Geminiアプリの「ノートブック」が、2026年9月14日から企業・教育機関向けのGoogle Workspaceでも順次使えるようになっています。ノートブックは初期設定でオンのため、表示された社員は、その日から社内資料をアップロードしてGeminiに質問できます。 全社で使わせる前に、管理コンソールで4つの設定を確認しておくと安全です。1

この記事でわかること

  • 利用範囲:[Gemini アプリ]と[Gemini Notebook]のどちらかをオフにすると、ノートブックは使えません
  • 社外共有:初期設定はオフで、4段階から選べます。組織部門ごとに変えることもできます
  • 監査ログ:設定を変えなくても確認できます。BigQueryへのエクスポートは初期設定でオフです
  • データリージョン:組織で指定していても、ノートブックで処理されるデータには適用されません
この記事の目次(6節)
  1. Geminiアプリのノートブックとは
  2. 提供の条件は2つのサービスがともにオンであること
  3. 管理コンソールで確認する4つの設定
  4. 社内資料をアップロードする前に、社員に周知すること
  5. 導入前チェックリスト
  6. 会社の状況別の進め方

Geminiアプリのノートブックとは

ノートブックとは、資料と会話をテーマごとにまとめて扱える、Geminiアプリの機能です。 登録した資料を基にGeminiが答えるため、社内規程やマニュアルに関する問い合わせに向いています。1 この仕組み(RAG)は、院内マニュアルを例にRAGを解説した記事で紹介しています。

旧NotebookLMを改称したサービスとつながる

Googleは2026年7月16日、資料検索型のAI「NotebookLM」の名称を「Gemini Notebook」に変更しました。管理者側の対応は不要で、共有済みのノートブックやリンクもそのまま使えるとしています。2

さらにGoogleは9月17日、Gemini Notebookで作ったノートブックを、Geminiアプリからも使えるようにしたと発表しました。9月14日から順次展開しており、すべての利用者が使えるようになるまで、最大15日ほどかかる見込みです。1

総務が就業規則を登録した場合

例えば、社員30人の工務店で、総務の担当者が就業規則と出張旅費規程をノートブックに登録したとします。社員が「出張の日当はいくら?」とGeminiに聞けば、規程に基づいて答えます。ただし誤ることもあるため、誤りの報告先を決めておく必要があります(後述)。

また、管理者が案内しなくても、社員は各自で使い始められます。給与一覧表や顧客名簿をアップロードする人が出ないよう、先にルールを決めておく必要があります。

提供の条件は2つのサービスがともにオンであること

ノートブックを使うには、ユーザーが属する組織部門またはグループで、[Gemini アプリ]と[Gemini Notebook]の両方がオンになっている必要があります。1

このため、旧NotebookLMをオフにしていた会社では、ノートブックも表示されません。両方がオンのままなら、社員の画面に順次表示されます。

日本語版のヘルプは、まだ古い説明のまま

9月29日時点で、Geminiアプリの日本語版ヘルプには、ノートブックは「仕事用または学校用の Google アカウントで利用することはできません」とあります。11 9月17日の発表とは食い違います。社内で「会社のアカウントでは使えない」と案内していたら、見直してください。

管理コンソールで確認する4つの設定

4つの設定画面は、管理コンソールの[生成 AI]と[レポート]のメニューから開きます。 01と02は組織部門ごとに変えられる設定で、03と04は初期設定のままでどうなるかを確認する項目です。

FOUR SETTINGS 01 02 03 04 利用範囲 社外共有 監査ログ データリージョン サービスのステータス 初期設定はオン 2つともオンで使える 外部との共有 初期設定はオフ 4段階から選べる 監査と調査 ログは確認できる エクスポートはオフ 組織の指定 ノートブックには 適用されない 組織部門ごとに変えられる 初期設定のまま確認する ADMIN CONSOLE
管理コンソールで確認する4つの設定です。各列の1行目が設定の場所、2行目以降が初期設定のままの状態です。

01 利用範囲はサービスのステータスで決める

Gemini Notebookのオンとオフは、[メニュー]→[生成 AI]→[Gemini Notebook]→[サービスのステータス]で切り替えます。組織部門ごとに変えられ、一部のユーザーだけに使わせるならアクセスグループを使います。3

Geminiアプリも同様に、[生成 AI]→[Gemini アプリ]→[サービスのステータス]で切り替えます。反映までに最大24時間かかることがあります。4

まず総務部だけで試し、残る3項目を確認してから全社に広げるのが安全です。

02 社外共有は初期設定でオフ

9月10日から、Gemini Notebookの社外共有の範囲を、管理コンソールで4段階で設定できるようになりました。それまでは、Gemini Notebook全体をオンにするかオフにするかしか選べませんでした。5 管理画面の項目名は「[組織名]の外部との共有」です。6

設定社外共有の範囲
オフ(初期設定)社外の人とは共有できない
許可リスト登録済みドメイン登録したドメインのアドレスとのみ共有できる
オン社外のどのアドレスとも共有できる
一般公開の共有リンクを知っていれば誰でも閲覧できる形で公開できる

表の下の段ほど、社外の人が見られる範囲が広がります。設定はドメイン全体・組織部門・グループの単位で変えられます。56 取引先とノートブックを共有したい部署だけ、[許可リスト登録済みドメイン]にする使い分けもできます。

03 監査ログは設定を変えずに確認できる

9月3日から、Gemini Notebookの監査ログを管理コンソールで確認できるようになりました。記録される項目は、操作したユーザー、IPアドレス、ノートブックの公開範囲などです。監査ログは設定を変えなくても確認できます。BigQueryへのエクスポートは初期設定でオフです。7

