要点

対象:画面でローカルAIを動かしたい人

  1. 性能が足りれば4ビット以上を選ぶ
  2. GPU OffloadはGPUで計算する層の数
  3. 業務でも無料、有料の機能もある

LM Studioは、AIモデルを探してダウンロードし、チャットするまでを、画面の操作だけでできるアプリです。読み込むときの設定は、最初はLM Studioが自動で決めるままでかまいません。36

この記事の目次(8節)
  1. インストールの前に確かめる動作環境
  2. LM Studioのインストールと日本語の画面
  3. モデルを探してダウンロードする
  4. 読み込むときの設定の意味
  5. Ollamaとの違いと使い分け
  6. アプリとモデルの利用条件
  7. つまずきやすいところ
  8. 次に読む回

この記事は、ローカルAIの講座「1からの道のり」の9回目です。前の回を読んでいなくても、この回だけで使い始められます。

LOAD SETTINGS 01 02 GPU Offload(GPUで計算する層の数) 層の数を増やすほど、GPUで計算する分が増える 全部 半分 0 VRAMに載せてGPUで計算する層 メインメモリでCPUが計算する層 Context Length(一度に扱える長さ) 長くするほど、KVキャッシュも同じ割合で増える 4,096トークン 8,192トークン 32,768トークン KVキャッシュ LM Studio
GPU Offloadでは、モデルの層をGPUとCPUにどう分けるかを決めます。Context Lengthでは一度に扱える長さを決め、長さに比例してKVキャッシュも増えます。

インストールの前に確かめる動作環境

LM Studioは、Windows・Mac・Linuxで動きます。2026年11月1日時点のダウンロードページでは、バージョンは0.4.28でした。12

OS対応するCPU・OSメモリの目安(公式の推奨)
Windowsx64かArm(Snapdragon X Elite)。x64ではAVX2(CPUの命令の一種)に対応したCPUが要るメインメモリ16GB以上・VRAM(GPUに付いている専用のメモリ)4GB以上
MacAppleシリコン(M1〜M4)で、macOS 14以降。IntelのMacには、いまは対応していない16GB以上。8GBでも、小さなモデルと短いコンテキスト長(入力と答えを合わせて一度に扱える長さ)なら使える場合がある
Linuxx64かArm(Arm64)で、Ubuntu 20.04以降。Ubuntu 22より新しい版は十分に試されていない公式に記載なし

LM Studioのインストールと日本語の画面

インストールのしかた

  1. ダウンロードページ(lmstudio.ai/download)を開く
  2. 「Download LM Studio」から、お使いのOS用のファイルをダウンロードする
  3. ダウンロードしたファイルを開いてインストールする。Linux用はAppImageという形式のファイル

ページの上にある「LM Studio Bionic」は、オープンモデル向けに作られたエージェントで、この記事のLM Studioとは別のアプリです。12

画面を日本語にする

設定の画面を Ctrl+,(Macは ⌘+,)で開き、「App Language」(日本語の画面では「言語」)で日本語を選べます。529

この記事では、画面の名前を英語の表示で書き、初めて出る所に日本語の画面での名前を添えます。29

モデルを探してダウンロードする

Discoverタブで探す

  1. 「Discover」(日本語の画面では「探索」)タブを開く(Ctrl+2、Macは ⌘+2)429
  2. 検索欄に、キーワード(gemma など)か「ユーザー名/モデル名」を入れる4
  3. 出てきたモデルを選び、量子化の種類を1つ選んでダウンロードする

検索欄には、Hugging Face(AIモデルを公開するサイト)のモデルのページのURLも貼れます。4

Hugging Faceの「Local Apps」の設定でLM Studioを有効にしておくと、そのモデルのページで「Use this model」を押して、LM Studioで開けます。13

Q4_K_Mなど、量子化の種類の選び方

同じモデルでも、Q4_K_M・Q8_0 のような名前のファイルが並びます。どれも、そのモデルを量子化(数を少ないビットで表すこと)したものです。4

Q4 の4はビット数です。数が小さいほどファイルは小さくなり、そのぶん品質は少し落ちます。428

4ビット以上(Q4〜Q8)のうち、パソコンのメモリに収まるものを選びます。4 Q4 でも収まらないときは、ビット数を下げるより、パラメータ数の小さいモデルにするほうが無難だと考えています。

選択肢には、収まるかの見込みが「Full GPU Offload Possible」(「完全なGPUオフロードが可能」)のように出ます。全部をGPUで計算できる、という意味です。29

見込みが外れることもあるので、要るメモリはメモリを計算する回の式でも見積もれます。

例えば、GoogleのGemma 4 E4B(Gemma 4の小さいモデルの1つ)では、LM Studioのチームが配るファイルのサイズは次のとおりです(2026年11月1日時点)。1415

