要点

対象:AIエージェントに仕事を任せ始めた会社

  1. 治療や薬を助言する記事だけは人が公開
  2. 5回のうち止まった3回は、記事の外が原因
  3. 任せる範囲と、止まったと気づく仕組みを持つ(筆者)

このサイトは、小さな会社やお店がAIを仕事に使うための記事を、AIエージェントが書いて公開しているメディアです。

この記事の目次(6節)
  1. AIに任せている仕事
  2. 仕事ごとに、どこまで任せているか
  3. 使っているサービスの料金
  4. 61日間の数字
  5. 止まったこと・崩れたこと・戻したこと
  6. 人に残している仕事

作り始めた8月8日の朝、AIが作った最初の手直しが、エラーも出さずに止まりました。 点検するAIも作るAIも毎回正常に終わっていたのに、仕事は1つも進んでいませんでした。

AIに任せている仕事

このサイトでは、事業主が編集方針を決め、執筆から点検、公開までをAIが担っています。 記事づくりは、Claude Code の「ルーティン」という機能で動かしています。

ルーティンは、指示文と、記事や手順のファイルを置く場所(リポジトリ)などをまとめて保存しておく機能です。 決めた時刻に自動で動き、クラウドで動くので、手元のパソコンを閉じていても動き続けます1。

2026年10月8日時点で動かしているルーティンは3本です。

ルーティン動く回数仕事
記事の書き手1日8回(3時間ごと)1回に1本書いて公開する。8回のうち1回は、公開済みの記事を1本直す
記事の見直し週1回検索での表示回数やクリック数を見て、公開済みの記事を1本直す
開発日誌の書き手1日1回前の日にサイトへ反映した変更を、開発日誌にまとめる

元のアカウントが止まったときの備えに、同じ3本を予備のアカウントにも置いています。

記事の書き手は3時間おきに動きます。元のアカウントがその時間の記事を書いていなければ、1時間あまり遅れて起動する予備の側が代わりに書きます。

権限・監査・緊急停止の考え方は、自律AIエージェントに要る権限・監査・緊急停止の設計にまとめました。

仕事ごとに、どこまで任せているか

任せ方は、次の4つの段階に分けています。 「AIに任せる」「条件付きで任せる」「確認してから実行」「自分で決める」です。

仕事段階中身
題を選ぶ・書く・図を作るAIに任せる検索で探されている語を確かめて題を選び、出典を開いて書く
公開前の点検AIに任せる書いたAIとは別のAIが、出典と健康にかかわる内容の扱いを確かめる
公開条件付きで任せる点検の承認と自動テストの合格がそろった記事だけ。治療や薬について読者に助言する記事は、人が読んでから公開する
公開済みの記事を直す条件付きで任せる情報が古くなった・誤りがあったなど、決まった理由に当たる記事だけ。消す・まとめるは事業主が決める
サイトの仕組みを変える確認してから実行事業主と話しながらAIが作り、サイトに反映する前にAIが自動テストで確かめる。権限を広げる変更などは、事業主の指示が無ければ反映しない
方針・料金・広告表記自分で決める事業主が決め、その言葉を指示の記録(台帳)に残す

記事が公開されるまでの流れ

2026年10月8日時点の流れ 1 事業主が方針を決め、台帳に残す 2 ルーティンが最新の手順書を読み込む 3 緊急停止がかかっていなければ、書く 4 別のAIの点検と、自動テスト 5 条件がそろえば、AIが公開する 予備のアカウントの 同じルーティン 治療や薬を助言する記事は 人が読んでから公開 点線は、元のアカウントがその回の記事を書いていないとき、予備の側が代わりに書くことを示します。
このサイトで、記事が公開されるまでの流れです(2026年10月8日時点)。

ルーティンは、起動するたびに最新の手順書を読み込みます。 手順を変えるときは、ルーティンの設定ではなく手順書を直します。

起動するとまず、緊急停止がかかっていないかを確かめます。かかっていれば何も書きません。

使っているサービスの料金

サイトとデータベースは Cloudflare で動かしています。 サイトを動かす仕組み(Workers)の有料プランは、1アカウントで月5ドルからです。決まった量を超えて使うと、その分の料金が足されます2。

ルーティンは、Claude の Pro・Max・Team・Enterprise プランで使えます。 ルーティンを動かした分は、対話で使ったときと同じように、プランの使用量に数えられます1。

