自動精算機や自動釣銭機で減らせるのは、会計でのスタッフの作業です。現金の受け渡しと釣銭の計算を、機械に任せます。ただ、導入しても会計待ちが減るかどうかは、クリニックの条件で変わります。 導入前に3つの数字を測っておくと、見積もりを比べるときの物差しになります。
この記事でわかること
- 機械で減るのはスタッフの手作業で、患者の操作時間は短くなるとは限りません
- 本体は自動釣銭機で90万円ほどから、自動精算機では500万円を超える機種もあります
- レセコンと連携できない機種では、金額の手入力が残ります
フルセルフ型とセミセルフ型の違い
2つの型の違いは、会計金額の確定・入力をスタッフが行うかどうかです。 フルセルフ型の自動精算機では、レセコン(レセプトコンピューター)で確定した会計金額を患者が確認し、支払いまで済ませます。セミセルフ型の自動釣銭機では、スタッフが会計金額を確定・入力し、患者は支払いだけを機械で行います。34
| 型 | 患者の操作 | スタッフの操作 | 対面のやり取り |
|---|---|---|---|
| フルセルフ型(自動精算機) | 診察券・バーコードのスキャン、会計金額の確認、支払い | 基本的に不要(例外対応だけ) | ほぼなくなる |
| セミセルフ型(自動釣銭機) | 支払い(現金投入・カード操作)だけ | 会計金額の確定・入力 | 金額確定の場面で残る |
フルセルフ型ほどスタッフの手が空き、セミセルフ型ほど対面で説明できる場面が残ります。4
どちらが合うかは、対面のやり取りをどこまで残したいかと、患者が機械の操作にどれだけ慣れているかで決まります。一律の正解はありません。
価格と月々の費用
本体の価格は型と機能で変わり、保守費用も別に毎月かかります。
| 項目 | 目安 |
|---|---|
| 自動精算機の本体 | 100〜300万円、または200〜500万円程度(資料で幅がある)。多機能な機種は500万円を超えることも |
| 自動釣銭機の本体 | 90〜150万円程度 |
| 保守・メンテナンス | 月数千円〜5万円程度(資料で幅がある) |
| キャッシュレス決済の手数料 | 3.5%程度 |
自動精算機の本体は、100〜300万円が目安とする資料3と、200〜500万円程度が相場とする資料2があります。どちらも、キャッシュレス決済やレセコン連携などの機能が多い機種は500万円を超えることがあるとしています。自動釣銭機は90〜150万円程度で、連携するシステムや追加の機能で大きく変わります。4
保守費用は、月額数千円〜数万円程度が一般的とする資料4と、月5万円程度とする資料23があります。月5万円なら、年に60万円です。見積もりは、必要な機能と保守の内容をそろえてから比べます。
補助金の制度の全体像は、医療機関のAI導入に使える補助金2026で整理しています。
導入前に測っておく数字
会計待ちが減るかどうかを確かめるには、導入前に次の3つを測っておきます。
会計1件あたりの所要時間
会計金額の確定から、患者が支払いを終えるまでの時間です。混雑する時間帯とそれ以外に分けて、数回ずつ測ります。機械で減るのはスタッフの手作業で、患者が画面を操作する時間は短くなるとは限りません。操作に慣れない患者が多い時間帯は、窓口会計より長くかかることもあります。
例えば、午前の診療が終わるころに会計の列ができるクリニックなら、その時間帯と午後の空いた時間帯で測り比べます。混む時間帯に1件の時間が延びているなら、会計の処理そのものに原因がありそうです。延びていないのに列ができるなら、会計に人が集中する時間帯の問題だと考えられます。
釣銭の過不足対応の件数
現金の過不足が1日に何件あり、その確認や訂正に何分かかっているかを数えます。自動精算機・自動釣銭機のメリットとして、各社は釣銭ミスや現金授受のミスが減ることと、レジ締めが楽になることを挙げています。134 どちらも、この件数が多いほど効果が大きく、少ないほど小さくなります。
レセコン連携の可否
最も見落とされやすいのが、この点です。レセコンと連携できない組み合わせでは、会計金額を手で入力する手間が残ります。そうなると、導入のメリットは半減します。3
NOMOCaは国内で使われているレセコンの96.6%以上と連携できるとし、Clinic KIOSKは95%以上のレセコン・電子カルテとの連携実績を挙げています。13 裏を返せば、連携できない組み合わせも一定数残ります。見積もりの段階で、自院のレセコン名を挙げ、機種ごとに確かめてください。
導入の進め方の全体は、クリニックがAIを導入するまでの7ステップにまとめています。
効果が出にくい条件
次のような条件では、投資に見合う効果が出にくくなります。
- 患者数が少ないクリニック。 本体の費用に加えて、保守費用も毎月かかります。会計の件数が少なければ減らせる作業も少なく、投資の回収に時間がかかります
- レセコンと連携できない機種を選んだ場合。 金額の手入力が残ります。価格だけで機種を選び、連携の確認を省くと、この条件に当てはまりやすくなります
- 高齢の患者が中心の小規模なクリニックで、フルセルフ型を選んだ場合。 操作の案内や介助がスタッフの新しい業務になり、窓口会計より時間がかかる場面が出ることがあります
- 会計以外の受付業務が混んでいるクリニック。 機械で減らせるのは会計の工程だけです。予約の確認・保険証の確認・問診票の受け取りで待ちが出ているなら、会計を自動化しても列の長さは大きく変わりません
よくある質問
Q. 自動精算機とセルフレジは同じものですか。
クリニック向けでは、自動精算機をセルフレジと呼ぶことが多いです。セミセルフレジと呼ばれるのは自動釣銭機で、患者の操作の範囲が違います。
Q. 機械を導入すれば、会計のスタッフは要らなくなりますか。
いいえ。フルセルフ型でも、例外対応のスタッフは必要です。セミセルフ型では、会計金額の確定・入力もスタッフが行います。
見積もりを取る前に
- 列の原因が会計にあると分かったら、候補の各社に連携の可否を問い合わせてください
- 列の原因が会計より前の受付にあるなら、機械より先に、その工程を見直してください
- 高齢の患者が多いなら、自動釣銭機や、有人窓口を一部残す運用も比べてください
出典
- クリニックに自動精算機を導入するメリットとは?待ち時間・ミス・負担を解消し、運営を楽に!(参照 2026-08-13)
- クリニックの自動精算機の価格帯とメリット|開業や経営への影響も解説(参照 2026-08-13)
- 【2026年版】クリニック自動精算機おすすめ7選!メリットやポイント解説付き(参照 2026-08-13)
- クリニック向けの自動精算機とは?メリット・選び方から費用面まで解説(参照 2026-08-13)

