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他部署・外部への連絡文の失礼を減らす — 送る前のセルフチェック

他部署や取引先への連絡文が、書いた本人の意図より強く伝わってしまうことがある。文章を書き直させるのではなく、受け取られ方の指摘だけを生成AIにさせる点検の型と、AIに任せてはいけない領域を整理します。

送る前の点検とは

送る前の点検とは、文章を書き直させることではなく、受け取られ方の指摘だけをさせる作業である。

筆者は前職が看護師である。他部署への依頼メールが「命令に読める」と返ってきたことがあった。読み返しても、失礼な語は1つも入っていない。強く読ませていたのは語彙ではなく、依頼と決定事項が同じ調子で並んでいたことだった。相談したいことと、もう決まったことが区別できない文面は、受け手には通告として届く。

この種のずれは、書いた本人には見えない。書き手は自分の意図を知っているので、意図どおりに読んでしまう。だから必要なのは推敲ではなく、意図を知らない読み手の目である。

書き直させない

推敲を丸ごと任せると、文面は整うが、こちらの言い回しの癖が消え、どこがまずかったのかが分からないままになる。次に書くときに同じ失敗をする。

Anthropic の指針は、出力の制御について「してはいけないことではなく、すべきことを伝える」ことを挙げている。「書き直さないで」と禁じるだけでなく、指摘だけを箇条書きで出すという形を指定するほうが確実である。

させることさせないこと
どこが強く読めるかの指摘全文の書き直し
依頼と決定の区別がつくかの確認敬語の一括変換
前提が抜けて伝わらない箇所の指摘事実関係の追記

点検の型

受け取る側の役割を与える

あなたは、この文書を受け取る医事課の担当者です。以下の連絡文を読んで、強い口調に感じる箇所・依頼なのか決定事項なのか判別できない箇所だけを箇条書きで指摘してください。文章の書き直しはしないでください。

同社の指針は、役割を設定するとモデルの振る舞いとトーンがユースケースに絞り込まれ、たった1文でも違いが生まれるとしている。「受け取る側」と置くだけで、指摘の粒度が変わる。相手が誰か(医事課・薬剤部・委託業者)を具体に書くほど精度が上がる。

動機を添える

同社は、指示の背後にあるコンテキストや動機を説明することでモデルが目標をよりよく理解し、的を絞った応答を返すとしている。「以前この文面で角が立ったので、同じ失敗を避けたい」と一行足すと、指摘が語尾ではなく構成に向く。

何を直すかは自分で決める

指摘は候補である。すべてを反映すると、遠回しで要点の分からない文になる。採否は書き手が決める。 意図して強く書いている箇所なら、指摘が付いてもそのままでよい。

AIに任せない領域

周知文の型とは別の作業

同じ「連絡文」でも、院内の周知文は書く前に型を決める作業が効き、外部・他部署への依頼文は書いた後に点検する作業が効く。前者は伝わる順序の問題で、後者は受け取られ方の問題である。片方の手順をもう片方に流用すると噛み合わない。

FAQ

敬語の間違いも見つけてくれますか。 明らかな誤用は指摘されますが、それが主目的ではありません。失礼に読まれる原因は敬語より構成にあることが多いためです。

指摘が的外れなときは。 捨ててかまいません。相手の部署名や過去の経緯を具体的に添えると精度が上がります。

社外・院外の相手にも同じ型で使えますか。 使えます。ただし相手先名や契約に関わる記述は伏せて渡してください。

書き直させたほうが早い場面はありますか。 定型の案内文など、自分の言い回しを残す必要がない文書なら書き直させても構いません。関係性が絡む依頼文では点検に留めるほうが安全です。

出典

  1. Anthropic — プロンプティングのベストプラクティス(参照 2026-08-09)
  2. Anthropic — ハルシネーションを減らす(参照 2026-08-09)