オンライン診療システムは、医師と患者が離れた場所からビデオ通話などで診療するための仕組みで、予約・問診・決済・処方までを一体で扱います。選ぶときは月額の安さより先に、プラットフォーム型か自院完結型か、電子カルテと連携できるか、手数料を含めた総額はいくらかを確かめます。

この記事はシステムの選び方だけを扱います。どの疾患や症状にオンライン診療が合うかといった医療的な判断は、対象外です。実際の運用は、厚生労働省の「オンライン診療の適切な実施に関する指針」などに沿って、各医療機関で判断してください。1

この記事でわかること

  • 比較記事が挙げる14製品のうち、電子処方箋への対応が明記されているのは4製品です
  • 電子カルテと自動で連携しないと、職員の二重入力が起きます
  • 月額費用が0円の製品でも、決済手数料は件数に比例して増えます
この記事の目次(5節)
  1. プラットフォーム型と自院完結型
  2. 電子カルテとの連携
  3. 費用の目安
  4. 主要14製品の処方・配送の対応
  5. よくある質問

プラットフォーム型と自院完結型

オンライン診療システムは、導入の形でプラットフォーム型と自院完結型に分かれます。1

  • プラットフォーム型: 複数の医療機関が、同じ検索・予約の場を共有します。患者が医療機関を探すところから始まるので、新規患者の獲得に向きます
  • 自院完結型: クリニックが自らシステムを導入し、既存患者の再診やフォローに使います

2つは厳密に分かれているわけではなく、両方に対応できる製品もあります。1 自院がどちらを重視するかを先に決めておくと、比較が早く進みます。

電子カルテとの連携

連携がうまくいかないと、オンライン診療システムに入力した情報を、職員が電子カルテに転記する「二重入力」が起きます。 システムを入れたのに、かえって仕事が増えることになります。2

予約・問診・決済の情報がどこまで自動で電子カルテに反映されるかは、料金表からは分からない違いです。導入の前に、自院の電子カルテと連携できるか、連携すると自動で反映されるのか、手作業で取り込むのかを確かめておきましょう。

費用の目安

初期費用と月額費用に加えて、決済のたびに手数料がかかります。2

項目目安
初期費用0〜30万円程度
月額費用0〜5万円程度
決済手数料3.0〜5.0%程度

保険診療が中心なら決済額が小さく、手数料も小さくなりやすいです。自由診療の割合が高いクリニックほど、手数料の重みが増します。2

例えば、オンライン診療が月に100件あるクリニックで、1件あたりの決済額を2,000円とします。決済手数料は、月に6,000〜10,000円です(手数料率3.0〜5.0%の場合)。月あたりの想定件数を当てはめて、総額で比べましょう。

主要14製品の処方・配送の対応

「処方箋の発行や薬の配送に対応」と「電子処方箋(紙ではなくデータでやり取りする処方箋)に対応」は、意味が違います。 比較記事の14製品のうち、電子処方箋という言葉が明記されているのは4製品(スマートキュア・YaDoc・KAITOS・curon)です。残りは、処方箋の発行や薬の配送についての記載にとどまります。1

下の表には、比較記事の「処方・配送」欄の言葉をそのまま載せました(太字は電子処方箋と明記されている箇所)。

製品名比較記事の「処方・配送」欄主な特徴
Medibot院内処方の伝票作成連携、在庫管理対応LINEで完結。問診カスタマイズ、診察URL自動発行
march薬局連携、配達可能LINEベースのD2Cプラットフォーム
infomity記載なしPACSワークステーション「Unitea」と連携。ブラウザ型で専用アプリ不要
LiveCall処方薬配達可能アプリ不要のブラウザ型。最短3日で開始可能とされる
スマートキュア電子処方箋・オンライン服薬指導・処方薬の配送電子聴診器に対応。海外からのオンライン診療にも対応
ポケットドクター処方箋発行・処方薬配送対応ヘルスケア機器連携
YaDoc電子処方箋発行・処方薬配送対応予約・カスタマイズ問診・メッセージ・モニタリング機能を提供
SOKUYAKU処方箋発行・処方薬配送対応予約管理・問診表管理・服薬管理
アイメッド医療機関より郵送、Uber Direct活用で東京23区内30分以内に配達医療検索サイト連携
ANYMED処方箋発行可能・薬局連携診療会話の自動文字化。訪問診療対応プランあり
KAITOSマイナ保険証・電子処方箋対応発行可能・薬局連携・配送医療検索サイト「病院なび」と連携。栄養相談サービス付き
curon電子処方箋対応発行可能。処方箋連携、宅配業者へ自動で集荷依頼導入実績6,000件以上とされる。自動集荷機能で院内処方に対応
CARADA薬・処方箋の配送健診活用の事例が紹介されている
Door.into記載なし診療ごと従量課金で気軽に導入しやすい

表の並びは比較記事の掲載順で、特定の製品を勧めるものではありません。料金は多くが問い合わせや個別の見積もりなので、表には入れていません。「記載なし」は非対応という意味ではなく、比較記事に書かれていなかったことを示すだけです。対応しているかは、各社に確かめてください。内容は2026年8月12日時点のもので、変わることがあります。

よくある質問

Q. プラットフォーム型と自院完結型は併用できますか。
できます。新規患者の獲得にはプラットフォーム型、既存患者のフォローには自院完結型と、段階的に使い分けるクリニックも増えています。

Q. 電子処方箋に対応していない製品を選ぶと、どうなりますか。
院内処方や紙の処方箋の郵送など、別の手段で補うことになります。そのぶん、患者が薬を受け取るまでに時間がかかります。

Q. 導入にはどのくらいの期間がかかりますか。
製品によります。専用のアプリを使わないブラウザ型には、最短数日で使い始められるとうたう製品もあります。

出典

  1. 【2026年最新】クリニック向けオンライン診療システム比較14選|導入前に見る料金・機能・電子処方箋対応 | DOC WEB(参照 2026-08-12)
  2. 【2026年最新】オンライン診療システムの比較16選。選び方やメリット、デメリットも解説 / エムスリーデジカル株式会社(参照 2026-08-12)

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