Copilot Coworkは、メールの送信や会議の招集、Excelの更新まで代わりにこなすMicrosoft 365 Copilotの機能です。週報やメールへの返信案のような定型業務も、条件を決めて任せられます。
Coworkはメールを送り、Teamsに投稿するところまで行います。任せる前に、どの操作の承認を省くかと、社内の誰に使わせるかを決めておきましょう。
この記事でわかること
- 決まった時刻に実行するタスクは25件まで登録できます
- OneDriveやSharePointのWord・Excel・PowerPointは、Coworkが保存場所に置いたまま編集できます
- 支出ポリシーの上限を1クレジットにしても、対象者はCoworkを使えます
この記事の目次(7節)
Copilot Coworkでできること・できないこと
Copilot Chatは下書きや要約を出すまでですが、Coworkは、OutlookやTeams、Word、Excelをまたいで操作まで行います。依頼をいくつかの手順に分けて、1つずつ実行します。14
| 項目 | Copilot Chat | Copilot Cowork |
|---|---|---|
| 向いている作業 | 下書き・要約・質問への回答 | 複数のアプリにまたがる作業 |
| かかる時間 | 数秒から数分 | 数分から数時間 |
| できる操作 | 文章や資料の案を出す | メールの送信、会議の招集、Teamsへの投稿まで |
表の「できる操作」の行が、2つのいちばん大きな違いです。Coworkは送信や投稿まで行うので、後で取り上げる承認の設定と、利用者の絞り込みが欠かせません。4
使える場所
Coworkは、職場のアカウントでサインインしたCopilotのアプリから使えます(ブラウザーでは copilot.cloud.microsoft)。パソコンとスマートフォンのアプリ、OutlookとTeamsからも使えます。3
できないこと
パソコンに保存したファイルを、Coworkが直接開いたり編集したりすることはできません。アップロードすれば、参考資料として渡せます。34
OneDriveやSharePointのファイルやフォルダーを削除することもできません。暗号化されたファイルは、利用者に閲覧権限があっても読めません。添付できるのは200MB未満のファイルです。4
使い始める前に管理者が決めること
CoworkはMicrosoft 365 Copilotのライセンスとは別に、従量課金の設定が要ります。 Microsoftの文書では「使用量ベースの課金」と呼んでいます。料金の仕組みは、9月28日のAIニュースでも触れました。37
課金の対象は、AIの応答、ツールやスキルの呼び出し、画像の生成、Coworkがブラウザーを操作する作業などです。使用量はCopilotクレジットという単位で数えます。管理者は、Microsoft 365 管理センターで使用量を確認し、ユーザーごとやグループごとに上限を設定できます。5
誰が使えるかは支出ポリシーで決まる
支出ポリシーとは、Copilotクレジットの上限と対象者を決める、管理センターの設定です。対象サービスにCoworkを含めた支出ポリシーの対象者だけが、Coworkを使えます。6
試す人を絞るときの手順は、次のとおりです(画面の名前はMicrosoftの文書の表記です)。5
- 試す人を、Microsoft Entra IDのセキュリティグループにまとめる
- 管理センターで[Copilot]>[Cost Management]>[Configuration]を開き、[+ 支出ポリシーの追加]を選ぶ
- 対象者を決める画面で[Specific groups]を選び、手順1で作ったグループを指定する
- [エージェントとサービスの選択]の画面で[Cowork]を選ぶ
- 上限と請求の方法を決めて、ポリシーを作る
上限を小さくしても、使える人は絞れない
上限は使いすぎを防ぐためのもので、使える人を決めるものではありません。上限が1クレジットのポリシーでも、その対象者はCoworkを使い始められます。6
例えば、対象者を全社員、上限を1クレジットとし、Coworkを含めた支出ポリシーがすでにあるとします。この状態で営業部の3人用のポリシーを足しても、全社員がCoworkを使える状態のままです。使わせたくない人は、Coworkを含めたどのポリシーの対象者にも入れないようにします。6
また、使用量の集計には時間差があります。そのため、上限を超えたあとも、新しいタスクを始められることがあります。6
最初の依頼の出し方
Copilotのアプリを開き、画面上部の[Chat]の横にある切り替えで[Cowork]を選びます。ホーム画面には[最新情報の確認][受信トレイの整理][会議の準備]といった、すぐ使える依頼の例が並びます。3
依頼文(プロンプト)は、25万字まで入力できます。社内のファイル、メール、Teamsのチャット、会議を指定して、参考資料として渡すこともできます。2
「メールを送って」だけで済ませず、何をまとめ、どんな形で、誰に送るかまで書きましょう。具体的に書くほど、狙いどおりの結果が返ってきます。3
実行中のタスクは、一時停止・再開・キャンセルができます。2
OneDriveやSharePointのファイルを、置いたまま編集してもらう
OneDriveかSharePointのWord・Excel・PowerPointは、保存場所を移さずに編集してもらえます。共有の設定もバージョン履歴も、そのまま残ります。27
