要点

対象:自分のパソコンで動かすモデルを決めたい人

  1. 目安は重みだけか合計かで違う
  2. 日本語はモデルカードの対応言語で見る
  3. Llama 4は表示と名前の条件がある

ローカルLLM(自分のパソコンで動かすAIモデル)は、メモリの量・用途・日本語への対応・ライセンス(商用で使えるかなどの条件)の4つを順に見ると、最初に使うモデルを1つに絞れます。

この記事の目次(7節)
  1. メモリの量ごとの最初の候補
  2. 用途でモデルを選ぶ
  3. 日本語への対応を確かめる
  4. 商用で使えるか — ライセンスの条件
  5. 迷ったときの最初の1つを決める手順
  6. つまずきやすいところ
  7. 次に読む回

決め方は1つです。下のメモリの表で自分のメモリの量の行を見て、並んだ2つのモデルのどちらかを試してください。画像・音声・コードを使うなら用途の表で、日本語で使うなら対応言語の表で、合うモデルに替えます。

この記事の「メモリ」は、VRAM(グラフィックボードに積まれたメモリ)か、ユニファイドメモリ(MacなどでCPUとGPUが共有するメモリ)のことです。

グラフィックボードの無いパソコンでは、メインメモリの量で表を見てください(調べ方は7回目で説明しました)。

この記事は、講座「1からの道のり」の10回目です。開発元の公式の数字は、2026年11月1日に各社のページで確かめました。

選ぶ順番 01 02 03 04 手元のメモリで大きさを決める 用途でモデルを選ぶ 日本語への対応を見る ライセンスを見る VRAMかユニファイドメモリに、要るメモリの目安が収まるか 文章・コード・画像入力・音声入力のどれを使うか モデルカードの対応言語に日本語があるか 商用で使えるかなどの条件を原文で確かめる 最初に決める モデルカードで見る モデルカードで見る ライセンスで見る 例: 16GBのメモリで文章を作る → Gemma・Qwen・gpt-oss のシリーズから選ぶ 目安
1つ目で大きさの上限が決まり、2〜4つ目は、当てはまらないモデルを外していく段です。

メモリの量ごとの最初の候補

メモリの量Gemma 4(重みの数字)Qwen3(合計の数字)
8GBE4B(4.5GB)Qwen3-8B(約7.2GB)
16GB12B(6.7GB)Qwen3-14B(約12.2GB)
24GB26B A4B(14.4GB)Qwen3-30B-A3B(約23.2GB)
32GB31B(17.5GB)Qwen3-32B(約26.2GB)

表の見方

  • 「12B」は、パラメータ(学習で決まる数値)が約120億個あるという意味です。Bはbillion(10億)の頭文字です。パラメータの値をまとめたものを重みと呼び、モデルのファイルの中身にあたります。2
  • Gemma 4の数字は、重みを読み込むのに要るメモリです(Googleの表の値)。会話を覚えておく分や、使うソフトの分は入っていません。そこでこの表では、数字がメモリの量の6割ほどまでになるモデルを、その行に入れてあります。Googleも、12Bは16GBのメモリで動くとしています。14
  • Qwen3の数字は、4回目「ローカルLLMのスペックは何GB必要?」で計算した合計です。重みに、会話を覚えておく分と、計算の途中で使う分を足しています。会話は8,192トークン(トークンはAIが文章を区切って扱う単位)までで計算しました。
  • どちらの数字も、4ビットに量子化(数を少ないビットで表して、ファイルを小さくすること)した形式で計算しています。1
  • 「26B A4B」は、答えを作るときに使うのは一部でも、メモリには全部(26B分)を読み込みます。1

表に無いモデルの動作環境

モデル開発元が示す動作環境
gpt-oss-20b重みをMXFP4という形式で量子化した状態で、16GBのメモリで動く9
Mistral Small 3.1量子化すれば、RTX 4090(グラフィックボード)1枚か、メモリ32GBのMacBookに収まる11

機材ごとの速さは、llmspeedでローカルLLMの速度を見る記事で比べられます。

用途でモデルを選ぶ

画像や音声を使うときは、モデルカード(開発元がモデルのページに書く説明)に「画像入力」や「音声入力」に対応すると書いてあるモデルを選んでください。2678911

したいことモデルの例モデルカードの記載
文章の作成・要約・会話Gemma 4、Qwen3Gemma 4は用途に挙げている。Qwen3は創作・ロールプレイ・会話・指示どおりに答えることを得意とする
コードを書かせるQwen3-Coder-30B-A3B-Instructエージェント型のコーディング(AIが自分で手順を進めて書く)向け
画像入力Gemma 4、Qwen3.5-9B、Mistral Small 3.1画像を入力できる。Gemma 4とQwen3.5-9Bは動画も扱える
音声入力Gemma 4のE2B・E4B・12B音声を入力できる。1回30秒まで
考えてから答えさせるGemma 4、Qwen3、gpt-oss-20b思考モード(答える前に、考える過程を書き出す働き)を設定できる。gpt-oss-20bは考える量を低・中・高から選べる

日本語への対応を確かめる

最初に、モデルカードの対応言語に日本語があるかを見てください。259111214

モデル対応言語の記載
Qwen3119の言語と方言。表に日本語がある
Mistral Small 3.1日本語が挙がっている
ELYZA-Thinking-1.0-llm-jp-4-32b-a3b日本語と英語
Gemma 4140以上の言語で学習し、35以上の言語に対応する。どの言語かの一覧は無い
Llama 4 Scout一覧の12の言語に、日本語は無い
gpt-oss-20b対応言語の記載は無い

