要点

対象:自分のパソコンでローカルLLMを試したい人

  1. グラフィックボードのVRAMは「専用 GPU メモリ」
  2. 「共有 GPU メモリ」はVRAMに入れない
  3. Appleシリコンは「このMacについて」のメモリ

ローカルLLM(自分のパソコンで使うAIモデル)が動くかどうかは、GPUの名前・VRAMの容量・メインメモリの容量の3つで見当が付きます。

この記事の目次(8節)
  1. OSごとに見る場所
  2. WindowsでGPUとVRAMを調べる
  3. Macでチップとメモリを調べる
  4. LinuxでGPUとメモリを調べる
  5. 調べた数字から、動くモデルの大きさの見当を付ける
  6. グラフィックボードが無くても始められる
  7. つまずきやすいところ
  8. 次に読む回

GPUは、画面を描く計算をする部品です。AIモデルの計算も得意なので、ローカルLLMはGPUで動かすと速くなります。VRAMは、GPU専用のメモリです。用語はローカルLLMの「8B」「Q4_K」「VRAM」の記事で説明しています。

Windowsで、グラフィックボード(ノートパソコンなら単体のGPU)を積んでいるなら、タスク マネージャーの「パフォーマンス」でGPUを選びます。「専用 GPU メモリ」の最大容量が、VRAMの容量です。121

調べた数字は、必要なメモリの計算式と早見表の「合計の目安」(モデルを動かすのに要るメモリの量)と比べます。

量子化(モデルの中の数値を少ないビットで表して小さくすること)して使い、読ませる長さが短めなら、VRAMが8GBのときの目安は約80億パラメータのモデルまでです。

この記事は、ローカルAIの講座「1からの道のり」の7回目です。前の回を読んでいなくても、自分のパソコンの数字はこの記事だけで調べられます。

OSごとに見る場所

調べるものWindows 11MacLinux
GPUの名前タスク マネージャーの「パフォーマンス」「このMacについて」の「チップ」nvidia-smi -L か lspci
VRAMの容量同じ画面の「専用 GPU メモリ」Appleシリコン搭載のMacはCPUとGPUで同じメモリを使う(「メモリ」を見る)NVIDIA: nvidia-smi -q -d MEMORY/AMD: amd-smi static --vram
メインメモリの容量「設定」の「バージョン情報」の「実装 RAM」「このMacについて」の「メモリ」free -h
調べる3つのもの 01 02 03 GPUの名前 VRAMの容量 メインメモリの容量 Win: タスク マネージャー Mac: このMacについて Linux: nvidia-smi・lspci Win: 専用 GPU メモリ Mac: 同じメモリを使う Linux: nvidia-smi・amd-smi Win: 設定の「実装 RAM」 Mac: このMacについて Linux: free -h 共有 GPU メモリは入れない 早見表と比べる数字(GPUの種類で変わる) NVIDIA・AMDの グラフィックボード → VRAMと比べる Appleシリコン搭載のMac (ユニファイドメモリ) → メモリと余裕を見て 内蔵GPUだけ・ GPUが無い → メインメモリ(CPU) 目安
OSごとに、GPUの名前・VRAM・メインメモリを見る場所と、早見表と比べる数字

WindowsでGPUとVRAMを調べる

タスク マネージャーでGPUの名前とVRAMを見る

  1. Ctrl + Shift + Esc キーを押して、タスク マネージャーを開く20
  2. 「パフォーマンス」を選ぶ
  3. 一覧の「GPU」で始まる項目を順に選ぶ
  4. GPUの名前と、「専用 GPU メモリ」「共有 GPU メモリ」の数字を見る

内蔵GPUとグラフィックボードの両方が載っているパソコンでは、GPUの項目が2つ並びます。どちらがグラフィックボードかは、項目に出る名前(GeForce・Radeon など)で見分けます。番号の「GPU 0」「GPU 1」では見分けられません。121

「専用 GPU メモリ」と「共有 GPU メモリ」の違い

グラフィックボードでは、「専用 GPU メモリ」がボードに載っているVRAMです。内蔵GPUでは、「専用 GPU メモリ」の数字はVRAMの容量ではありません。内蔵GPUだけのパソコンは、メインメモリの容量を見ます。1

「共有 GPU メモリ」は、GPUとCPUのどちらも使えるメインメモリです。1

GPUの項目が出ないときは dxdiag で見る

ドライバー(部品を動かすためのソフト)が古いと、GPUの項目が出ないことがあります。そのときは、タスクバーの検索ボックスに dxdiag と入力して、DirectX 診断ツールを開きます。13

