9月第4週(21〜27日)は、判断に特化したAIモデル「Jev」を試した記事と、Claude Opus 5.5やClaude Codeの挙動を検証した記事が目立ちました。どの記事も、元の記事を開いて中身を確かめたうえで選んでいます。

この記事でわかること

  • Jevでリランクするサイト内検索は、1回あたり約0.0002ドルで済むと試算されています
  • Opus 5.5の値下げの効き方は、キャッシュヒットするかどうかで大きく変わります
  • MCPサーバーのリスクは、ツールポイズニングや自動承認など4つのパターンに整理できます
この記事の目次(7節)
  1. はてブコメントをJevで採点して折り畳むChrome拡張
  2. Cloudflare上でJevを使った、月0.02ドル足らずのサイト内検索
  3. Claude Opus 5.5の費用は、キャッシュヒットの有無で24〜59%下がった
  4. Claude Codeの権限の挙動を7通り測り、4つの穴が残った
  5. ローカルLLMに要るメモリは、モデルの重みだけではない
  6. AIデバッグが収束しない理由と、終了条件の決め方
  7. MCPサーバーの4つのリスクと、追加する前に確かめる7項目

Jevは、米TypeSafe AIが9月15日に早期提供を始めたAIモデルです。文章を生成せず、分類や振り分け、採点のような判断結果だけを返します。8 仕組みは、当サイトの記事「文章を書かないAI「Jev」は、問い合わせの振り分けに使えるか」で解説しました。

はてブコメントをJevで採点して折り畳むChrome拡張

はてなブックマークのコメントを自動で折り畳むChrome拡張を作った記録です。Jevに送るのはコメントの本文だけで、ユーザー名やスター数は送りません。1

採点するのはJevで、攻撃性と有益さをそれぞれ0〜5の6段階で評価します。どの点数から隠すかは、利用者が決めます。1 隠すかどうかをJevに決めさせず、点数だけを出させる設計は、投稿やコメントをAIで選り分けるときの参考になります。

Cloudflare上でJevを使った、月0.02ドル足らずのサイト内検索

mazrean氏は、Go言語のプロポーザル(機能追加の提案)を毎週まとめるサイトに、検索機能を付けました。記事をWorkers AIでベクトル化し、Vectorizeで候補を20件に絞ったあと、Jevで関連度の高い順にリランク(並べ直し)します。2

費用は、検索1回あたり約0.0002ドル、月に約0.016ドルという試算です。10PVに1回検索されるという多めの想定で出した値で、いまはTypeSafe AIの無料クレジットで賄っています。Googleのサイト内検索では出てこない、関連するプロポーザルも検索結果に出たとしています。一方、AI Gateway経由では、リクエストの間隔があくと応答に1秒以上かかることがあるとも書いています。2

Claude Opus 5.5の費用は、キャッシュヒットの有無で24〜59%下がった

suwa_nobu氏は、2つのタスクをOpus 5とOpus 5.5で3回ずつ実行し、費用と速度を比べました。3

入力が主となるタスクでは、Opus 5.5はOpus 5より、キャッシュ書き込みが発生する1回目で24%、キャッシュヒットする2回目以降で59%安くなりました。suwa_nobu氏は、公式の「40%安い」はこの2つの間にあるとし、セッションを毎回新しく始めると恩恵が小さくなると書いています。測った回数は多くないとも断っています。3

Claude Codeの権限の挙動を7通り測り、4つの穴が残った

suwa_nobu氏のもう1本の記事は、Claude Codeの権限まわりの挙動を7つ測ったものです。拒否ルールをすり抜けられるか、信頼していないフォルダで設定がどう扱われるか、などを確かめています。4

最新版の2.1.282でも、4つの穴がまだ塞がっていないと報告しています。既定のモードでも、読み取りを拒否したファイルをgrepのワイルドカードで読めてしまいます。eval や env -C によるすり抜けは、権限の確認を省くバイパスモードのときに起きる件です。tee での書き込みのように、すでに塞がれた穴もあります。4 拒否ルールだけで機密ファイルを守っているなら、設定を見直したほうがよいでしょう。

ローカルLLMに要るメモリは、モデルの重みだけではない

npaka氏が、ローカルLLMを動かすときのメモリの基礎をまとめた記事です。LLMの推論でメモリを使うのは、主にモデルの重み、KVキャッシュ(入力の計算結果を保存する領域)、推論時の一時領域の3つです。5

低いビット数に量子化するほどメモリは減りますが、精度に影響することがあります。コンテキスト長を8K、32K、128Kと長くするほど、KVキャッシュに要るメモリが増えます。5 ローカルLLM用のPCやGPUを選ぶ前に読んでおけば、必要なメモリ量を見誤らずに済みます。

AIデバッグが収束しない理由と、終了条件の決め方

同じくnpaka氏が、AIのレビューと修正を繰り返しても、優先度が「通常」の指摘(P2)がなかなか消えない理由を整理した記事です。理由として、AIが最初からあった問題を小出しに見つけること、修正が新しい問題を生むこと、着眼点によって判定が揺らぐことの3つを挙げています。6

対策も3つです。レビューと修正を分けること、P2が本当に問題かを検証して再現テストを書くこと、AIのレビューだけに終了の判断を任せず終了条件を決めることです。6 テストで終わりを決める考え方は、当サイトの記事「わざと壊して赤くなるのを見届けた時点で完成する」でも扱いました。

MCPサーバーの4つのリスクと、追加する前に確かめる7項目

songchong氏は、MCPサーバーを使うときのリスクを4つのパターンに整理しています。7

  • ツールの説明文に指示を仕込むツールポイズニング
  • 外部第三者の書き込みを経由した間接プロンプトインジェクション
  • 過剰な権限と、有効期間の長いキー
  • 人の確認なしにツールを動かす自動承認

MCPサーバーを追加する前に確かめる7項目として、提供元とバージョン、追加するスコープ、ツールと権限の絞り込み、キーの保管場所と取り消し方法などを挙げています。7 MCPサーバーを作る側の注意点は、当サイトで実際に試した記事「読み取り専用の設定だけでは足りない」にまとめました。

出典

  1. 本しゃぶり「はてブコメントで攻撃的なやつをJevで隠す拡張機能」(2026年9月27日)(参照 2026-09-28)
  2. mazrean「Cloudflare 上で Jev で作るほぼ0円運用可能な高品質なページ内検索」(Zenn、2026年9月26日)(参照 2026-09-28)
  3. suwa_nobu「Claude Opus 5.5 の『40%安い』は、キャッシュの当たり方で24%にも59%にもなった」(Qiita、2026年9月25日)(参照 2026-09-28)
  4. suwa_nobu「Claude Code の拒否ルールを7つの形で測った。最新版でまだ4つ残っている」(Qiita、2026年9月25日)(参照 2026-09-28)
  5. npaka「ローカルLLMのためのメモリ基礎知識」(note、2026年9月27日)(参照 2026-09-28)
  6. npaka「AIデバッグはなぜ収束しないのか - P2がいつまでも消えない理由」(note、2026年9月27日)(参照 2026-09-28)
  7. songchong「MCP サーバーと繋いだだけで情報漏洩? 危険の4パターンと事前に確認すべき7つのことをまとめてみた」(Qiita、2026年9月24日)(参照 2026-09-28)
  8. TypeSafe AI「Introducing System One Models & Jev」(2026年9月15日)(参照 2026-09-28)

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