量子化の種類ファイルサイズ
Q4_K_M(4ビット)5.34GB
Q6_K(6ビット)6.22GB
Q8_0(8ビット)8.03GB

どのOSでも、GGUF(モデルのファイルの形式の1つ)のファイルを使えます。AppleシリコンのMacでは、MLX(AppleがAppleシリコン向けに作った、AIの計算の仕組み)用のモデルも選べます。2528

ダウンロードしたモデルは、最初の設定では ~/.lmstudio/models/ の下の、配布元とモデル名のフォルダに分けて入ります。置き場所は「My Models」(「マイモデル」)タブで変えられます。41229

読み込むときの設定の意味

読み込む手順

最初は、LM Studioが決めた値のまま読み込みます。読み込めなければ、Developerモードにして、下の手順でContext Lengthを短くします。618

Developerモードには、設定の画面(Ctrl+,)の「Developer」(「開発者」)の項目で切り替えます。629

  1. 「Chat」(「チャット」)タブで、モデルを読み込む画面(model loader)を開く(Ctrl+L、Macは ⌘+L)3
  2. 「Manually choose model load parameters」(「モデル読み込みパラメータを手動で選択」)をオンにする729
  3. ダウンロードしたモデルを選び、GPU OffloadとContext Lengthを設定する

GPU Offload(GPUオフロード)の意味

モデルは、層が積み重なってできています。GPU Offloadは、そのうちいくつの層をGPUで計算するかを決めるスライダーです。残りの層はCPUが計算します。1129

NVIDIAの2024年10月の記事では、RTX 4090のパソコンで前の世代のGemma 2(27B)を動かしています。CPUだけでは、1秒に2.1トークン(AIが文章を数える単位)でした。11

GPUで計算する層を増やすほど速くなり、全部の層をGPUで計算すると39トークン(約18倍)でした。同じ記事では、GPUオフロードを使っても、モデル全体が入るだけのメインメモリが要るとされています(理由は書かれていません)。11

専用GPUメモリと共有GPUメモリ

共有GPUメモリは、メインメモリの一部をGPUが借りて使う場所です。重み(モデルが覚えている数値の集まり)が専用GPUメモリ(VRAM)に入りきらないと、OSがここに置き、かなり遅くなることがあります。10

次の設定は、2025年3月の0.3.14の時点では、NVIDIAのGPUだけで使えました。10

  1. GPUの設定を開く(Ctrl+Shift+H、Macは ⌘+Shift+H)10
  2. 「Limit Model Offload to Dedicated GPU Memory」(「モデルオフロードを専用GPUメモリに制限」)をオンにする29

オンにすると、重みを共有GPUメモリに置かず、入りきらない層はCPUが計算します。LM Studioは、自社の試しでは、そのほうが共有GPUメモリを使うより速かったとしています。10

オンにしていても、会話が長くなってKVキャッシュ(それまでのトークンの計算結果をためておくメモリ)が専用GPUメモリからあふれると、共有GPUメモリに入って、だんだん遅くなります。1027

Context Length(コンテキスト長)の意味

コンテキスト長には、送った文章と返ってきた答えの両方が入ります。トークンで数えます。2329

長くするほど、要るメモリが増えます。KVキャッシュが、扱うトークンの数に比例して大きくなるためです。1827

モデルごとに扱える最大の長さもあり、Gemma 4 E4Bなら128K(約12万8,000)トークンです。Context Lengthはこの長さまでの値にし、超えるとモデルの動きがおかしくなります。1524

モデルごとにデフォルト設定を保存する

「My Models」タブで、モデルの横の歯車のアイコンを押すと、そのモデルのデフォルト設定を決められます。読み込むときに変えた設定を、そのまま保存することもできます。9

Ollamaとの違いと使い分け

比べる点LM StudioOllama
主な使い方アプリの画面で探し、読み込み、チャットするコマンドで動かす13。WindowsとMacはアプリの画面でもチャットできる26
モデルの探し方アプリの中でHugging Faceを検索するコマンドでモデルの名前を打つ。Hugging FaceのGGUFも使える19
コンテキスト長の初期値LM Studioが自動で決める。読み込む前に変え、モデルごとに保存できる69VRAMの量で決まる(24GiB未満なら4K)。アプリのスライダーで変えられる18
Macの対応Appleシリコンだけ1AppleシリコンとIntel(IntelのMacはCPUだけ)21
アプリの利用条件無料で使える。有料の機能もある。ソースコードは非公開1617MIT Licenseのオープンソース20

