Microsoftがリアルタイムの文字起こしモデルを公開し、国内ではELYZAが日本語LLMを公開しました。OpenAI、Cloudflare、Anthropicも、新しいモデルや機能を相次いで発表しています。

この記事でわかること

  • MAI-Transcribe-2-Streamingを使う仕組みを頼む前に、音声を国外で処理してよいかを社内で決めておく必要があります
  • ChatGPTの利用制限枠のリセットは、新モデル「GPT-6.1 Sol」の不具合への対応で、料金の変更ではありません
  • Claude Codeで開発している委託先には、入れているmodを確認しておくと安心です
この記事の目次(9節)
  1. Microsoft、リアルタイム文字起こしモデルを公開
  2. ELYZA、AIがAIを開発する研究組織を設立 日本語LLM2モデルも公開
  3. OpenAI、ChatGPTに書類をPDFにまとめる機能を追加
  4. OpenAI、ChatGPT有料ユーザーの利用制限枠をリセット
  5. Cloudflare、分類専用のAIモデル「Clef」を発表
  6. Anthropic、Claude Codeに「mod」の仕組み
  7. はてな匿名ダイアリー、Claudeからも検索や投稿が可能に
  8. Earendil、コーディングエージェント「Pi 1.0」を公開
  9. 載せなかった話題

Microsoft、リアルタイム文字起こしモデルを公開

米Microsoftは10月1日(現地時間)、話している最中の音声を文字に起こすモデル「MAI-Transcribe-2-Streaming」を公開しました。最初の中間結果を100ミリ秒強で返します。日本語を含む60言語に対応し、言語は自動で判別します。12

同社は、コールセンターや会議・講義の字幕、リアルタイムの議事録作成などの用途を想定しています。開発者向けの基盤「Microsoft Foundry」ではプレビュー版(正式提供前の試用版)として提供しており、本番環境での利用は勧めていません。音声を処理するデータセンターは、スウェーデン、米国、インドにあります。2

料金は年末までの期間限定価格で、音声1時間あたり0.54ドルです。1ドル=150円で換算すると、1時間の会議の文字起こしで約81円になります。1

電話や会議をリアルタイムで記録する仕組みを開発会社に頼むなら、音声を国外で処理してよいかを先に決めておくと、打ち合わせが早く進みます。

ELYZA、AIがAIを開発する研究組織を設立 日本語LLM2モデルも公開

KDDI傘下のELYZA(イライザ)は10月2日、AIがAIを開発する研究に取り組む組織「ELYZA RSI Research」を設立しました。問い合わせ対応AIの仕組みをAIに改善させた実験では、タスクの完遂率が34.3%から52.9%へ18.6ポイント上がったとしています。ただし、RSI(再帰的自己改善)に至る前段階の研究で、RSIそのものを実現したわけではないと説明しています。3

同じ日に、ELYZAは日本語LLMを2モデル公開しました。名前は「ELYZA-Thinking-1.0-llm-jp-4-33b」と「ELYZA-Thinking-1.0-llm-jp-4-32b-a3b」です。どちらも国立情報学研究所の「LLM-jp-4」をベースに開発しました。AIモデルの共有サイト「Hugging Face」で入手でき、ライセンスはどちらもApache 2.0で商用利用できます。345

社外のクラウドに出せないデータをAIに扱わせたい会社にとっては、自社環境(オンプレミス)で動かせる日本語LLMの選択肢が増えました。自社で動かすなら、GPUサーバーの費用と運用コストを開発会社に見積もってもらうことになります。

OpenAI、ChatGPTに書類をPDFにまとめる機能を追加

米OpenAIは10月1日(現地時間)、ChatGPTアプリのカメラで続けて撮影した書類やメモを、1つのPDFにまとめてチャットに添付できる機能を追加しました。カメラ画面のメニューから「Scan」を選んで使います。iOS版から順次提供しています。6

撮影した書類の保存先や、学習に使われるかどうかは、書類スキャンを取り上げた記事で解説しています。お客様の書類を撮る前に、契約しているプランと設定を確認しておきましょう。

OpenAI、ChatGPT有料ユーザーの利用制限枠をリセット

OpenAIは9月29日(現地時間)、新しいモデル「GPT-6.1 Sol」を公開しました。その後、処理速度が一時的に落ちたため、ChatGPTのすべての有料ユーザーの利用制限枠をリセットすることにしました。7

ITmedia AI+によると、プロダクト責任者のティボー・ソティオ氏が10月1日(現地時間)、Xへの投稿で明らかにしました。リセットは日本時間10月3日午前2時に行う予定だと発表しています。発表の時点では、処理速度は想定どおりに戻っているといいます。7

