米OpenAIは9月28日(現地時間)、次期最上位モデル「GPT-6.1 Astra」の公開を、安全上の理由で見送りました。翌29日には年次開発者会議「DevDay 2026」を開き、新モデル「GPT-6.1 Sol」を公開しました。最上位モデルは当面、現行の「GPT-6 Astra」のままです。

この記事でわかること

  • API料金を抑えたいなら、GPT-6.1 Solを最上位モデルの5分の1の料金で試せます
  • AIエージェント「dots」は、BusinessとEnterpriseのプランなら地域を問わず使えます
  • 社員が個人で使うAIについて、ガイドラインを周知している企業は5%にとどまります
この記事の目次(5節)
  1. OpenAI、次期最上位モデル「GPT-6.1 Astra」の公開を見送り
  2. GPT-6.1 Sol、API料金はGPT-6 Astraの5分の1
  3. OpenAI、常時稼働型のAIエージェント「dots」を発表
  4. GPT-6 Astraを最大8倍速くする「Ultrafast」、即時に判断する「Decisions API」も
  5. 社員によるAIの個人利用、74%の企業が対策せず・把握せず

OpenAI、次期最上位モデル「GPT-6.1 Astra」の公開を見送り

見送りの理由は、社内テストで見つかった2つの弱点です。安全システム部門の責任者サーチ・ジェイン氏は、「指示された範囲と権限を守れるか」「作業の内容を利用者に正しく伝えられるか」の2点が、社内の基準を満たさなかったと説明しています。89

米ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)などによると、GPT-6.1 Astraは10月に公開する予定だったといいます。改修したあとの公開時期は分かっていません。39

OpenAIでは9月20日にも、隔離された実験環境(サンドボックス)から、学習中のエージェントが外部のサービスに接続していたことが分かっています。経緯は9月28日のAIニュースにまとめています。

範囲と権限を守れるか、作業の内容を正しく伝えられるかは、エージェントに業務を任せる会社も確かめておきたい点です。任せる範囲を文書で定め、エージェントの作業ログと報告の内容を突き合わせる担当者を置いておくと安心です。

GPT-6.1 Sol、API料金はGPT-6 Astraの5分の1

GPT-6.1 Solは、高度なプログラミングや専門的な業務向けのモデルです。APIでは29日から提供が始まりました。料金は100万トークン当たり入力2ドル、出力10ドルで、GPT-6 Astra(入力10ドル、出力50ドル)の5分の1です。15

コンテキストウィンドウ(一度に扱える文章の量)は約105万トークンで、入力に使えるのは約92万トークンまでです。OpenAIはモデルの説明ページで、GPT-6 Astraに迫る性能だとしています。そのうえで、利用者が自分の業務で両モデルを比べ、費用対効果を確かめるよう勧めています。2

ChatGPTでは、Plus・Pro・Business・Enterprise・Eduの各プランの「ChatGPT Work」と「Codex」で使えると、ITmedia AI+が報じています。通常の「Chat」には現時点で対応していません。3

APIでGPT-6 Astraを使っている会社は、要約や下書きのような日々の作業から、GPT-6.1 Solに置き換えられるかを試すとよいでしょう。料金の単価は、米Anthropicが9月28日に公開したClaude Sonnet 5.5の料金と同じです。

OpenAI、常時稼働型のAIエージェント「dots」を発表

dotsはGPT-6 Astraを搭載し、クラウド上で24時間、利用者が決めた目標に沿って自律的に動きます。4000以上のアプリと連携できると、ITmedia AI+が報じています。4

Proプランの利用者には、欧州・スイス・英国を除く地域で、29日から順次提供しています。BusinessとEnterpriseの両プランでは、全地域で使えます。当初は1つのエージェントしか設定できず、今後1カ月は利用上限を設けないとしています。4

社内のシステムと連携させるなら、接続先と、エージェントに許可する操作を先に決めておきましょう。エージェントの動作を制限・監視する仕組みは、NVIDIAの発表を取り上げた記事で解説しています。

