AI問診ツールはどれを選ぶか — 導入形態・費用・現場負荷で比較する
AI問診(事前問診)ツールを対応端末・電子カルテ連携・料金・向いている施設規模で中立比較。AI問診は症状情報を構造化して医師に渡す道具であり、診断やトリアージを行うものではない前提で整理する。
AI問診とは何か(そして何ではないか)
AI問診とは、来院前後に患者の症状・既往歴をAIが構造化して収集し、医師が診察前に確認できる形に整える仕組みである。
ここが誤解されやすい点だが、AI問診は診断もトリアージも行わない。患者の回答から質問を自動生成し、回答内容を医師が読みやすい形式にまとめて渡すところまでが役割で、「何の病気か」「どの緊急度か」を判断するのは今も医師である。ベンダーの訴求文に「AI」という語が強く出ていても、実態は構造化されたデータ収集ツールとして評価するのが実務的な見方になる。
導入担当者にとっての論点は診断精度ではなく、受付・看護の動線がどれだけ軽くなるか、今の電子カルテとどうつながるか、費用がどこまで見えているかの3点に絞られる。
比較表
| 製品名 | 対応端末・導入形態 | 電子カルテ連携 | 料金 | 向いている施設規模 |
|---|---|---|---|---|
| ユビーAI問診 | スマホ・タブレット。AIが患者ごとに質問を自動生成 | 主要な電子カルテと連携可(連携後はボタン操作で問診画面を呼び出す) | 非公開。個別見積もり | 病院向けの機能構成が中心。クリニック導入例もある |
| メルプWEB問診 | スマホ中心。既存の紙問診をそのままWeb化できる | 電子カルテ横断で対応。ただし連携先によっては「ボタンで開き、内容を確認してからコピーして転記」という手動確認込みの運用(CLINICSカルテとの連携で確認) | 非公開。資料請求制。電子カルテ・予約連携は方法により別途費用 | 診療科を問わず個人クリニック〜中規模施設 |
| Symview(シムビュー) | スマホ中心の患者入力 | クラウド型・オンプレ型どちらの電子カルテにも対応(連携費用は別途) | 基本料金は非公開・資料請求制。電子同意書などアドオンの一部だけ金額公開(初期55,000円・月額5,000円+従量) | 診療所中心(全国約2,500施設が導入)。病院・自治体・医師会の採用例もある |
| CLINICS問診(メドレー) | スマホ中心。自社の電子カルテ「CLINICSカルテ」と一体設計 | CLINICSカルテとの一体運用が基本。他社電子カルテへの汎用連携は前提にしていない | 非公開。個別見積もり | クリニック中心(約3,500施設が利用) |
料金はいずれも公式ページに具体的な金額を出しておらず、資料請求か問い合わせで初めて分かる。比較検討の初期段階では「金額」より先に「連携の形」で絞り込むほうが早い。
選び方 — 受付業務の動線から見る
比較の軸を「AIの賢さ」に置くと選べない。どの製品も役割は同じ(症状情報の構造化収集)なので、差が出るのは運用に乗せたときの手数である。
- 今使っている電子カルテとの関係を先に確認する。 CLINICS問診は自社カルテとの一体運用が前提で、他社カルテへの汎用連携は想定されていない。ユビーAI問診・メルプ・Symviewは電子カルテを横断する設計だが、連携の中身は製品ごとに違う。メルプとCLINICSカルテの連携は「ボタンで開き、内容を確認してからコピーして転記」という手動確認込みの運用であり、完全自動転記ではない。ここを「自動化された」と思い込んで導入すると、現場の期待とのズレが後から出る
- 入力の場所を決める。 自宅のスマホで事前入力を基本にするか、院内のタブレットで補うかで、受付の説明負荷と待ち時間短縮の効果が変わる。事前入力が定着するほど受付での聞き取りは減るが、高齢患者中心の施設では院内入力の比率が残りやすい
- 費用は総額で見る。 基本料金が非公開でも、電子カルテ連携費・タブレット台数・オプションは個別に効いてくる。複数社から見積もりを取り、同じ運用条件(連携方式・台数・診療科数)で並べないと比較にならない
- 施設規模の実績を参考にする。 Symview・メルプ・CLINICS問診はクリニック規模の導入実績を公開している。ユビーAI問診は病院向けの機能構成が中心と読める。自院の規模に近い導入例があるかを確認する
FAQ
Q. AI問診は医師の診断を代行しますか。 いいえ。症状情報を整理して医師に提示するだけで、診断や治療方針の決定は医師が行います。
Q. 電子カルテに自動で転記されますか。 製品と連携先の組み合わせによります。ワンクリック転記の場合と、確認後に手動でコピーする運用の場合があります。
Q. 料金は各社共通ですか。 共通ではありません。多くは非公開で個別見積もりです。台数や連携方法で変わります。
Q. 小規模クリニックでも導入できますか。 できます。Symview・メルプWEB問診・CLINICS問診はクリニック規模での導入実績を公開しています。
Q. タブレットは自院で用意する必要がありますか。 製品によります。患者のスマホでの事前入力を基本とし、院内タブレットは任意とする運用が一般的です。
自院の電子カルテや受付動線に合わせて問診まわりを作り込みたい場合は、既製ツールの組み合わせに加えてカスタム開発のご相談も承っています。
出典
- ユビー(Ubie)医療機関向け公式サイト(参照 2026-08-09)
- メルプWEB問診 料金プラン(参照 2026-08-09)
- メルプWEB問診 — 電子カルテ「CLINICSカルテ」との連携(参照 2026-08-09)
- WEB問診 Symview(シムビュー)公式サイト(参照 2026-08-09)
- Symview 料金・導入の流れ(参照 2026-08-09)
- CLINICS(クリニクス)公式サイト(参照 2026-08-09)
- CLINICS 料金プラン(参照 2026-08-09)