「ディスプレイ」のタブの「名前」がGPUの名前で、「表示メモリ(VRAM)」がVRAMの容量です。4

ドライバーが入っていれば、GPUの名前はデバイス マネージャーの「ディスプレイ アダプター」でも分かります。56

メインメモリの容量を見る

  1. 「スタート」を右クリックし、「設定」を選ぶ
  2. 「システム」を選び、「バージョン情報」を選ぶ
  3. 「デバイスの仕様」の「実装 RAM」を見る

「実装 RAM」が、パソコンに載っているメインメモリの容量です。222

Macでチップとメモリを調べる

「このMacについて」を開く

  1. 画面の左上のアップルメニューをクリックする
  2. 「このMacについて」を選ぶ
  3. 「チップ」の行でチップの名前を、「メモリ」の行でメモリの容量を見る

Intelプロセッサ搭載のMacでは、「チップ」の代わりに「プロセッサ」の行が出ます。78

細かい情報は、システムレポートで見られます。アップルメニューの「システム設定」で「一般」の「情報」を開き、「システムレポート」をクリックします。Option キーを押しながらアップルメニューを開き、「システム情報」を選んでも開けます。9

Appleシリコン搭載のMacは、CPUとGPUで同じメモリを使う

Appleシリコン(M1から新しいチップまで)のMacは、どれもメモリがユニファイドメモリです。CPUとGPUが1つのメモリを一緒に使う作りです。1023

そのため、Appleシリコン搭載のMacでは、「メモリ」の容量を後ろの「VRAMの容量ごとの目安」の表と比べます。メモリはmacOSやほかのアプリも使うので、その分を残しておきます。

たとえばメモリが16GBのMacなら、表の8GBの行のモデルから始めるのがよいと考えています。

LinuxでGPUとメモリを調べる

WindowsとMacの人は、この節を飛ばして次の節へ進んでください。

NVIDIAのGPUなら nvidia-smi

ターミナル(端末)に、次のコマンドを入力します。11

  1. nvidia-smi -L で、GPUの名前の一覧を出す
  2. nvidia-smi -q -d MEMORY で、メモリの情報を出す。「FB Memory Usage」の「Total」がVRAMの容量

GeForceでは、Titanシリーズを除き、この方法で出ない項目が多くあります。出ない項目には「N/A」と表示されます。11

VRAMが「N/A」と出たら、GPUの名前でメーカーの製品ページを開き、メモリの容量を見てください。

AMDのGPUなら amd-smi

amd-smi は、AMDのGPUを管理するコマンドで、ドライバーとは別に入れて使います。amd-smi static --vram でVRAMの情報が、amd-smi list でGPUの一覧が出ます。12

GPUの名前は lspci でも分かる

lspci は、PCI(部品をつなぐ規格)でつながっている機器の一覧を出すコマンドです。一覧から、NVIDIA・AMD・Intelの名前の行を探します。13

メインメモリは free -h で分かる

free -h と入力すると、メモリの量が出ます。「Mem:」の行の「total」が、使えるメインメモリの合計です。14

調べた数字から、動くモデルの大きさの見当を付ける

GPUの種類で、比べる数字が変わる

調べた結果早見表と比べる数字動かし方
NVIDIA・AMDのグラフィックボードを積んでいるVRAM(Windowsは「専用 GPU メモリ」、Linuxは nvidia-smi か amd-smi の値)GPUで動かす(対応GPUの一覧で確かめる)
Appleシリコン搭載のMac「メモリ」(余裕を見る)GPUで動かす(Metal)
内蔵GPUだけメインメモリCPUで動かす(WindowsとLinuxでは Vulkan で内蔵GPUを使えることもある)
Intelプロセッサ搭載のMacメインメモリCPUで動かす(LM Studioは非対応)

Ollama(ローカルLLMを動かすソフト)は、Appleシリコン搭載のMacではMetal(AppleのGPUを使う仕組み)でGPUを使います。1516

WindowsとLinuxでは、Vulkan(多くの会社のGPUのドライバーに入っている仕組み)でもGPUを使えます。15

LM Studio(マウスで操作できるローカルLLMのアプリ)は、Intelプロセッサ搭載のMacに対応していません。18

VRAMの容量ごとの目安

早見表から、よくあるVRAMの容量ごとに、そのVRAMに収まるいちばん大きいモデルを抜き出しました。

モデルは4ビット(Q4_K_M)に小さくした形で計算しています。読ませる長さ(コンテキスト長)は8,192トークンです。

VRAM載るモデルの目安合計の目安
8GBQwen3-8B約7.2GB
16GBQwen3-14B約12.2GB
24GBQwen3-30B-A3B(MoEという作り)約23.2GB

