要点

対象:業務前自動点呼を始めたい運送会社

  1. 届出は始める日の原則10日前まで
  2. 業務前の認定機器28件、車内も可は14件
  3. 予定は点呼ごとに入力

業務前自動点呼を始めるには、まず国土交通省の認定機器の一覧から機器を選び、社内の準備を済ませます。そのうえで、始める日の原則10日前までに、自動点呼を行う営業所を管轄する運輸支局などへ「自動点呼の実施に係る届出書」を出します。13

この記事の目次(5節)
  1. 機器は「点呼の被実施場所」で選ぶ
  2. 届出の前に済ませること
  3. 提出する書類と期限
  4. 遠隔点呼との手続きの違い
  5. 始めてからの運用

手続きは許可の申請ではなく、届出だけです。2

業務前自動点呼の手続きの流れ 01 02 03 04 05 機器を選ぶ 社内の準備 届出書を出す 点呼を始める 変更・終了 認定の一覧で 点呼の被実施場所 を確かめる 運行管理規程 運転者の同意 平時の値の登録 非常時の体制 始める日の 原則10日前まで 貨物は別紙10 認定番号を書く 運行管理者などが 点呼のたびに 予定を入力する 変更は別紙11を 事前に 終了は別紙12を 遅滞なく
業務前自動点呼の手続きの流れ。機器を選び、社内の準備をしてから届出書を出します。

機器は「点呼の被実施場所」で選ぶ

届出書には使う機器の認定番号を書くので、機器は届出の前に決めます。3

認定機器の一覧の「点呼の被実施場所」の列には、運転者が自動点呼を受けられる場所が書いてあります。12

国土交通省の一覧では、2026年10月15日時点で、業務前自動点呼の認定機器は28件です。1

点呼の被実施場所(一覧の書き方)件数
「営業所又は車庫に限る。」14件
「事業用自動車内、待合所、宿泊施設その他これらに類する場所含む」14件

長距離の運行で、運転者が出先の車内や宿泊先で業務前の点呼を受けるなら、「事業用自動車内…含む」の機器から選びます。2 「事業用自動車内…含む」の機器は、営業所や車庫でも使えます。

名前に「AI」が付く機器も、審査の中身は同じ

一覧には、名前に「AI」が付いた機器もあります。1 国土交通省は、点呼のやり方を決めた告示に沿って、機器の機能を審査します。5

アルコール検知器や体温計・血圧計の本体と、その測定の精度までは認定していません。5

比べるときは、点呼の被実施場所と、接続できるアルコール検知器などの機種を見るとよいと考えています。

届出の前に済ませること

自動点呼を使い始める前に、次のことを済ませておきます。非常時の体制は、届出書に添える書類にもなるので、届出の前に整えます。23

すること内容
運行管理規程に定める自動点呼の運用の決まりを規程に明記し、運行管理者と運転者に知らせる
運転者の同意を得る生体認証に使う情報や、体温・血圧の測定結果の扱いについて、事前に同意を得る
平時の値を登録する体温と血圧の平時の値を、運転者ごとに機器へ登録する
異常のときの体制酒気帯びや体調・日常点検の異常と、予定の時刻を過ぎても終わらない点呼に、運行管理者が対応できるようにする
故障のときの体制同じ営業所の運行管理者などが、対面点呼などで点呼できるようにする
機器の持ち出しを防ぐ営業所や車庫で使う機器を、ワイヤーロックで固定するなどの対策をとる

平時の値は、直近の測定値の平均でなくてもかまいません。運行管理者が決めた値を登録できます。5

提出する書類と期限

提出先は、冒頭に書いた運輸支局などです。様式は、国土交通省の運行管理高度化ワーキンググループのページから、PDFとWord でダウンロードできます。1

書類提出期限貨物の様式
自動点呼の実施に係る届出書始める日の原則10日前別紙10
自動点呼の変更に係る届出書変える前に別紙11
自動点呼の終了に係る届出書やめるときに、遅滞なく別紙12