- [添付ファイルの追加]>[クラウド ファイルとフォルダーの添付]で、編集するファイルを選ぶ
- 変えてほしい内容を書いて送る
- 編集の許可を求められたら、[一度承認]か[常に許可]を選ぶ
[常に許可]を選ぶと、Coworkはその会話の中では、承認を求めずにファイルを編集します。編集を取り消すには、バージョン履歴から前の版に戻します。2
定型業務を任せる2つの方法
毎週・毎朝決まって行う作業は「定期実行」で、メールやメッセージが届いたときに行う作業は「イベント駆動型タスク」で任せます。どちらも、Coworkの[オートメーション]のページに並びます。2
決まった時刻に実行する
定期実行は、Microsoftの文書では「スケジュールされたプロンプト」と呼ばれています。依頼文に何をいつしてほしいかを書けば、Coworkが定期実行として登録します。例えば「毎週金曜日に、今週の進捗をまとめた週報を作って」と書きます。登録できるのは25件までです。2
有効にするときは、すぐに1回目を実行するか、次の予定の時刻から始めるかを選べます。2
メールやTeamsのメッセージが届いたときに実行する
イベント駆動型タスクは、メールを受け取ったときや、Teamsのチャネルやチャットにメッセージが届いたときに自動で動くタスクです。2026年8月に加わった機能です。Teamsでは、自分あてのメンションだけに絞ることもできます。27
依頼文に、何が届いたら何をするかを書くと、Coworkが設定の案をカードで示します。カードには、開始条件、実行する内容、必要な権限が並びます。中身を確認してから[設定]を選びます。2
例えば、取引先から見積依頼のメールが届いたら、要点をまとめて返信の下書きを作る、といった使い方ができます。初期設定では、メールの送信や投稿の前に承認を求めます。閲覧権限のあるメールやファイルに限って動きます。2
承認をどこまで省くか
送信や投稿の前に承認を求められたときは、次の4つから選べます。省いた承認の一覧はサイドパネルの[アクセス許可]に残り、あとから取り消せます。2
| 選択 | 選ぶとどうなるか |
|---|---|
| [送信][投稿]など操作名のボタン | その1回だけ実行する |
| 操作名のボタンの横の[その他のオプション] | その会話の中では、同じ種類の操作の承認を省く。メールとTeamsは、特定の受信者だけ・特定のドメインだけなどに絞れる |
| [すべて承認] | 保留中の操作をまとめて承認する |
| [キャンセル] | その操作だけを止め、残りの作業は続ける |
承認を省く設定は、その会話の中だけで有効です。中・高リスクの操作では、承認の画面にリスクの目安も出ます。12
社外あてのメールは承認を残す
定期実行やイベント駆動型タスクは、作成時に操作をあらかじめ承認しておけます。そうすると、例えば届いたメールへの返信が、人の確認なしに送られます。5
ここからは筆者の見立てです。社内あての連絡は、宛先のドメインを自社に絞って承認を省いても、困ることは少ないと考えます。一方、取引先やお客様あてのメールは誤送信を取り消せないので、承認を残しておくと安心です。
Coworkの操作は、Microsoft 365のほかの操作と同じく統合監査ログに記録されます。5 記録から何がわかるかは、生成AIの監査ログの記事で取り上げました。
任せる前の確認表
# 確かめること 済 1 試す人にMicrosoft 365 Copilotのライセンスを割り当て、従量課金を有効にした □ 2 Coworkを含めた支出ポリシーの対象者が試す人のグループだけで、全社員を対象にしたポリシーにCoworkが含まれていない □ 3 管理センターの使用量を、誰がどのくらいの間隔で確認するかを決めた □ 4 任せる作業のファイルを、OneDriveかSharePointに置いた □ 5 社外あてのメールは、承認を省かないと決めた □ 6 定期実行やイベント駆動型タスクで事前に承認する操作を、社内あてに限った □
1〜3は管理者が、4〜6は利用者が確かめます。
どの作業から試すか
- 毎週同じ書式で週報を作っているなら、定期実行から試しましょう。送信の前に承認を求めるので、中身を確認してから送れます。
- 取引先からのメールが多いなら、イベント駆動型タスクで返信の下書きを作るところから試しましょう。
- 経理の記帳まで任せたいなら、会計ソフトとAIをつなぐ設定が別に要ります。freee MCPの記事で、つなぐ前に済ませる設定を確かめてください。
出典
- Copilot Cowork の概要(Microsoft Learn、2026年9月29日更新)(参照 2026-10-03)
- Copilot Cowork を使用する(Microsoft Learn、2026年9月14日更新)(参照 2026-10-03)
- Copilot Cowork の使用を開始する(Microsoft Learn、2026年9月14日更新)(参照 2026-10-03)
- Copilot Cowork に関するよくある質問(Microsoft Learn、2026年9月29日更新)(参照 2026-10-03)
- 組織の Copilot Cowork を管理する(Microsoft Learn、2026年9月14日更新)(参照 2026-10-03)
- Copilot Cowork のアクセス制御を決定する(Microsoft Learn、2026年8月21日更新)(参照 2026-10-03)
- Copilot Cowork の新機能(Microsoft Learn、2026年9月14日更新)(参照 2026-10-03)