Gemma 4とgpt-oss-20bは、カードを見ても日本語に対応しているかが分かりません。日本語で頼んでみて、答えを見て決めてください。

このELYZAのモデルは、LLM-jpが日本で一から学習したllm-jp-4を土台にしています。14 公開の経緯は、ELYZAが無料で公開した日本語LLMの記事にあります。

商用で使えるか — ライセンスの条件

ライセンスモデルの例主な条件
Apache 2.0Gemma 4、Qwen3、Qwen3.5-9B、Mistral Small 3.1、ELYZA-Thinking-1.0-llm-jp-4-32b-a3b商用でも使える。配布するときはライセンス文の写しを付け、変えたファイルには変えたと書く
Apache 2.0と利用ポリシーgpt-oss-20b上の条件に加え、利用ポリシーに「使う人は法令を守ることに同意する」とある
Llama 4 Community LicenseLlama 4主な条件は下の節

写しや表示の条件は、モデルやそれを含む製品を、人に配布・提供するときのものです。自分のパソコンで使うだけなら、この2つは当たりません。商用で使う前に、モデルのページでライセンスの原文を開いて確かめてください。367910111415

Llama 4 Community Licenseの主な条件

Llama 4 Scoutは、パラメータが合計109Bのモデルなので、メモリの表には入れていません。12 ライセンスには、次のような条件があります。13

  • Llama 4の公開日の前月に、月間アクティブユーザーが(関連会社の分を含めて)7億人を超えていた場合は、Metaの許諾が要る
  • 配布・提供するときは、「Built with Llama」を目立つように表示する
  • Llamaやその出力で作ったAIモデルを配布・提供するときは、名前の頭に「Llama」を付ける
  • 利用ポリシー(Acceptable Use Policy)を守る

迷ったときの最初の1つを決める手順

  1. 自分のメモリの量を調べる
  2. メモリの表の自分の行から、モデルを1つ選ぶ。文章や要約が目的なら、そのまま進む
  3. 画像・音声・コードを使うなら、用途の表のモデルに替える。要るメモリは、パラメータ数が近い表のモデルの行を目安にする(Qwen3.5-9BならQwen3-8Bの行)
  4. モデルのページで、ライセンスと対応言語を見る。OllamaやLM Studioで入れるときも、元のモデルのページを確かめる
  5. 動かしてみて、ふだんChatGPTに頼んでいることを、日本語で3つほど試す

つまずきやすいところ

同じシリーズでも、バージョンで中身が変わる

シリーズは、同じ開発元が同じ名前で出すモデルの集まりです。Qwen3-8BとQwen3.5-9Bでは、対応言語の数も、画像入力ができるかも違います。567

モデルを探すときは、シリーズの名前だけでなく、バージョンの数字まで入れて探してください。

アクセスリクエストと承認が要るモデルがある

Llama 4 Scoutは、Hugging Face(モデルを公開するサイト)のゲート付きモデルです。氏名・生年月日・所属などを入力して、アクセスリクエストを送ります。Metaが承認してから、ダウンロードできます。1216

次に読む回

前の回(9回目)は、LM Studioでモデルを探して、設定の意味を知る回でした。

次の回は「Hugging Face の歩き方 — モデルカードの読み方と、ファイルの種類(safetensors・GGUF)」です。この記事で見た対応言語やライセンスを、モデルカードのどこで探すかを扱います。

日本語の評価表をどう読むかは12回目、ライセンスのくわしい話は22回目で扱います。

出典

  1. Gemma 4 model overview(Google DeepMind の Gemma の文書・メモリの目安の表)(参照 2026-11-01)
  2. Gemma 4 model card(Google DeepMind)(参照 2026-11-01)
  3. Gemma 4: Byte for byte, the most capable open models(Google・2026年4月2日)(参照 2026-11-01)
  4. Introducing Gemma 4 12B: a unified, encoder-free multimodal model(Google・2026年6月3日)(参照 2026-11-01)
  5. Qwen3: Think Deeper, Act Faster(Qwen・2025年4月29日)(参照 2026-11-01)
  6. Qwen/Qwen3-8B のモデルカード(Hugging Face)(参照 2026-11-01)
  7. Qwen/Qwen3.5-9B のモデルカード(Hugging Face)(参照 2026-11-01)
  8. Qwen/Qwen3-Coder-30B-A3B-Instruct のモデルカード(Hugging Face)(参照 2026-11-01)
  9. openai/gpt-oss-20b のモデルカード(Hugging Face)(参照 2026-11-01)
  10. openai/gpt-oss-20b の USAGE_POLICY(Hugging Face)(参照 2026-11-01)
  11. mistralai/Mistral-Small-3.1-24B-Instruct-2503 のモデルカード(Hugging Face)(参照 2026-11-01)
  12. meta-llama/Llama-4-Scout-17B-16E-Instruct のモデルカード(Hugging Face)(参照 2026-11-01)
  13. Llama 4 Community License Agreement(Meta・2025年4月5日)(参照 2026-11-01)
  14. elyza/ELYZA-Thinking-1.0-llm-jp-4-32b-a3b のモデルカード(Hugging Face)(参照 2026-11-01)
  15. Apache License, Version 2.0(Apache Software Foundation)(参照 2026-11-01)
  16. ゲート付きモデル(Hugging Face Hub のドキュメント・日本語)(参照 2026-11-01)