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周知文・連絡文をAIで整える — 読まれない通知を減らす書き方

周知文が読まれないのは、内容ではなく順番の問題であることが多い。「いつから・誰の何が変わるか」を先頭に置く型と、その型を生成AIに固定して守らせる書き方を、係・主任層の実務に沿って整理します。

読まれる周知文とは

読まれる周知文とは、最初の2行で「いつから・誰の何が変わるか」が分かる文である。

筆者は前職が看護師である。詰所の掲示も連絡ノートも部署メールも、読み手は立ったまま、あるいは業務の合間に目を通す。そこで伝わらない原因は、内容が難しいことではないことが多い。挨拶と経緯が先に3行あって、肝心の変更点が下のほうにあるという、順番だけの問題である。

読み手は最初の数行で「自分に関係があるか」を判断して離脱する。だから直すべきは文章力ではなく構成順である。そして構成順は、型として書き出せば機械に守らせられる。

型を先に決める

位置書くこと
1行目いつから変わるか(開始日)
2行目誰の、どの業務が変わるか
3〜4行目変更前と変更後(対比で1行ずつ)
その後必要な準備・持ち物・提出物
末尾問い合わせ先と、経緯(読みたい人だけが読む)

経緯を末尾に落とすのが要点である。経緯は書き手にとって最も説明したい部分だが、読み手にとっては行動が決まった後の情報である。

使い方の型

箇条書きのメモから起こさせる

あなたは病棟の周知文を書く係です。以下のメモから部署内向けの周知文を作成してください。構成は必ずこの順にしてください。(1) 開始日 (2) 対象者と対象業務 (3) 変更前と変更後を1行ずつ (4) 必要な準備 (5) 問い合わせ先 (6) 経緯。全体で400字以内。メモに書かれていない日付・数値・担当者名を補わないでください。(メモ)

Anthropic のプロンプト設計指針は、してはいけないことではなく、すべきことを伝えるほうが出力形式の誘導に効くとしている。「長くしないでください」より「全体で400字以内、この6項目の順」と書くほうが安定する。同指針はまた、望む出力について具体的に指定すること、順序や完全性が重要な場合は番号付きリストで順次的なステップとして指示を与えることを挙げている。

補わせない制約を入れる理由は明快である。周知文で作文されて困るのは日付・数値・担当者名であり、そこが違っていると問い合わせが増えて周知の目的を裏切る。

過去の周知文を例として渡す

部署ごとに通る書き方がある。指示の言葉で調整するより、過去に自分が出した周知文を数本そのまま貼るほうが速く寄る。

同指針は、例(few-shot)を出力形式・トーン・構造を誘導する最も信頼性の高い方法の1つとして挙げ、最良の結果を得るには3〜5個の例を含めることを推奨している。例は実際のユースケースを忠実に反映し、エッジケースを含む程度に多様であることが望ましいとされている。うまくいった周知文だけでなく、問い合わせが多発した周知文も混ぜると、避けたい書き方の輪郭が出る。

削るのは機械にやらせる

自分が書いた文を短くするのは難しい。どれも必要に見えるからである。

以下の周知文を、意味を変えずに300字以内に縮めてください。削った内容は末尾に「削除した項目」として箇条書きで残してください。日付・数値・担当者名は削らないでください。(周知文)

削ったものを一覧で見せさせると、本当に消してよかったかを自分で判断できる。AIに取捨を委ねず、並べさせて自分が選ぶ。

読み手の視点で穴を探させる

以下の周知文を、初めてこの変更を知る夜勤者の立場で読んで、実行に移せない点・判断に迷う点だけを箇条書きにしてください。文章の書き直しはしないでください。

同指針は、指示の背後にある文脈や動機を与えるとモデルが目標を理解しやすくなるとしている。「夜勤者が読む」と条件を添えるだけで、指摘の粒度が変わる。

やってはいけないこと

FAQ

Q. 400字は短すぎませんか。 掲示と部署メールでは短いほうが読まれます。詳細が必要な場合は、周知文に要点だけ書き、詳細は別紙に分けて参照先を示します。

Q. 敬語や言い回しは指定したほうがよいですか。 指定するより、過去の周知文を例として渡すほうが早く揃います。

Q. 経緯を先に書けと上長に言われている場合は。 その場合は型を組織に合わせます。重要なのは順番そのものではなく、読み手が最初の数行で自分に関係あるかを判断できることです。

Q. AIが作った周知文をそのまま掲示してよいですか。 日付・数値・担当者名を元のメモと突き合わせてから掲示してください。文責は出した人にあります。


周知・掲示・部署内の文書まで含めて、書き物の負荷をどこまで仕組みに渡せるかを検討する段階になりましたら、設計のご相談を承っています。

出典

  1. Anthropic — プロンプティングのベストプラクティス(参照 2026-08-09)
  2. Anthropic — ハルシネーションを減らす(参照 2026-08-09)