要点

対象:会議の議事録に時間を取られている自治体の職員

  1. 文字起こしは別のツールで、LoGoAIが要約
  2. 時間の減り方は、3つの資料に2通りの数字
  3. 年間の費用はLoGoAIとCopilotで135万6千円

北海道の当別町(人口1.5万人)は、会議の録音を文字起こしAIでテキストにし、LoGoAIアシスタントで要約して、議事録を作っています。総務省の事例集には、議事録を作る時間が半減したと載っています。1

この記事の目次(8節)
  1. LoGoAIアシスタントは要約に使っている
  2. 導入までは11か月
  3. 議事録づくりの時間は、3つの資料に2通りの数字が出ている
  4. 要約のあとは、職員が文章を整える
  5. 費用は、LoGoAIとCopilotで年間135万6千円
  6. 英国スウィンドン市では、事務の時間が63%減った
  7. 住民に答えるAIで、導入を見送った市もある
  8. 試す前に決める4点

事例集で町は、作業時間が4分の1になったと答えています。以前は、会議時間の4倍程度かかっていました。1

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当別町の議事録づくりの流れ。文字起こしと要約はAIで、仕上げの手直しは職員です(手直しは北海道新聞の例)。

LoGoAIアシスタントは要約に使っている

当別町が使っているのは、株式会社トラストバンクの「LoGoAIアシスタントbot版」(以下LoGoAI)です。パッケージの製品で、クラウドで動かしています。1

音声の文字起こしは、別のAIツールでしています。1

導入までは11か月

当別町は、ChatGPTが公開された約1か月後に、導入の検討を始めました。1 導入までの期間は、事例集の数え方で11か月です。1

時期したこと
2022年12月導入の検討を始める
2023年5月職員向けの勉強会を開き、ガイドラインを作る
2023年7月から9月ChatGPTの実証実験
2023年10月全庁でLoGoAIアシスタントbot版を導入
2024年3月から「チャットGPTを越えてゆけ企画」で、Microsoft 365 Copilotなどを検証

現場の職員が中心になって進めました。1

議事録づくりの時間は、3つの資料に2通りの数字が出ている

同じ事例集に、2通りの数字が出ています。違いの理由は、資料からは分かりません。

出どころ書かれていること
総務省の事例集の効果欄議事録作成に要する時間が半減している
同じ事例集の町の回答作業時間を4分の1まで削減(以前は会議時間の4倍程度)
北海道新聞(ChatGPTを使った例)作業時間は従来の約4分の1にあたる約1時間

北海道新聞の例では、約7千字の会議録が約2,500字に要約されています。2

どの数字も、測った人と期間は示されていません。自分の職場に当てはめる前に、何と比べた数字かを確かめてください。

要約のあとは、職員が文章を整える

北海道新聞の例では、要約のあとに、職員が文章の流れを少し整えています。2

広報文では、AIが表現を提案し、その提案が職員の学びになりました。1

北海道新聞は、道内の自治体の生成AI利用について、不正確な回答と個人情報の流出への懸念を課題に挙げています。2

目黒区は、2023年8月のLoGoAIアシスタントの試行にあたり、機密情報や個人情報の入力を禁止するなどのガイドラインを整えました。3

会議の録音から議事録の下書きを作る仕事は、当サイトのAI秘書でも引き受けています。任せられる範囲は、AI秘書の社内・総務で確かめられます。

費用は、LoGoAIとCopilotで年間135万6千円

事例集に載っている当別町の費用は、次のとおりです。

項目金額(税抜)
初期費用「ー円」と記載
LoGoAIアシスタントbot版(1年あたり)92万4千円
Microsoft 365 Copilot(1年あたり)43万2千円
年間の合計135万6千円

Copilotは、議事録のほか、データ処理やスライド作りにも使われています。議事録だけの費用ではありません。1

RAG(町の計画や議会会議録を参照して答える仕組み)の構築にかかる費用は、事業者との協定により、2024年度は無料でした。1

英国スウィンドン市では、事務の時間が63%減った

英国のスウィンドン市は、2024年4月から7月に、成人向け福祉の部門で、AIの記録ツールを試しました。4

ソーシャルワーカー19人などが、184回の面談で使いました。4

項目市の発表
面談1回の長さ(平均)1時間30分から35分
アセスメントの書き上げ4時間から1時間30分
記録の作成など事務作業の時間63%減

住民に答えるAIで、導入を見送った市もある

香川県三豊市は、ごみ出しの問い合わせにChatGPTで答える実証実験をしました。5

最初の実証期間の正答率は62.5%で、改善後は94.1%まで上がりました。本格導入には正答率99%を条件にしていたため、市は導入を見送りました。5

議事録の要約は、職員が読んで直してから使えます。住民に直接答えるAIは、誤りがそのまま届くので、市は高い正答率を求めました。

議事録をAIで整理する考え方は、委員会や病棟会の議事録を決定・保留・次回確認に分ける記事にあります。介護のAI活用の記事とホテルのAI電話の記事も、同じ業務効率化の事例です。

試す前に決める4点

試す前に、次の4点を決めます。

決めること当別町・目黒区の例
入力してよい情報の範囲目黒区は、機密情報や個人情報の入力を禁止するなどのガイドラインを整えた
要約を確かめて直す人北海道新聞の例では、職員が文章の流れを整えている
費用の総額と内訳当別町は年間135万6千円(LoGoAI 92万4千円・Copilot 43万2千円)
何と比べて減ったか事例集の「半減」と「4分の1」で、比べ先が違う可能性がある

まず1回、庁内のルールの範囲で会議の録音を1本要約させ、直す時間を手作業の時間と比べてください。

出典

  1. 総務省「自治体DX推進参考事例集(令和7年度版)」22 現場職員からのボトムアップによる生成AIの導入検討・活用【北海道当別町】(参照 2026-10-19)
  2. 北海道新聞デジタル「当別町の生成AIの活用」(参照 2026-10-19)
  3. 目黒区「自治体向けチャットツールを使った生成AI(ChatGPT)の試行を開始します」(令和5年8月10日)(参照 2026-10-19)
  4. Swindon Borough Council「Council completes AI trial to enhance adult social care services」(2024年10月1日)(参照 2026-10-19)
  5. ITmedia NEWS「ごみ出し案内のAI、正答率94%でも導入見送り(香川県三豊市)」(2023年12月15日)(参照 2026-10-19)