別紙10の欄

届出書の冒頭で、業務前か業務後かに○を付けます。そのほかの欄は、次の4つです。3

  1. 事業の種類(一般貨物・特定貨物・特定第二種貨物利用運送・貨物軽のどれか1つに○)
  2. 自動点呼機器を管理する営業所・車庫の名称と位置、使う機器の名称(製品番号と国土交通省の認定番号)
  3. 自動点呼の開始予定日
  4. 宣誓(点呼のやり方を決めた告示の要件を守ることを、□にチェックして示す)

この告示の番号は、令和5年国土交通省告示第266号です。最新の改正は2026年6月で、改正後の全文は、様式と同じページで読めます。1

この記事の要件の説明は、改正の前に出た解説パンフレットとFAQに拠っています。届出の前に、改正後の全文でも要件を確かめてください。

添付する書類

添付する書類は、次の3つです。3

  • 非常時に、対面点呼など認められた方法で点呼ができる体制が分かる書類
  • 営業所か車庫で自動点呼を行うなら、機器の設置場所と設置の状況が分かる書類
  • 監視カメラを使うなら、その設置場所が分かる書類

届け出た内容を変えるとき

機器や営業所・車庫など、届け出た内容を変えるときは、変更の届出書(別紙11)を出します。届出書には変更の理由と変更予定日を書き、宣誓にチェックします。変更後の体制が分かる書類なども添えます。4

遠隔点呼との手続きの違い

運転者が別の会社の運行管理者から点呼を受ける事業者間遠隔点呼には、国の許可が要ります。12

点呼の方法手続き提出期限
自動点呼届出始める日の原則10日前
同じ会社の中の遠隔点呼届出始める日の原則10日前
事業者間遠隔点呼(別の会社と行う遠隔点呼)管理受委託の許可申請と、届出許可申請は始める日の2か月前まで

始めてからの運用

運行管理者などが点呼の予定を入力していない運転者は、自動点呼を受けられません。予定は点呼ごとに入力し、使い回せません。5

責任を持つ運行管理者の名前は、1つの運行に1人だけ入力します。名前を入力しないまま点呼を始めることは認められていません。5

中止と中断

業務前自動点呼は、アルコールが検知されたときと、日常点検で異常が見つかったときに中止になります。中止になった点呼は再開できません。5

そのあと点呼を続けるかは、運行管理者が決めます。運行の安全を確保できると判断した場合に限り、対面点呼などに切り替えるか、自動点呼を初めからやり直します。やり直すときは、点呼の予定と、責任を持つ運行管理者の名前を入力し直します。5

体温・血圧の測定値と、病気や疲れ、睡眠不足などの申告から、安全に運転できないおそれがあると判定されたときは、中断になります。機器の判定で中断になった点呼は、運行管理者が運行の安全を確保できると判断したときに限り再開できます。5

記録

認定機器は、点呼の結果を1年間保存します。静止画・動画・音声を除く記録は、CSVでも書き出せます。この2つは、認定の要件です。2

自動点呼にしても、予定の入力と結果の確認は運行管理者などが行います。2 立ち会いが減って空いた時間を、予定の入力と、異常が出たときの判断に回せると考えています。

運送会社の事務のうち、点呼と請求書の入力の自動化は、運送業の点呼と請求書の入力を扱った記事にまとめています。業務後自動点呼と配車計画は、配車計画と点呼をどこまで任せられるかの記事で取り上げました。

整備の現場の変化は、自動車整備の AI 活用の記事にあります。

届出の前に、自社が自動点呼を行いたい場所で使える機器かを、一覧で確かめてください。

出典

  1. 国土交通省「運行管理高度化ワーキンググループ」(遠隔点呼、自動点呼の実施に関する情報・関係書類一覧・認定を受けた自動点呼機器一覧)(参照 2026-10-15)
  2. 国土交通省「遠隔点呼・自動点呼 解説パンフレット」(令和7年11月発行)(参照 2026-10-15)
  3. 国土交通省「自動点呼の実施に係る届出書」(貨物・別紙10)(参照 2026-10-15)
  4. 国土交通省「自動点呼の変更に係る届出書」(貨物・別紙11)(参照 2026-10-15)
  5. 国土交通省「よくある質問とその回答 業務前自動点呼機器及び業務後自動点呼機器の要件」(令和7年10月)(参照 2026-10-15)