VRAMが12GBでも、表の8GBの行と同じモデルが目安です。余った分で、より長い文章を読ませられます。

早見表の数字は、計算で出したものです。24GBの行は合計の目安がVRAMの容量に近く、載らないこともあります。そのときは、16GBの行のモデルから試してください。

自分のGPUが対応GPUの一覧にあるか確かめる

NVIDIAのGPUは、Ollamaの対応GPUの一覧で名前を探します。GeForce GTX 1060のような数世代前のGPUも、一覧にあります。15

Windowsでは、NVIDIAのドライバーがバージョン551.61以降である必要があります。17

一覧で compute capability(GPUの世代を表す番号)が6.2までのGPUは、ドライバーを570以降に更新してください。GeForceなら、GTX 750からGTX 10シリーズまでが当たります。15

いまのドライバーのバージョンは、nvidia-smi -q と入力すると出ます(項目名は「KMD Version」か「Driver Version」)。11

一覧に無いAMDのGPUでも、Vulkanで動くことがあります。15

グラフィックボードが無くても始められる

Ollamaは、モデルを全部メインメモリに置いて、CPUで動かすこともできます。1619

まずはいまのパソコンで小さいモデルを動かしてから、グラフィックボードを足すか、パソコンを買い替えるかを決めるのがよいと考えています。

つまずきやすいところ

「GPU メモリ」はVRAMの容量ではない

タスク マネージャーには、専用と共有を足した「GPU メモリ」が出る場合があります。共有の分はメインメモリなので、VRAMの容量に入れないでください。21

Ollamaを入れたら、GPUに全部載ったかを ollama ps で見る

Ollamaは、モデルをVRAMとメインメモリに分けて置くことがあります。ollama ps の「PROCESSOR」の列で、どこに置いたかが分かります。19

「PROCESSOR」の表示モデルを置いた場所
100% GPU全部をVRAM
100% CPU全部をメインメモリ
48%/52% CPU/GPUメインメモリとVRAMに分けた

次に読む回

前の回は「速さを決めるもの — メモリの帯域・演算の力・読み込みと生成の違い」で、同じ容量のメモリでも速さが違う理由を扱っています。機種ごとの速さの目安は、llmspeedでローカルLLMの速度を見る記事にまとめました。

次の回「最初の1つを動かす — Ollamaを入れて、モデルを落として話すまで」では、この記事で調べた数字をもとに、最初にダウンロードするモデルを選びます。

出典

  1. GPUs in the Task Manager(Microsoft DirectX Developer Blog・2017年7月21日)(参照 2026-11-01)
  2. Windows デバイスに関する情報を検索する(Microsoft サポート)(参照 2026-11-01)
  3. PC にインストールされている DirectX バージョンの確認(Microsoft サポート)(参照 2026-11-01)
  4. GPUやVRAMの情報(グラフィックメモリ)を確認するには(CLIP STUDIO サポート)(参照 2026-11-01)
  5. Windows のデバイス マネージャーを使用してドライバーを更新する(Microsoft サポート)(参照 2026-11-01)
  6. How To Identify the Manufacturer and Model of an AMD Graphics Card(AMD・Article Number GPU-55)(参照 2026-11-01)
  7. Macのアップルメニューとは?(macOS ユーザガイド)(参照 2026-11-01)
  8. Appleシリコン搭載のMacコンピュータ(Apple サポート)(参照 2026-11-01)
  9. Macのシステム情報を取得する(macOS ユーザガイド)(参照 2026-11-01)
  10. Apple unleashes M1(Apple Newsroom・2020年11月10日)(参照 2026-11-01)
  11. nvidia-smi のドキュメント(NVIDIA System Management Interface)(参照 2026-11-01)
  12. AMD SMI CLI tool usage(AMD ROCm Documentation)(参照 2026-11-01)
  13. lspci(8) — Linux manual page(参照 2026-11-01)
  14. free(1) — Linux manual page(参照 2026-11-01)
  15. Hardware support(Ollama のドキュメント)(参照 2026-11-01)
  16. macOS(Ollama のドキュメント・System Requirements)(参照 2026-11-01)
  17. Windows(Ollama のドキュメント・System Requirements)(参照 2026-11-01)
  18. System Requirements(LM Studio のドキュメント)(参照 2026-11-01)
  19. FAQ(Ollama のドキュメント)(参照 2026-11-01)
  20. Windows のキーボード ショートカット(Microsoft サポート)(参照 2026-11-01)
  21. 共有GPUメモリとは?専用GPUメモリ(VRAM)との違いと確認方法(ドスパラ・2026年8月24日更新)(参照 2026-11-01)
  22. PC の基本情報を確認する方法(日本HP LIVEサポートナビ・文書番号 a50011)(参照 2026-11-01)
  23. Macのモデルを比較する(Apple 日本)(参照 2026-11-01)