看護記録AI・音声入力ツール比較 2026 — 元看護師が記録業務の実態から評価する
看護記録AI・音声入力ツールは料金非公開の製品が多く、比較サイトだけでは実態がつかみにくい領域です。公式ページを実際に開いて確認できた範囲で、対象施設・機能・料金の建て付けを中立に整理し、選び方のFAQをまとめます。
看護記録AI・音声入力ツールとは
看護記録AI・音声入力ツールとは、看護師の発話や電子カルテ上の記録データをもとに、AIが記録文やサマリーの下書きを自動生成する支援ツールである。 入力の手間を減らすことが目的で、記録の内容を確定させる作業ではない。最終的な確認・修正・署名は看護師本人に残る、という点はどの製品でも変わらない。
この領域は比較記事が多いわりに、料金がほぼ全て「お問い合わせ」制という特徴がある。以下の表は、各社の公式ページを実際に開いて確認できた事実のみを載せている。確認できなかった情報は「非公開」と明記し、推測では埋めていない。
比較表
| 製品名 | 提供元 | 対象施設 | 主な機能 | 料金 | 向いている場面 |
|---|---|---|---|---|---|
| AmiVoice Ex7 Clinic / HospitalClient | アドバンスト・メディア | 病院・診療所(電子カルテ向け) | 医療専門用語辞書つき音声入力。紹介状・看護記録・SOAP形式に対応 | 非公開(問い合わせ制) | 電子カルテへの直接入力を音声で速くしたい施設 |
| AmiVoice iNote | アドバンスト・メディア | 病院・介護施設(導入事例ベース、規模の限定記載なし) | クラウド型の音声記録、写真・動画添付、テンプレート、代行入力、業務量モニタリング | 非公開(問い合わせ制) | 訪問診療・巡回など現場でその場に記録を残したい場面 |
| ユビー生成AI | Ubie | 病院(大学病院を含む60病院以上の導入実績) | 看護師の退院サマリー・申し送りサマリーの自動生成、医師記録の作成支援 | 非公開(問い合わせ制、導入目安3〜5か月) | サマリー作成の負荷が大きい急性期病院 |
| OPTiM AI ホスピタル | オプティム | 病院(規模の記載なし) | 看護サマリー自動作成、カルテAIサマリー、ボイスレコーダーのAI要約 | 非公開(問い合わせ・見積もり制) | オンプレミス/クラウドを施設のセキュリティ方針に合わせて選びたい場面 |
この表は特定製品を推奨するものではなく、いずれの事業者ともアフィリエイト等の提携関係はない。 施設ごとに必要な機能・セキュリティ要件は異なるため、実際の選定では複数社に同じ条件で見積もりを取ることを勧める。
選び方 — 記録業務の実態から見るポイント
比較サイトの多くは機能一覧の網羅性で並べるが、記録業務の実態から見ると優先順位は変わる。
1. 下書きと確定の境界がどこにあるか。 どの製品も出力はあくまで下書きであり、内容の正確性への最終責任は記録者に残る。ICUのような重症度の高い現場ほど、記録は本人以外の職種も読む前提の文書になる。AIが作った下書きをどこまで手直しするかの運用ルールが、施設側に必要になる。
2. 音声認識の精度は辞書のカバー範囲で決まる。 医療専門用語辞書の有無・更新頻度は製品によって差があり、一般の文字起こしツールとの違いはここに出やすい。デモや試用で自施設の専門領域の語彙が拾えるかを確認したほうがよい。
3. クラウド型かオンプレミス型か。 音声データや記録データを外部サーバーに送る運用が許容できるかは、施設のセキュリティ方針次第で結論が変わる。OPTiM AI ホスピタルのようにオンプレミス・クラウドを選べる製品もあれば、クラウド型が前提の製品もある。
4. 電子カルテとの連携方式。 API連携なのか、コピー&ペースト前提なのか、QRコードでの橋渡しなのかで、日々の運用の手間が変わる。連携方式は公式ページでも明記が薄いことが多く、導入前の個別確認が要る。
5. 料金が非公開であることの意味。 施設の規模・利用人数・連携範囲で見積もりが大きく変わるため、一律の料金表を出しにくいという事情がある。逆に言えば、条件を揃えずに複数社を比較すると数字だけが独り歩きする。同じ利用規模・同じ連携要件で見積もりを揃えることが、比較の前提になる。
FAQ
Q. 看護記録AIはどこまで自動化できますか。 下書きの生成までが中心です。内容の確認・修正・最終的な責任は看護師に残る設計が共通しています。
Q. 料金はどこで比較すればいいですか。 主要な製品は公開料金がなく個別見積もりです。同じ利用規模・連携要件を揃えて複数社に見積もりを依頼すると比較できます。
Q. クラウド型とオンプレミス型はどちらを選ぶべきですか。 個人情報を外部サーバーに出せない方針の施設は、オンプレミス対応の有無を先に確認する必要があります。
Q. 電子カルテと自動で連携しますか。 製品によりAPI連携・コピー&ペースト・QRコード連携など方式が異なるため、導入前の確認が必要です。
Q. 小規模なクリニックでも導入できますか。 病院向けを主な対象とする製品もあるため、対象施設の規模を公式ページや問い合わせで事前に確認してください。
Q. 音声入力の認識精度はどの製品も同じですか。 医療専門用語辞書のカバー範囲や更新頻度で差が出るため、実機での試用が有効です。
自施設の電子カルテや運用ルールに合わせたカスタムAI開発のご相談も承っています。
出典
- AmiVoice Ex7 Clinic / HospitalClient — 医療向け音声入力システム(参照 2026-08-09)
- 医療向けAI音声認識記録支援サービス AmiVoice iNote(参照 2026-08-09)
- ユビー生成AI(病院向け)(参照 2026-08-09)
- 病院向け生成AIサービス OPTiM AI ホスピタル(参照 2026-08-09)