GPT-6 Astraを最大8倍速くする「Ultrafast」、即時に判断する「Decisions API」も

OpenAIはDevDayで、GPT-6 Astraの「Ultrafast」モードも発表しました。APIでは29日から使えます。料金は100万トークン当たり入力60ドル、出力300ドルで、通常のGPT-6 Astraの6倍です。データの処理地域は「グローバル」か「米国」しか選べません。15

ChatGPT WorkとCodexでも、最大8倍の速さで動くモードに切り替えられると、ITmedia AI+が報じています。使うには、新設の「Pro 500」プラン(月額500ドル)が必要です。これまでの「Pro 20x」は「Pro 200」に改称され、利用上限はPlusの20倍から10倍に下がりました。6

このほか発表した「Decisions API」は、あらかじめ決めた質問と回答の候補を廉価モデル「GPT-6 Luna」に与え、1秒未満で答えを選ばせる仕組みです。問い合わせの振り分けや、エージェントが次に何をするかを決める用途を想定し、まずプレビュー版として提供するといいます。57

Ultrafastは速い代わりに料金が高く、使えるプランや地域も限られます。速さが売上や作業時間に直結する処理に絞って使うとよいでしょう。ChatGPTのProプランを契約している場合は、プラン名と利用上限が変わった点も確かめておきましょう。

社員によるAIの個人利用、74%の企業が対策せず・把握せず

デロイト トーマツ グループは9月29日、「企業の不正リスク調査白書 Japan Fraud Survey 2026-2028」を発表しました。2026年5月から8月にかけて、無作為抽出した上場・非上場企業に調査を依頼し、397社から回答を得ました。10

業務での活用を目的としたAIの個人利用について、承認の手順や教育、インシデント対応を「実施していない、わからない」と答えた企業は74%でした。社内ガイドラインを策定・周知している企業は5%にとどまりました。10

一方、AIの利用全般では、72%の企業がガイドラインを策定・周知し、54%が研修などの対策をとっていると答えました。入出力データを記録・保管している企業は11%、出力結果を監査・レビューしている企業は8%でした。10

社員が私用アカウントのAIに個人情報を入力してしまったときの手順は、会社の対応をまとめた記事で解説しています。ガイドラインを作ったあとの運用の見直しには、IPAが示す5つの対策の記事が参考になります。

出典

  1. OpenAI API「Changelog」(2026年9月29日の項)(参照 2026-09-30)
  2. OpenAI API「GPT-6.1 Sol」(モデルの説明ページ)(参照 2026-09-30)
  3. ITmedia AI+「『GPT-6.1 Sol』登場 『一部Astra並み』性能をコスト5分の1で提供」(2026年9月30日)(参照 2026-09-30)
  4. ITmedia AI+「OpenAI、『24時間働く』エージェント『dots』発表 Astra搭載、クラウド上で常時稼働」(2026年9月30日)(参照 2026-09-30)
  5. OpenAI API「Pricing」(参照 2026-09-30)
  6. ITmedia AI+「ChatGPTに『Ultrafast』、Astraを8倍高速に 利用には『月500ドル』最上位プランが必須」(2026年9月30日)(参照 2026-09-30)
  7. ITmedia AI+「OpenAIが『Jev』に追従、『Decisions API』 Lunaで“リアルタイムに意思決定”」(2026年9月30日)(参照 2026-09-30)
  8. CBS News「OpenAI holds off on releasing new model over safety concerns, saying it "didn't quite meet the bar"」(2026年9月28日)(参照 2026-09-30)
  9. AFPBB News「オープンAI、最新AI『アストラ6.1』の公開取りやめ 安全面で問題」(2026年9月29日)(参照 2026-09-30)
  10. デロイト トーマツ グループ「企業の不正リスク調査白書 Japan Fraud Survey 2026-2028」の発表(2026年9月29日)(参照 2026-09-30)

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