監査ログは、[メニュー]→[レポート]→[監査と調査]→[Gemini Notebook のログイベント]で開きます。確認には[監査と調査]の管理者権限が必要です。8

04 データリージョンの指定はノートブックに及ばない

組織でデータリージョン(データの保存場所)を指定していても、その指定は、Gemini Notebookで処理・キャッシュ保存されるデータには適用されません。3 契約や社内規程で国内保存を定めている会社は、アップロードしてよい資料を先に絞る必要があります。

社内資料をアップロードする前に、社員に周知すること

管理者の設定とは別に、どの資料をアップロードしてよいかを社員に周知する必要があります。上の4つの設定では、どの資料を登録するかまでは制限できないためです。

データの扱いはエディションで違う

Gemini Notebookは、多くのエディションでコアサービスとして提供されています。Business Starter・Business Standard・Business Plus・Enterprise Standard・Enterprise Plusなどです。10

コアサービスのエディションでは、アップロードしたファイル・チャット・回答について、人間のレビュアーによる確認も、生成AIモデルの改善への利用もしないと明記しています。適用される規約はGoogle Cloud 利用規約です。10

一方、Business Base・Essentials Starter・Workspace Individualなどでは、追加サービスとしての提供で、適用される規約はGoogle 利用規約です。この場合も、フィードバックを送らない限り学習には使わないとしていますが、フィードバックを送るとやり取りの全容をGoogleが確認することがあります。10 自社のエディションがどちらに当たるかを、管理コンソールで確認しておくと安全です。

入力してよい情報の決め方は、IPAが挙げる生成AIのセキュリティ対策が参考になります。

ドライブの資料は自動で同期される

Googleドキュメント・スプレッドシート・スライドを資料(ソース)として追加すると、ドライブで編集した内容がノートブックにも自動で反映されます。ドライブでファイルへのアクセス権を削除すると、そのファイルはノートブックで使えなくなります。管理者がこの同期を止める設定は用意されていません。9

規程を改定したら、ドライブの元のファイルを編集すれば済みます。一方、パソコンからアップロードしたPDFは自動では同期されません。古いPDFをソースから削除し、新しい版を追加し直す必要があります。9

個人情報をアップロードするなら、利用目的の範囲内か確かめる

個人情報保護委員会は、生成AIに個人情報を入力する場合は、利用目的を達成するために必要な範囲内かを十分に確認するよう求めています。12 顧客名簿や人事評価の資料は、目的に合うかを確かめるまでアップロードしないよう周知が必要です。法改正の動きは改正個人情報保護法でAIを使う会社が確かめる5項目にまとめています。

導入前チェックリスト

□ 管理コンソールで[Gemini アプリ]と[Gemini Notebook]の状態を確認済み(オン/オフ)

□ 使わせる組織部門かグループを決定済み(対象:____)

□ 社外共有の設定を確認済み(オフ/許可リスト登録済みドメイン/オン/一般公開の共有)

□ [監査と調査]で、Gemini Notebookのログイベントが開けることを確認済み

□ 自社のエディションがコアサービスか追加サービスかを確認済み

□ 国内保存の定めの有無を確認済み(あり/なし)

□ アップロードしない資料を社員に周知済み(例:顧客名簿、給与一覧表)

□ 問い合わせ・誤り報告の窓口を決定済み(担当:____)

最後の項目が空欄のままだと、回答の誤りに気づいた社員が報告する先がありません。規程に関する回答が誤っていたら、窓口の担当者が元の資料を確認できるようにしておきます。

AIの操作の記録をどう設計するかは、AIの書き込みを後から説明できる監査ログで詳しく扱っています。

会社の状況別の進め方

  • 社内で生成AIを使うルールがまだないなら、先にAI事業者ガイドラインが「AI利用者」に求める7項目を読み、ノートブックはいったんオフにしておきます
  • ルールがあり、国内保存の定めもないなら、総務部など1つの組織部門だけでオンにして試します
  • 国内保存の定めがあるなら、ノートブックをいったんオフにし、アップロードしてよい資料を決めてから、オンにするかを判断します

出典

  1. Notebooks in Gemini, now for schools and organizations(Google Workspace Updates・2026年9月17日)(参照 2026-09-29)
  2. NotebookLM is now Gemini Notebook(Google Workspace Updates・2026年7月16日)(参照 2026-09-29)
  3. ユーザーに対して Gemini Notebook を有効または無効にする(Google Workspace 管理者ヘルプ)(参照 2026-09-29)
  4. Gemini アプリを有効または無効にする(Google Workspace 管理者ヘルプ)(参照 2026-09-29)
  5. Manage external sharing for Gemini Notebook in the Admin console(Google Workspace Updates・2026年9月10日)(参照 2026-09-29)
  6. Gemini Notebook の共有設定を管理する(Google Workspace 管理者ヘルプ)(参照 2026-09-29)
  7. Introducing comprehensive audit logs for Gemini Notebook in the Workspace Admin console(Google Workspace Updates・2026年9月3日)(参照 2026-09-29)
  8. Gemini Notebook のログイベント(Google Workspace 管理者ヘルプ)(参照 2026-09-29)
  9. Keep your sources up to date with automatic Drive syncing in NotebookLM(Google Workspace Updates・2026年5月26日)(参照 2026-09-29)
  10. 仕事用または学校用の Google アカウントで Gemini Notebook を使用する(Gemini Notebook ヘルプ)(参照 2026-09-29)
  11. Gemini アプリのノートブックでプロジェクトを整理する(Gemini アプリ ヘルプ)(参照 2026-09-29)
  12. 生成AIサービスの利用に関する注意喚起等(個人情報保護委員会・令和5年6月2日)(参照 2026-09-29)

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