モデルを見比べ、設定を変えながら試すなら、画面の操作だけで済むLM Studioが手軽だと考えています。決まったモデルを名前1つで動かすだけなら、Ollamaでも十分だと思います。

アプリとモデルの利用条件

LM Studioのアプリは、個人でも業務でも無料で使えます。2025年7月8日から、会社で使うときにも別の商用ライセンスは要らなくなりました。16

2026年8月23日版の利用規約には、アプリをサービスとして他人に使わせることの禁止や、有料の機能の決まりもあります。17

モデルの利用条件はアプリとは別で、提供元が定めるライセンスに従います。Gemma 4 E4BはApache 2.0です。1517

LM Studioのチームが量子化して配っているモデルも、元は別の会社や人が作ったものです。中身の完全さ・正しさ・信頼性などを、LM Studioは保証していません。14

つまずきやすいところ

モデルを検索できない

Discoverタブの検索は、Hugging Faceにつないで行うので、インターネットが無いと使えません。ダウンロードを終えたモデルは、手元で動かす理由の回で書いたとおり、つながっていなくても動きます。22

読み込めない

設定の画面の「Model loading guardrails」(「モデル読み込みガードレール」)が、読み込みを止めていることもあります。緩められますが、メモリの限界に近いモデルを読み込むと、パソコンが不安定になることがあります。29

次に読む回

前の回は「最初の1つを動かす — Ollama を入れて、モデルを落として話すまで」です。

次の回は「モデルの選び方の基本 — 大きさ・用途・日本語・ライセンスの4つで決める」です。

出典

  1. System Requirements(LM Studio のドキュメント)(参照 2026-11-01)
  2. Download LM Studio(LM Studio。2026年11月1日の表示は 0.4.28)(参照 2026-11-01)
  3. Get started with LM Studio(LM Studio のドキュメント)(参照 2026-11-01)
  4. Download an LLM(LM Studio のドキュメント)(参照 2026-11-01)
  5. LM Studio in your language(LM Studio のドキュメント)(参照 2026-11-01)
  6. User or Developer(LM Studio のドキュメント)(参照 2026-11-01)
  7. Parallel Requests(LM Studio のドキュメント。読み込みの画面にある切り替えの名前)(参照 2026-11-01)
  8. lms load(LM Studio の CLI のドキュメント)(参照 2026-11-01)
  9. Per-model Defaults(LM Studio のドキュメント)(参照 2026-11-01)
  10. LM Studio 0.3.14: Multi-GPU Controls(LM Studio Blog・2025年3月27日)(参照 2026-11-01)
  11. How to Accelerate Larger LLMs Locally on RTX With LM Studio(NVIDIA Blog・2024年10月23日)(参照 2026-11-01)
  12. Import Models(LM Studio のドキュメント。モデルの置き場所の形)(参照 2026-11-01)
  13. Use AI Models Locally(Hugging Face Hub のドキュメント)(参照 2026-11-01)
  14. lmstudio-community/gemma-4-E4B-it-GGUF のモデルカードとファイルの一覧(Hugging Face)(参照 2026-11-01)
  15. google/gemma-4-E4B-it のモデルカード(Hugging Face)(参照 2026-11-01)
  16. LM Studio is free for use at work(LM Studio Blog・2025年7月8日)(参照 2026-11-01)
  17. LM Studio Desktop App Terms of Service(2026年8月23日版)(参照 2026-11-01)
  18. Context length(Ollama のドキュメント)(参照 2026-11-01)
  19. Use Ollama with any GGUF Model on Hugging Face Hub(Hugging Face Hub のドキュメント)(参照 2026-11-01)
  20. ollama/ollama の LICENSE(GitHub)(参照 2026-11-01)
  21. macOS(Ollama のドキュメント)(参照 2026-11-01)
  22. Offline Operation(LM Studio のドキュメント)(参照 2026-11-01)
  23. LLMLoadModelConfig(LM Studio の SDK のドキュメント。contextLength の説明)(参照 2026-11-01)
  24. Get Context Length(LM Studio の SDK のドキュメント)(参照 2026-11-01)
  25. Welcome to LM Studio Docs(LM Studio のドキュメント。GGUF と MLX)(参照 2026-11-01)
  26. Ollama's new app(Ollama Blog・2025年7月30日)(参照 2026-11-01)
  27. Mastering LLM Techniques - Inference Optimization(NVIDIA Technical Blog。KVキャッシュの説明)(参照 2026-11-01)
  28. GGUF(Hugging Face Hub のドキュメント。Quantization Types の表)(参照 2026-11-01)
  29. lmstudio-ai/localization(LM Studio の画面の文字列。en と ja の sidebar・chat・config・settings・models・discover)(参照 2026-11-01)