmというソフトで動かします
- 一度に訳せる長さには上限があり、渡した文脈や用語集もその中に数えます。長い書類は分けて渡します
手順はHugging Face(ハギングフェイス)のモデルの説明ページ(モデルカード)に載っていて、どれもコマンドを打って動かします。34
コマンドを打たずに試すなら、PLaMo翻訳のサービスの無料プランがあります。7
自分のパソコンのメモリで足りるかは、メモリの計算式の記事で確かめられます。
0.8Bには、さらに縮めた0.55GBのファイルもあり、スマホ向けと書かれています。4 ほかのモデルと比べて選ぶなら、ローカルLLMの選び方も参考になります。
訳文の人名や数字を人が確かめる理由は、機械翻訳の歴史の記事で取り上げました。
無料で、手元で、ネットなしで。それでも、訳文の最後の確認だけは人の仕事です。
出典
- Preferred Networks「PFN、翻訳特化型LLM『PLaMo 3 Translate』をオープンウェイトで公開」(2026年11月5日)(参照 2026-11-06)
- PFN Tech Blog「PLaMo 3 Translate」の公開と開発の記事(2026年11月5日)(参照 2026-11-06)
- Hugging Face「pfnet/plamo-3-translate-0.8b」(モデルカード)(参照 2026-11-06)
- Hugging Face「pfnet/plamo-3-translate-0.8b-GGUF」(モデルカード)(参照 2026-11-06)
- Preferred Networks「PLaMoコミュニティライセンス契約」(参照 2026-11-06)
- Hugging Face「pfnet/plamo-2-translate」(モデルカード)(参照 2026-11-06)
- Preferred Networks「PLaMo翻訳」(料金とデータの扱い)(参照 2026-11-06)
