要点

対象:Lステップで友だちの情報を集めている店

  1. 削除の依頼に応じるのは店
  2. 集める前に利用目的を示す
  3. AIの送り先は規約で確かめる

Lステップに登録した友だちの情報について、友だち本人の申し出に応じるのは、Lステップを運営する会社ではなく、契約した店です。

この記事の目次(6節)
  1. 規約で、店の側に残ること
  2. Lステップに預けることは、委託に当たるのか
  3. 友だちの情報を集めるとき、店が示しておくこと
  4. AIをつなぐと、友だちのメッセージはどこに送られるか
  5. 今日できる準備
  6. 設定や方針の書き方で迷ったら

利用規約に、友だちの情報を集める主体(収集主体)は契約者で、Lステップは主体的に管理する権限を持たないと書かれています。1

友だちから開示や削除を求められても、Lステップは対応できないと規約にあります。申し出は、店が自分で受けることになります。集める前に、受け付けの手順を決めておきます。1

規約で、店の側に残ること

友だちの情報に関わる条文を、場面ごとに並べます。1

場面規約の書き方店に起きること
友だちが開示・訂正・利用停止・削除を申し出た(9条5項)Lステップは一切の対応を行えない店が自分で受けることになる
友だちの情報の管理(9条5項)「お客様の委託に基づき、お客様に情報の管理手段としてLステップを提供しているのみ」店がLステップに預けていることになる
Lステップが原因で損害が出た(12条2項・3項)責任を負わないとある。法令上負う場合も、賠償の上限は損害の出た月に受け取った利用料で、無償プランは完全に免責損害の全額は補償されない
アカウントを削除した(5条8項)Lステップにおけるすべての権利が、削除の時点で消える残す記録は、削除の前に取り出す

Lステップに預けることは、委託に当たるのか

データをネット上のサービスに預けることが、第三者への提供や委託に当たるかどうかは、預け先が個人データを取り扱うことになっているかで分かれます。個人情報保護委員会のQ&Aの考え方です。4

預け先が取り扱わない契約で、適切にアクセスを制御しているなら、提供にも委託にも当たらないと考えられます。その場合でも、利用する店は自分で、安全管理の対策(安全管理措置)を取ります。4

Lステップの会社(ソーシャルデータバンク)の方針では、サービスに登録された顧客の情報は「取り扱いを委託された個人情報」です。

使い道は、サービスの提供・保守・改善・開発・向上などで、独自の営業や広告には、法令に基づく場合や店の指示・同意がある場合を除き、使いません。2

Lステップの会社は、預かった情報を取り扱うと書いています。店は、預け先を監督する必要があるものとして準備します。個人情報保護法は、委託先に安全管理が図られるよう、必要かつ適切な監督を求めています。3

Lステップに当てはめる、委託先の見方3つ

個人情報保護委員会のガイドラインが挙げる3つの措置です。選定は必須で、契約と把握は望ましいとされています。123

ガイドラインの措置Lステップで見る所
委託先の選定(安全管理が適切かを前もって確かめる)方針の安全管理の項。組織・人・物理・技術の対策が書かれているか
委託契約(取り扱いの状況を把握できるようにする)規約10条。Lステップは業務を第三者に任せることがあり、事前に知らせない場合がある。任せる先とは契約し、情報の適切な取り扱いを義務づけるとある
取り扱い状況の把握(定期的に見直す)規約の最終改訂は2026年7月1日。方針は2025年10月10日と2026年7月1日に更新

改定の日付をメモしておき、変わったら読み直すのが現実的だと考えています。Lステップがさらに別の会社に任せること(再委託)が、事前の通知なしにあり得る点が、いちばん追いにくいところです。

友だちの情報を集めるとき、店が示しておくこと

集め方によって、利用目的を示す時期が変わります。3

集め方店がすること根拠
回答フォームやアンケートで答えてもらう答える前に、利用目的を画面に示す法21条2項
友だちが名前や電話番号を自分から送ってきた利用目的をあらかじめ公表しておく。していなければ、受け取ったあと速やかに通知するか、公表する法21条1項
病歴・障害・健康診断の結果などを聞く要配慮個人情報にあたる。他社に渡すには、原則として本人の同意が要る法2条3項

病歴などは、本人が自分で答えれば、取得の同意があったと解されます(法20条2項)。

フォームの上に利用目的を書くだけでは、友だちが自分から送ってきた分は足りません。公表の方法は、ホームページのトップページから1回程度の操作で行ける場所への掲載などが、ガイドラインの例に挙がっています。3

取得する情報の種類・利用目的・管理方法・問い合わせ先は、プライバシーポリシーに書きます。そのURLをLINEのプロフィール欄に載せる方法を、Lステップの公式ブログが紹介しています。9

