要点

対象:新しいAIモデルを仕事で試したい人

  1. 総合の指数は55点で4位
  2. 料金は入力2ドル・出力10ドル
  3. 書類は送ってよいか確かめてから

Kimiを運営するMoonshot AIが、AIモデル「Kimi K3.1 Pro」を発表しました。Kimiのアプリやウェブサイトのほか、開発者向けのAPIでも使えます。1

この記事の目次(4節)
  1. Kimi K3.1 Proの強さと料金、前のモデルとの比較
  2. 利用できる場所
  3. 書類を入れる前に確かめること
  4. 発表時のSNS宣伝をめぐる疑い

AIモデルの性能を比べている調査会社Artificial Analysisが、10月23日に評価を公表しました。総合の指数は、AIの強さを1つの数字にまとめた値です。このモデルは55点で、4位でした。2

APIの料金は、入力が100万トークンあたり2ドルです。出力は10ドルです。トークンは、AIが文章を処理する単位です。3

会社の書類を入れる前に、Kimiのサービスに送ってよいかを会社のルールで確かめてください。

Kimi K3.1 Proの強さと料金、前のモデルとの比較

前のモデルKimi K3を、以下「K3」と書きます。

項目Kimi K3.1 Pro比べる相手
総合の指数(Artificial Analysis)55点(4位)K3は44点
総合の指数の上位3つClaude Opus 5.5が58点・Claude Sonnet 5.5が56点・Muse Wonder Fullが56点Kimi K3.1 Proより上
ハルシネーション率(もっともらしい間違いの率)44%K3は53%
料金(100万トークン)入力2ドル・出力10ドルK3より33%安い
出力の速さ1秒あたり57.5トークン同じ価格帯の中央値は82.3トークン
Kimiが自社で作った難しい試験(Kimi Hallu Bench Hard)のハルシネーション率8.3%K3は23.4%

指数は強さの目安です。自分の仕事の書類で足りるかは、試して確かめます。出力の速さは、同じ価格帯のモデルより遅めです。長い答えを待つ場面では、待ち時間が長くなります。23

数字は、測る人と条件で変わる

表の最後の行は、Kimi自身の発表です。わざと難しくした試験なので、Artificial Analysisの44%とは別の試験です。1 同じ「ハルシネーション」でも試験ごとに数字が違うので、並べて比べないでください。

どの数字も、各社が試験用に整えた条件で測ったものです。自分の書類で同じ結果になるとは限りません。12

利用できる場所

提供形態条件
Kimiのアプリとウェブサイト発表は条件に触れていません
Kimi Work(デスクトップ版)アプリのバージョン3.1.0以降。WindowsとMac(Apple silicon)
Kimi Code/model のコマンドで選びます
Kimi APIモデル名は kimi-k3.1-pro。2〜3倍の速さをうたう kimi-k3.1-pro-highspeed もあります
Kimi Business会社の管理者が有効にします。発表の時点では、初期設定がオフです

日本から使えるかは、発表は触れていません。Kimiの公式ページで確かめてください。1

モデルの本体(重み)は、11月4日までに公開する予定です。1 公開されるまでは、自社のサーバーで動かせません。3

書類を入れる前に確かめること

Moonshot AIのAPI向けプライバシーポリシー(2025年4月30日の版)には、次のことが書かれています。5

  • 集めた個人情報は、シンガポールのサーバーに保存します。ほかの国のサーバーに移す場合があるとも書いています。
  • 利用者が入力した文章や画像などは、モデルの改善に使います。

APIで送った内容がモデルの改善に使われるかは、ポリシーにはっきり書かれていません。使わないという但し書きも、学習に使わせない選択の案内も見当たりません。5

Kimiの発表は、APIのお客様はZero Data Retention(送った内容を保存しない仕組み)を使えるとしていますが、条件は書いていません。1

  1. 会社のAI利用のルールを見て、Kimiに書類を送ってよいかを、情報システムの担当者に聞きます。
  2. APIを使うなら、Zero Data Retentionの条件を、ポリシーに書かれた問い合わせ先(api-service@moonshot.ai)に確かめます。
  3. 確かめるまでは、公開済みの案内文など、社外に出してよい書類で試します。

社外のサービスに書類を送る前の確認は、IPAが挙げる5つの対策で点検の仕方を解説しています。

発表時のSNS宣伝をめぐる疑い

AIの解説メディアInterconnectsのポッドキャストでは、発表に合わせた大規模なSNSの宣伝で、広告だと明示しない投稿に報酬が払われたのでは、という疑いが話題になりました。4

有償の宣伝だと言わないよう求める指示の画像が出回りました。番組の出演者は、裏付けた人を知らないと話しています。4 疑いが事実かは分かりません。SNSの評判だけで選ばず、いま使っているAIと同じ指示を出して、答えを並べて読んでください。

同じ時期に公開された別のモデルは、Muse Spark Openで取り上げました。使った分だけ払うAPIの費用が月にどこまで膨らむかは、トークン予算の超過は3社に1社に書いています。

出典

  1. Kimi「Kimi K3.1 Pro」(Moonshot AIの発表)(参照 2026-10-26)
  2. Artificial Analysis「Kimi K3.1 Pro launch benchmarks」(2026年10月23日)(参照 2026-10-26)
  3. Artificial Analysis「Kimi K3.1 Pro」(価格・速度・ライセンス)(参照 2026-10-26)
  4. Interconnects「Kimi K3.1 Pro, the new cyber reality, and Muse musings」(2026年10月25日)(参照 2026-10-26)
  5. Moonshot AI「Open Platform プライバシーポリシー」(2025年4月30日の版)(参照 2026-10-26)