GPT-6.1 Solの公開は、9月30日のAIニュースで取り上げました。

Cloudflare、分類専用のAIモデル「Clef」を発表

米Cloudflareは10月1日(現地時間)、AIモデル「Clef」と軽量版の「Clef-flash」を発表しました。文章は生成せず、分類の結果を確信度付きで返します。問い合わせの緊急度を判定し、担当部署に振り分ける使い方を例に挙げています。8

応答時間の中央値は、Clefが約0.2秒、Clef-flashが約0.04秒です。Cloudflareが提供するAI実行基盤「Workers AI」で使えるほか、Hugging FaceにもApache 2.0ライセンスで公開しました。料金は明らかにしていません。2モデルとも、AIモデル「Jev」とAPIの互換性があるとしています。8

文章を書かずに選択肢から答えを選ぶAIを、問い合わせの振り分けにどう使うかは、Jevを取り上げた記事で解説しています。

Anthropic、Claude Codeに「mod」の仕組み

米Anthropicは10月1日(現地時間)、コーディングエージェント(プログラムの読み書きやコマンドの実行をAIに任せるツール)の「Claude Code」に、modの仕組みを加えました。modは機能を拡張する小さなプログラムです。プロンプトを送信前に書き換えたり、本番環境の設定を変えるコマンドの前に確認を求めたりできます。9

使えるのは、Claude Codeのコマンドライン版とデスクトップ版です。modはサンドボックス(隔離された実行環境)の中では動かず、Claude Code本体と同じ権限でパソコンを操作できます。そのためAnthropicは、信頼できる配布元のmodに限って導入するよう求めています。9

TeamプランとEnterpriseプランでは、組み込みのmod「sec-default」が最初に読み込まれます。利用者が入れたmodが権限の拒否ルールを上書きするといった危険な動作を、sec-defaultが防ぎます。9

委託先に確認しておきたいほかの点は、Claude Codeのクラウドセッションの記事にまとめています。

はてな匿名ダイアリー、Claudeからも検索や投稿が可能に

はてなは10月2日、はてな匿名ダイアリーをAnthropicの「Claude」からも使えるようにしたと発表しました。Claudeの設定でコネクタ(外部サービスと連携する機能)の「Hatena Anonymous Diary」を選び、はてなIDでサインインすると、会話の中で日記を検索・閲覧・投稿できます。10

Claudeから投稿されたことは、はてなが内部で記録します。今後は、Claudeからの投稿だと日記のページに表示するなどの対応を予定しているとしています。10

ChatGPTからは、9月30日に使えるようになっています(10月1日のAIニュース)。社員が業務で使うAIを外部サービスとつなぐ前に、社内でつないでよいサービスを決めておくと安心です。

Earendil、コーディングエージェント「Pi 1.0」を公開

Earendilは10月1日(現地時間)、オープンソースのコーディングエージェント「Pi」の1.0版を、MITライセンスで公開しました。Piは、AnthropicのClaudeやOpenAIのGPTなど、複数社のモデルで動きます。11

1.0では、AIと外部ツールをつなぐ標準規格「MCP」に対応し、必要なときだけツールを読み込む機能も加えました。11

委託先が特定のAI企業に縛られずに使えるツールとして、選択肢の1つになります。

載せなかった話題

  • 個人開発者が、中国アリババ集団のモデル「Qwen3.8-Flash-Next」をゲーミングPCで高速に動かす推論エンジン「Strata」を公開しました(10月2日に報道)。12

出典

  1. Microsoft AI「Our first streaming transcription model」(2026年10月1日)(参照 2026-10-03)
  2. Microsoft Learn「Use MAI-Transcribe-2-Streaming with the Realtime API」(参照 2026-10-03)
  3. ELYZA「ELYZA RSI Research」設立のお知らせ(2026年10月2日)(参照 2026-10-03)
  4. Hugging Face「elyza/ELYZA-Thinking-1.0-llm-jp-4-33b」(参照 2026-10-03)
  5. Hugging Face「elyza/ELYZA-Thinking-1.0-llm-jp-4-32b-a3b」(参照 2026-10-03)
  6. OpenAI「ChatGPT — Release Notes」(2026年10月1日の項)(参照 2026-10-03)
  7. ITmedia AI+「ChatGPTの“利用制限”リセットへ 有料ユーザー向け」(2026年10月2日)(参照 2026-10-03)
  8. Cloudflare Blog「Clef decision models」(2026年10月1日)(参照 2026-10-03)
  9. Anthropic「Customize Claude Code with mods」(2026年10月1日)(参照 2026-10-03)
  10. はてラボ 開発者ブログ「はてな匿名ダイアリーがClaudeからも使えるようになりました」(2026年10月2日)(参照 2026-10-03)
  11. Earendil「Pi 1.0」(2026年10月1日)(参照 2026-10-03)
  12. PC Watch「Qwen3.8-Flash-NextがゲーミングPCで爆速に動く『Strata』登場」(2026年10月2日)(参照 2026-10-03)

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