AIをつなぐと、友だちのメッセージはどこに送られるか

友だちの質問にAIで返信する方法のうち、ここで扱うのは2つです。送り先が違うので、確かめる場所も違います。料金と設定の手順は、LステップでAI返信を使う条件と料金の記事にまとめました。

LINE公式アカウントの「AIチャットボット(β)」Lステップの「API連携」でChatGPTなどにつなぐ
友だちのメッセージの送り先この機能はOpenAIのAPIを使っている6店が選んだAI。例はChatGPT・Gemini・Claude8
学習への利用会話ログと、Q&Aの自動生成でアップロードした情報は、AIの学習に使われない。友だちのメッセージが会話ログに含まれるかは書かれていない7個人情報や友だち情報の扱いの注意書きが、このページには書かれていない8
使えないことがある業種医療・福祉、金融、宗教、政治・行政、法律など。提供を断ることがある7このページには書かれていない8
友だちが止められるか友だちが「LINE公式アカウントAI機能での情報利用」をオフにできる6このページには書かれていない8

表の右の列は、送り先を店が選ぶので、店が確かめる範囲が広くなります。

個人情報保護委員会は、本人の同意なく個人データをAIサービスに入力し、応答を出す以外の目的で取り扱われると、法に違反する可能性があるとしています。入力する前に、提供する会社が機械学習に使わないことなどを、十分に確かめるよう求めています。5

Lステップの方針には、AI機能の改善に情報を使う場合があり、必要に応じて個人を識別できないよう加工するとあります。個人を識別できる情報は、本人の同意などの根拠がある場合を除き、第三者が提供するAIモデルの学習のために提供しないともあります。2

店の友だちの情報が、AI機能の改善に使う情報と、提供しない情報のどちらに当たるかは、方針から読み切れません。これはLステップ自身のAI機能の話で、店がつなぐAIとは別です。AIをつなぐ前に、Lステップに問い合わせて確かめます。

AIに入れてよい情報の見分け方は、IPAの5つの対策の記事に、ツールごとの点検表があります。

友だちからの問い合わせの受付と振り分けは、当サイトのAI秘書の顧客対応でも引き受けています。

今日できる準備

次の6つを、できるところから進めます。

  1. プライバシーポリシーをホームページに置き、LINEのプロフィール欄にそのURLを載せます。項目は、取得する情報の種類・利用目的・管理方法・問い合わせ先で、預け先も書いておくとよいでしょう。9
  2. 回答フォームの上に、利用目的を書きます。
  3. LINE公式アカウントの管理画面にログインできる人を絞り、2段階認証を設定します。9
  4. 友だちから「消してほしい」と言われたときの手順を決めます。友だちの情報が残る場所の一覧を作っておきます。
  5. LINE公式アカウントの友だちごとの画面には、表示名・タグ・担当者・ノート・トークの内容があります。9 Lステップで作ったフォームの回答も、一覧に入れます。

  6. 規約と方針の改定日を控え、変わったら読み直します。
  7. AIをつなぐ前に、送り先の規約で入力が学習に使われるかを確かめ、預け先として自店の方針に書きます。スタッフが私用のAIに顧客の情報を入れてしまったときの対応は、別の記事にまとめました。

病歴などを聞く業種(整体院・エステなど)は、1と2を先に済ませます。

設定や方針の書き方で迷ったら

個人情報の方針の書き方や、AIをつなぐかどうかで迷ったら、無料相談で相談をうかがいます。初回30分は無料です。

出典

  1. Lステップ「利用規約」(最終改訂 令和8年7月1日)(参照 2026-10-28)
  2. ソーシャルデータバンク「個人情報の取り扱いについて」(Lステップ・2026年7月1日更新)(参照 2026-10-28)
  3. 個人情報保護委員会「個人情報の保護に関する法律についてのガイドライン(通則編)」(令和8年6月一部改正)(参照 2026-10-28)
  4. 個人情報保護委員会「『個人情報の保護に関する法律についてのガイドライン』に関するQ&A」(Q7-53・Q7-54)(参照 2026-10-28)
  5. 個人情報保護委員会「生成AIサービスの利用に関する注意喚起等」(令和5年6月2日)(参照 2026-10-28)
  6. LINEヤフー for Business「『LINE公式アカウント』、生成AIを活用した『AIチャットボット(β)』を提供開始」(2025年11月13日)(参照 2026-10-28)
  7. LINE公式アカウント ヘルプセンター「AIチャットボット(β)」(参照 2026-10-28)
  8. Lステップ「LINE公式アカウントのAPI連携機能」(参照 2026-10-28)
  9. Lステップ公式ブログ「LINE公式アカウントで集められる個人情報とは?安全な取得方法と管理のコツ」(2026年10月15日)(参照 2026-10-28)