Claude Codeに、毎回同じ手順をやってほしい。そう思って調べると、スキルとサブエージェントという2つの名前が出てきます。
この記事の目次(4節)
どちらも「AIに仕事を覚えさせるファイル」に見えるので、どっちを作ればいいのか迷いますよね。
答えを先に言うと、違いは働く場所です。スキルを使うと本体のAIが自分で手順どおりに動き、サブエージェントを使うと別のAIが働いて、本体には答えだけが返ってくるんです。
スキルとサブエージェントは、どこに書いて、いつ読み込まれるか
スキルは、SKILL.md というファイルに書いた指示や手順です。置き場所はプロジェクトなら .claude/skills/<名前>/SKILL.md で、/名前 と打てば呼べます。
ふだんの会話に入っているのは、既定ではスキルの名前と説明までです。本文は使われるときにだけ読み込まれるので、長い手順を置いても、呼ぶまではほとんど場所を取りません。
呼んだスキルは、本体の会話に残る
呼んだスキルの本文は、1つのメッセージとして本体の会話に入り、そのあとのやりとりのあいだも残ります。Claude Codeは、次の発言のたびに SKILL.md を読み直しはしません。
本体のAIが、手順書を手元に開いたまま働くんです。会話の流れも、それまでに読んだファイルも見ながら、その手順で動きます。
サブエージェントは、何を持って仕事を始めるか
サブエージェントは、本体から仕事を任される別のAIです。自分専用のコンテキストウィンドウで動き、使えるツールや権限も個別に決められます。コンテキストウィンドウは、AIが一度に広げておける作業机のようなものです。
公式の説明では、サブエージェントは会話の履歴も、呼んだスキルも、読んだファイルも見えずに始まります。持つのは、本体のAIが書いた依頼文と CLAUDE.md などです。
この始まり方には例外もあります。「フォーク」という起動のしかたでは、本体の会話をまるごと引き継ぎます。逆に、調べもの用に最初から入っている Explore と Plan は、CLAUDE.md も読まずに始まります。
定義は .claude/agents/ に置く1つのMarkdownファイルで、先頭に名前と説明を書きます。
本体の会話の目印を、サブエージェントは知らなかった
本当に会話が見えないのか、このサイトの記事を書く作業環境で確かめました。日付は2026年11月7日、Claude Codeのバージョンは2.1.319です。
本体の会話にだけ、目印の語を1つ書いておきました。そのうえで、依頼文には目印を入れずにサブエージェントを起動し、「親の会話の目印の語を知っているか」を聞きました。
返事は「知らない」でした。
いっぽうで、サブエージェントはファイルを読む前から、CLAUDE.md の最初の見出しを答えられました。使えるスキルの一覧も、38件が入っていたとのこと。作業フォルダとブランチも、本体と同じでした。
会話は持ち込めなくても、CLAUDE.md に書いたプロジェクトの決まりは最初から知っています。
サブエージェントがさらにサブエージェントを起動できるかは、環境しだい
意外だったのが、サブエージェントが使えるツールの顔ぶれです。スキルを呼ぶ Skill ツールはあるのに、サブエージェントを起動する Agent ツールが無かったんです。
公式の説明では、サブエージェントは既定でメインの会話から3階層下までサブエージェントを起動できます。ところがこの作業環境では、階層の上限を決める CLAUDE_CODE_MAX_SUBAGENT_SPAWN_DEPTH が 1 でした。
1 は入れ子を切る値で、サブエージェントを起動できるのは本体だけになります。この値が違う環境では、同じ指示を出しても動きが変わります。値は、環境変数か settings.json の env で決まります。
返ってくる答えは短くても、トークンは使っている
このサブエージェントは約10秒で終わり、本体に返ってきたのは5つの答えの文だけでした。それでも、サブエージェントの側では47,956トークンを使っています。
サブエージェントの使った分も、本体と同じ使用制限に数えられます。本体の机は散らからなくても、別の机で使った分だけ、使える量は減っていきます。
長いスキルは、自動の要約のあとに先頭しか残らないことがある
この試しと同じ日に、本体のほうで記事を書くときに使っているスキルを呼ぶと、666行の本文がまるごと会話に入りました。
公式は SKILL.md を500行未満に保つよう勧めています。会話が長くなると、作業机を空けるために、それまでの会話が自動で要約されます。別の節によると、そのあと付け直されるスキルの本文は、先頭の5,000トークン分までです。
長いスキルほど後ろの手順が抜けやすいので、大事な手順は先頭に書くのがよさそうです。
スキルとサブエージェントの使い分け
分け方は、AIに「覚えていてほしいもの」か「見てきてほしいもの」かで考えると迷いません。
毎回同じ手順・チェックリスト・書き方の決まりは、スキルにします。
ログやたくさんのファイルを読む調べものは、サブエージェントに任せます。読んだ中身で本体の会話が埋まらず、要点だけが戻ってきます。
別の目で点検するなら、会話は見せないほうがいい
このサイトでは、公開前の記事の点検をサブエージェントに任せています。点検役には、PR の番号と点検するコミットと、決まった依頼文を渡します。書いたときのメモや選んだ理由は渡しません。
書いた本人と同じ文脈で点検すると、同じ思い込みのまま読んでしまうんです。書き込みのツールを外したAIに点検させる話も、同じ考え方です。
さらに2026年10月11日からは、点検役のサブエージェントを起動するのは本体だけ、と決めています。記事を書くサブエージェントには Agent ツールが無く、点検役を起動できないからです。
リポジトリを書き換えるサブエージェントは、worktreeで作業フォルダを分けると、本体とぶつかりません。
2つは組み合わせて使える
スキルの先頭に context: fork と書くと、そのスキルをサブエージェントの中で動かせます。手順はスキルに書き、読む量の多い作業だけ別の机で済ませたいときに使えます。
反対に、サブエージェントの定義の skills フィールドにスキル名を書くと、起動時にその本文を先に読ませておけます。
いくつものエージェントで同じ知識を使うなら、知識はスキルにまとめておくのが手です。Anthropicのブログにも、同じ勧めがあります。
自分で組むのが大変なら、このサイトのAI秘書に任せることもできます。マニュアル・手順書の作成など、社内・総務の仕事を引き受けています。
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この使い分けは、人に仕事を頼むときとよく似ています。本人に手順書を渡すか、別の人に頼んで報告だけ受け取るかです。
このサイトの記事をルーティンで書かせて公開している仕組みも、手順はスキル、点検はサブエージェントに分けています。
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AIにも、まずは任せ方から決めてあげるのが近道ですね。
Source:
- Claude Code Docs「カスタムサブエージェントの作成」(参照 2026-11-07)
- Claude Code Docs「Claude をスキルで拡張する」(参照 2026-11-07)
- Claude ブログ「スキルの解説:スキルとプロンプト、プロジェクト、MCP、サブエージェントの比較」(参照 2026-11-07)
