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看護師がそのまま使える生成AIプロンプト10選 — 場面別のひな形

生成AIへの指示は、場面ごとにひな形を持っておくと毎回考えずに済みます。看護師の日常業務でそのまま使える10個の型を、共通の骨組みと合わせて示します。患者情報を含めずに済む仕事に限定しています。

使えるプロンプトとは

使えるプロンプトとは、役割・材料・出力形式・制約の4つが揃った指示文である。 特別な言い回しは要らない。この4点が欠けているときだけ、出力が的外れになる。

以下はすべて患者の個人情報を含めずに済む場面に限定している。患者情報を外部サービスに入力してよいかは施設の規程と契約条件で決まるので、そこは技術ではなく手続きの話として先に確認する。

筆者は前職が看護師である。以下は、看護の現場で時間を取られやすい種類の書き物仕事から選んだ。

共通の骨組み

Anthropic のプロンプト設計指針は、文脈をほとんど知らない同僚に見せて動けるかを基準に置いている。あわせて、出力の形式と制約を具体的に書くこと、指示の理由を添えること、例を3〜5個見せること、役割を一文で与えることを挙げている。10個の型はすべてこの骨組みの変形にすぎない。

あなたは〔役割〕です。以下の〔材料〕をもとに〔したいこと〕をしてください。出力は〔形式〕。〔制約〕。

制約の欄に毎回入れておくとよい一文がある。「材料に書かれていないことは補わず、不明な点は『要確認』と明記してください」。これがあるだけで、確認すべき箇所が自分で分かる。

読む・整理する

1. 長い通知を要約する

あなたは病棟の看護師です。以下の院内通知を、病棟スタッフへの周知用に300字以内で要約してください。「いつから変わるか」「誰の手順が変わるか」を必ず含めてください。通知に書かれていないことは補わないでください。(通知本文)

2. 箇条書きを比較表にする

以下のメモを比較表に整理してください。列は「項目 / 現行 / 変更後 / 影響を受ける職種」。判断できない欄は「要確認」としてください。(メモ)

3. 用語をかみ砕いて説明させる

以下の説明文を、この分野に詳しくない新人にも分かる言葉に書き換えてください。専門用語は残したうえで、初出時に括弧書きで補足してください。内容は変えないでください。(説明文)

書く・整える

4. 依頼メールの下書き

あなたは病棟の係担当です。他部署に〔依頼内容〕を依頼するメールの下書きを作ってください。相手の負担が増えることを踏まえた依頼の順序にし、期限と代替案を必ず入れてください。3案出してください。

5. 自分の下書きを短くする

以下の文章を、意味を変えずに7割の長さにしてください。削った箇所を最後に3行でまとめてください。(自分の文章)

6. 敬語と誤字の確認

以下の文章について、誤字・脱字・敬語の誤りだけを指摘してください。文体の好みによる書き換えの提案は不要です。(文章)

7. 研修レポートの構成だけ相談する

私が書く研修レポートの構成案を3つ出してください。テーマは〔テーマ〕、指定は800字です。本文は書かないでください。見出しと各段落で書くべきことだけを示してください。

7番の「本文は書かないでください」は重要である。考えを問われた文書を第1稿から任せると、書いた本人が中身を説明できなくなる。

準備する・確認する

8. 説明のリハーサル(想定質問を出させる)

あなたは勉強会の参加者です。以下の資料を読んで、参加者から出そうな質問を10個挙げてください。答えは不要です。答えにくい質問ほど優先して挙げてください。(資料)

9. 手順の抜けを探させる

以下の手順書について、書かれていない前提や、順番が入れ替わると困る箇所を指摘してください。指摘は「該当箇所の引用」と「なぜ問題か」の組で出してください。改善案は不要です。(手順書)

10. 資料の中だけで答えさせる

以下の資料の内容だけを使って質問に答えてください。一般的な知識は使わないでください。資料に根拠が見つからない場合は「資料に記載がありません」と答えてください。(資料)(質問)

10番は、Anthropic がハルシネーション対策として挙げている手法をそのまま指示にしたものである。同資料は、不確実性を認める許可を明示的に与えることで誤情報を大幅に減らせるとし、提供した資料の情報だけを使うよう明示する「外部知識の制限」も挙げている。ただし、これらを行っても完全になくなるわけではないとも明記している。重要な情報は自分で確認するという前提は動かない。

なお、委員会資料・勉強会レジュメ・年間計画といった院内の様式が決まった書き物については、過去資料を例として貼る使い方のほうが効く。そちらは別記事で扱っている。

FAQ

Q. ひな形の〔役割〕は何を書けばよいですか。 実在の職種名で十分です。「病棟の教育担当」「委員会事務局」など、その文書を普段書く立場を書きます。

Q. 毎回同じ指示を打つのが面倒です。 よく使う型はメモアプリに置いて貼り付けます。指示文は資産なので、うまくいったものは残します。

Q. 出力が自分の書き方と違って浮きます。 過去の自分の文書を2〜3本例として貼ります。指示の言葉で調整するより例を見せるほうが速く安定します。

Q. どこまで確認すればよいですか。 数字・固有名詞・引用元・日付の4つを元資料と突き合わせます。全部を疑うと時短になりません。


指示のひな形が溜まってくると、次は「毎回貼る材料そのものを機械に探させる」段階になります。院内文書の検索や定型業務の自動化を検討する段階になりましたら、設計のご相談を承っています。

出典

  1. Anthropic — プロンプティングのベストプラクティス(参照 2026-08-09)
  2. Anthropic — ハルシネーションを減らす(参照 2026-08-09)