Lステップの規約、友だちの個人情報の削除や開示に運営会社は応じない
悠 Yu NiiboriAIエンジニアプロフィール
出典 9件

要点
対象:Lステップで友だちの情報を集めている店
- 削除の依頼に応じるのは店
- 集める前に利用目的を示す
- AIの送り先は規約で確かめる
Lステップに登録した友だちの情報について、友だち本人の申し出に応じるのは、Lステップを運営する会社ではなく、契約した店です。
この記事の目次(6節)
- 規約で、店の側に残ること
- Lステップに預けることは、委託に当たるのか
- 友だちの情報を集めるとき、店が示しておくこと
- AIをつなぐと、友だちのメッセージはどこに送られるか
- 今日できる準備
- 設定や方針の書き方で迷ったら
利用規約に、友だちの情報を集める主体(収集主体)は契約者で、Lステップは主体的に管理する権限を持たないと書かれています。1
友だちから開示や削除を求められても、Lステップは対応できないと規約にあります。申し出は、店が自分で受けることになります。集める前に、受け付けの手順を決めておきます。1
規約で、店の側に残ること
友だちの情報に関わる条文を、場面ごとに並べます。1
| 場面 | 規約の書き方 | 店に起きること |
|---|
| 友だちが開示・訂正・利用停止・削除を申し出た(9条5項) | Lステップは一切の対応を行えない | 店が自分で受けることになる |
| 友だちの情報の管理(9条5項) | 「お客様の委託に基づき、お客様に情報の管理手段としてLステップを提供しているのみ」 | 店がLステップに預けていることになる |
| Lステップが原因で損害が出た(12条2項・3項) | 責任を負わないとある。法令上負う場合も、賠償の上限は損害の出た月に受け取った利用料で、無償プランは完全に免責 | 損害の全額は補償されない |
| アカウントを削除した(5条8項) | Lステップにおけるすべての権利が、削除の時点で消える | 残す記録は、削除の前に取り出す |
Lステップに預けることは、委託に当たるのか
データをネット上のサービスに預けることが、第三者への提供や委託に当たるかどうかは、預け先が個人データを取り扱うことになっているかで分かれます。個人情報保護委員会のQ&Aの考え方です。4
預け先が取り扱わない契約で、適切にアクセスを制御しているなら、提供にも委託にも当たらないと考えられます。その場合でも、利用する店は自分で、安全管理の対策(安全管理措置)を取ります。4
Lステップの会社(ソーシャルデータバンク)の方針では、サービスに登録された顧客の情報は「取り扱いを委託された個人情報」です。
使い道は、サービスの提供・保守・改善・開発・向上などで、独自の営業や広告には、法令に基づく場合や店の指示・同意がある場合を除き、使いません。2
Lステップの会社は、預かった情報を取り扱うと書いています。店は、預け先を監督する必要があるものとして準備します。個人情報保護法は、委託先に安全管理が図られるよう、必要かつ適切な監督を求めています。3
Lステップに当てはめる、委託先の見方3つ
個人情報保護委員会のガイドラインが挙げる3つの措置です。選定は必須で、契約と把握は望ましいとされています。123
| ガイドラインの措置 | Lステップで見る所 |
|---|
| 委託先の選定(安全管理が適切かを前もって確かめる) | 方針の安全管理の項。組織・人・物理・技術の対策が書かれているか |
| 委託契約(取り扱いの状況を把握できるようにする) | 規約10条。Lステップは業務を第三者に任せることがあり、事前に知らせない場合がある。任せる先とは契約し、情報の適切な取り扱いを義務づけるとある |
| 取り扱い状況の把握(定期的に見直す) | 規約の最終改訂は2026年7月1日。方針は2025年10月10日と2026年7月1日に更新 |
改定の日付をメモしておき、変わったら読み直すのが現実的だと考えています。Lステップがさらに別の会社に任せること(再委託)が、事前の通知なしにあり得る点が、いちばん追いにくいところです。
友だちの情報を集めるとき、店が示しておくこと
集め方によって、利用目的を示す時期が変わります。3
| 集め方 | 店がすること | 根拠 |
|---|
| 回答フォームやアンケートで答えてもらう | 答える前に、利用目的を画面に示す | 法21条2項 |
