Googleは2026年9月24日(米国時間)、企業向けの「Gemini Enterprise」でアバター機能「Live Avatar」の提供を始めました。アバターは、話す言葉に合わせて口が動き、表情も変わります。個人向けのGeminiアプリへの提供予定は、明らかにしていません。12

この記事でわかること

  • 自社で用意した顔のアバターは、Googleの承認を受けた企業しか作れません
  • 映像付きの会話は、初期設定では2分で打ち切られます
  • 1日30件、1件2分ずつ案内すると、映像の料金は約3,300円です
この記事の目次(5節)
  1. 声に合わせて口と表情が動くアバター
  2. 独自のアバターは承認制
  3. 続けて話せるのは数分、料金は話している時間で決まる
  4. 店頭で使うにはアプリの開発が必要
  5. どんな会社が試すとよいか

声に合わせて口と表情が動くアバター

Live Avatarは、音声で会話するAI「Gemini 3.8 Live」に、アバターの映像を付けた機能です。日本語を含む97言語に対応しています。相手の言語を自動で聞き分け、途中で言語が替わっても口の動きは音声に合うと、Googleは説明しています。126

Googleは、ホテルのチェックインで、利用者と会話しながら予約を照会する使い方を例に挙げています。利用者のカメラ映像や共有画面を見ながら答えることもできます。12

米国では、自動車販売サイト「Autotrader」を運営するCox Automotiveが、車の購入を考えている人の相談に応じるアバターを導入しています。2

利用できるリージョン(データを処理する地域)は、米国とEUだけです。日本のリージョンでの提供時期は、明らかにしていません。2

独自のアバターは承認制

アバターは、Googleが用意した既製のものから選びます。正面から撮った顔写真1枚で独自のアバターも作れますが、使えるのはGoogleの承認を受けた企業だけです。Googleは、モデルとなる本人から同意を得るのは利用企業の責任としています。3

音声と映像には、AIで作ったものだと識別できる電子透かし「SynthID」が埋め込まれます。1

続けて話せるのは数分、料金は話している時間で決まる

会話の長さには上限があり、料金もアバターが話している時間に応じて増えます。長い相談より、数分で終わる案内に向く作りです。

映像付きは初期設定で2分まで

映像付きの会話(セッション)は、初期設定では2分で打ち切られます。音声だけなら15分です。過去のやり取りを要約して短くする設定(コンテキスト ウィンドウの圧縮)を有効にすれば、会話の時間を延ばせます。ただし接続自体は約10分で切れるため、会話を引き継ぐ設定(セッション再開)も必要です。4

HOW LONG A LIVE SESSION LASTS 0分 2分 10分 15分 01 02 03 映像付き 音声だけ 接続 初期設定で2分 初期設定で15分 約10分で切れる 圧縮と再開の設定で、会話を引き継いで続けられる Google Cloudのドキュメント「Start and manage live sessions」をもとに作図。
会話の長さの上限(映像付き2分・音声だけ15分・接続約10分)。

窓の杜は、アバターとの連続対話は今のところ数分程度だと報じています。7 受付の案内のように数分で終わる用件なら、初期設定の2分に収まることもあります。

映像の料金は1分約56円

映像の料金は、アバターが話す1秒を6,192トークン(AIが扱うデータ量の単位)として計算します。100万トークンあたり1ドルなので、話す時間1分あたり約0.37ドル、1ドル=150円換算で約56円です。5

相手の話を聞いているあいだは、映像の料金はかかりません。1日30件、1件2分ずつアバターが話すと、映像の料金は約22ドル(1ドル=150円換算で約3,300円)です。これとは別に音声の料金と、会話の履歴を読み込む分の料金もかかり、会話が長いほど増えます。5

項目公表されている内容
提供される製品Gemini Enterprise(リージョンは米国とEU)
日本語対応(97言語の1つ)
アバター既製のものから選ぶ。独自のものは承認制
会話の長さ映像付きは初期設定で2分、接続は約10分
映像の料金話す時間1分あたり約0.37ドル。聞いているあいだは映像の料金なし

表のうち、会話の長さと映像の料金は、自社の1件あたりの応対時間に当てはめて確かめる項目です。応対時間が2分を超えるなら、上の2つの設定も含めた開発が要ります。

店頭で使うにはアプリの開発が必要

Gemini Enterpriseは、Google Cloudの上で提供される企業向けの製品です。動作はGoogle Cloud コンソールで試せますが、店頭の端末やWebサイトで使うには、Live Avatarと接続するアプリを自社で開発する必要があります。接続にはAPI(外部から機能を呼び出す窓口)を使います。3

例えば、ショールームで来店客を迎える会社なら、営業時間や展示車の場所の案内、予約の確認をアバターに任せられそうです。予約の確認には、予約システムとの連携も開発する必要があります。値引き交渉や苦情など、どの時点で営業担当者に引き継ぐかも先に決めておきましょう。

電話での予約対応の手間を減らすのが目的なら、映像の無い電話の自動応答サービスで足りることもあります。各サービスの違いは受付の電話を減らすAI応答とWeb予約の比較で比べています。Googleは同じ週に、AIが店に電話をかける機能も発表しました。詳しくはGeminiの「Call for Me」の解説で取り上げています。

カメラの映像と顔の扱い

アバターにカメラ越しに来店客を応対させると、顔の映像が米国かEUのデータセンターに送られます。2 特定の個人を識別できる映像は、個人情報に当たります。8 撮影の告知や利用目的の通知など、顔の映像の取扱いを社内で決めておきましょう。個人情報保護法の改正と施行の時期は、個人情報保護法の改正と施行の時期にまとめています。社員や有名人に似せた顔や声を宣伝に使う場合の注意は、生成AIで作った顔や声を広告に使えるかで取り上げました。

どんな会社が試すとよいか

すでにGoogle Cloudを使っていて、受付で外国語の案内をしたい会社は、既製のアバターで一度試す候補になります。

  • 問い合わせの多くが電話なら、まず電話の自動応答サービスと比べる
  • 来店客への定型の案内が多いなら、1件あたりの応対時間を測って料金を見積もる
  • 社員の顔でアバターを作りたいなら、本人の同意と退職後の扱いを決めてから、Googleに利用を申請する

出典

  1. Google「Introducing Gemini 3.8 Live with Live Avatar」(2026年9月24日)(参照 2026-09-28)
  2. Google Cloud Blog「Gemini 3.8 Live with Live Avatar is now generally available」(2026年9月24日)(参照 2026-09-28)
  3. Google Cloud ドキュメント「Configure live avatars」(参照 2026-09-28)
  4. Google Cloud ドキュメント「Start and manage live sessions」(参照 2026-09-28)
  5. Google Cloud「Generative AI pricing」(Gemini 3.8 Live API の行)(参照 2026-09-28)
  6. Google Cloud ドキュメント「Configure language and voice」(参照 2026-09-28)
  7. 窓の杜「しゃべるAIが“顔”付きに ~Google、『Gemini 3.8 Live with Live Avatar』を発表」(2026年9月25日)(参照 2026-09-28)
  8. 個人情報保護委員会「ガイドラインに関するQ&A」Q1-41(防犯カメラやビデオカメラなどで記録された映像情報)(参照 2026-09-28)

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