| 友だちが名前や電話番号を自分から送ってきた | 利用目的をあらかじめ公表しておく。していなければ、受け取ったあと速やかに通知するか、公表する | 法21条1項 |
| 病歴・障害・健康診断の結果などを聞く | 要配慮個人情報にあたる。他社に渡すには、原則として本人の同意が要る | 法2条3項 |
病歴などは、本人が自分で答えれば、取得の同意があったと解されます(法20条2項)。
フォームの上に利用目的を書くだけでは、友だちが自分から送ってきた分は足りません。公表の方法は、ホームページのトップページから1回程度の操作で行ける場所への掲載などが、ガイドラインの例に挙がっています。3
取得する情報の種類・利用目的・管理方法・問い合わせ先は、プライバシーポリシーに書きます。そのURLをLINEのプロフィール欄に載せる方法を、Lステップの公式ブログが紹介しています。9
AIをつなぐと、友だちのメッセージはどこに送られるか
友だちの質問にAIで返信する方法のうち、ここで扱うのは2つです。送り先が違うので、確かめる場所も違います。料金と設定の手順は、LステップでAI返信を使う条件と料金の記事にまとめました。
| LINE公式アカウントの「AIチャットボット(β)」 | Lステップの「API連携」でChatGPTなどにつなぐ |
|---|
| 友だちのメッセージの送り先 | この機能はOpenAIのAPIを使っている6 | 店が選んだAI。例はChatGPT・Gemini・Claude8 |
| 学習への利用 | 会話ログと、Q&Aの自動生成でアップロードした情報は、AIの学習に使われない。友だちのメッセージが会話ログに含まれるかは書かれていない7 | 個人情報や友だち情報の扱いの注意書きが、このページには書かれていない8 |
| 使えないことがある業種 | 医療・福祉、金融、宗教、政治・行政、法律など。提供を断ることがある7 | このページには書かれていない8 |
| 友だちが止められるか | 友だちが「LINE公式アカウントAI機能での情報利用」をオフにできる6 | このページには書かれていない8 |
表の右の列は、送り先を店が選ぶので、店が確かめる範囲が広くなります。
個人情報保護委員会は、本人の同意なく個人データをAIサービスに入力し、応答を出す以外の目的で取り扱われると、法に違反する可能性があるとしています。入力する前に、提供する会社が機械学習に使わないことなどを、十分に確かめるよう求めています。5
Lステップの方針には、AI機能の改善に情報を使う場合があり、必要に応じて個人を識別できないよう加工するとあります。個人を識別できる情報は、本人の同意などの根拠がある場合を除き、第三者が提供するAIモデルの学習のために提供しないともあります。2
店の友だちの情報が、AI機能の改善に使う情報と、提供しない情報のどちらに当たるかは、方針から読み切れません。これはLステップ自身のAI機能の話で、店がつなぐAIとは別です。AIをつなぐ前に、Lステップに問い合わせて確かめます。
AIに入れてよい情報の見分け方は、IPAの5つの対策の記事に、ツールごとの点検表があります。
友だちからの問い合わせの受付と振り分けは、当サイトのAI秘書の顧客対応でも引き受けています。
今日できる準備
次の6つを、できるところから進めます。
- プライバシーポリシーをホームページに置き、LINEのプロフィール欄にそのURLを載せます。項目は、取得する情報の種類・利用目的・管理方法・問い合わせ先で、預け先も書いておくとよいでしょう。9
- 回答フォームの上に、利用目的を書きます。
- LINE公式アカウントの管理画面にログインできる人を絞り、2段階認証を設定します。9
- 友だちから「消してほしい」と言われたときの手順を決めます。友だちの情報が残る場所の一覧を作っておきます。
LINE公式アカウントの友だちごとの画面には、表示名・タグ・担当者・ノート・トークの内容があります。9 Lステップで作ったフォームの回答も、一覧に入れます。
- 規約と方針の改定日を控え、変わったら読み直します。
- AIをつなぐ前に、送り先の規約で入力が学習に使われるかを確かめ、預け先として自店の方針に書きます。スタッフが私用のAIに顧客の情報を入れてしまったときの対応は、別の記事にまとめました。
病歴などを聞く業種(整体院・エステなど)は、1と2を先に済ませます。
設定や方針の書き方で迷ったら
個人情報の方針の書き方や、AIをつなぐかどうかで迷ったら、無料相談で相談をうかがいます。初回30分は無料です。