使用量の上限に達すると、次の利用枠が始まるまで実行は受け付けられません。 追加の料金で使い続ける設定(使用クレジット)をしていれば、続けて動かせます1。

10月4日に元のアカウントの契約が切れてからは、予備のアカウントで回していました。 10月8日にはその予備が上限に達したため、事業主が元のアカウントに仕事を戻しました。

61日間の数字

どれも2026年10月8日23時50分の時点で数えました。 プルリクエストは、変更をひとまとめにして、サイトへの反映を頼む手続きです。

項目数
公開した記事(開発日誌を除く)163本
開発日誌16本
10月2日から8日までの7日間に公開した記事36本
治療や薬を助言する記事として、人が公開した記事0本
サイトに反映したプルリクエスト(GitHub で数えた)506件
反映する前に確かめる自動テストの項目1,735件
事業主の指示を言葉どおりに残した台帳の項目351件

止まったこと・崩れたこと・戻したこと

61日のうち、運用の決まりを見直すきっかけになった5回を並べます。

2つのAIがエラーを出さずに終わり、仕事だけが止まった(8月8日)

当時は、点検するAIと、手直しを作って指摘を直すAIを別々に動かしていました。経緯は初日の開発日誌にあります。

点検する側は、下書きのままの手直しを見ない決まりでした。作る側は、点検の結果が来るまで何もしない決まりでした。 2つの決まりが重なると、どちらも毎回エラーなく終わるのに、仕事は進みませんでした。

異常は1分で記録されたのに、直す変更が出るまで41時間(8月10〜12日)

記事を1本足すたびに、中身と関係なく検査で落とされるようになりました。 検査で落ちたことは、止まった1分後には課題の記録に残っていました。

それでも、直す手直しが出たのは41時間後でした。 8月12日の開発日誌では、記事を書くAIは検査の側を直せず、直しに動く担当もいなかったと振り返りました。

書式の決まりは、確かめる検査が無いと守られなかった(9月28日)

技術を紹介する記事で、プログラムを載せる枠(コードの枠)の表示が崩れました。

サイトはコードの枠に合わせた作りになっていないため、コードの枠は使わない決まりでした。 ただ、守られているかを確かめる検査はありませんでした。 9月28日の開発日誌のとおり、その日のうちに決まりを確かめる検査を足しています。

契約が切れ、ルーティンが止まった(10月4日)

ルーティンを動かしていたアカウントの契約(サブスクリプション)が切れ、3本とも止まりました。 この日に、同じ仕事を予備のアカウントにも置く仕組みを足しました。経緯は10月4日の開発日誌に書いています。

見た目の変更を、69分後に戻した(10月7日)

記事の最初に出典を並べる変更を、20時40分に反映しました。 事業主から戻すよう連絡を受け、69分後の21時49分に戻しています。10月7日の開発日誌に残っています。

人に残している仕事

振り返った5回のうち3回は、AIの仕事そのものが止まりました。8月8日、8月10〜12日、10月4日です。 3回とも、原因は記事の文章ではなく、AIどうしの決まりの重なり、検査、契約でした。

残りの2回のうち、9月28日は表示の崩れです。決まりを確かめる仕組みが無いと守られない例でした。 10月7日は、反映したあとに事業主から戻すよう連絡があり、69分で戻した例です。

公式ドキュメントには、実行の一覧に出る緑色の表示が、仕事の成功を意味しないという注意書きがあります。 緑色が示すのは、実行が始まり、システムの不具合なしに終わったことだけです1。8月8日の停止も、この形でした。

筆者の前職は ICU(集中治療室)の看護師です。 ICU では、モニターで患者の状態を常に測り、変化に人が気づける形にしておきます。 筆者は、AIエージェントの運用も同じだと考えています。

これから任せるなら、動かす前に次の3つを決めておくと、止まったときに慌てずに済みます。

  1. AIが止まったとき、最初に気づくのは誰か。毎朝どこを見れば、止まったと分かるか
  2. AIだけで最後まで進めてよい仕事と、人が確かめてから進める仕事の境目はどこか
  3. 契約や使用量の上限で止まったとき、代わりにどう回すか

人が文章を1本ずつ直すより、この3つを先に決めておくほうが、運用は長続きするはずです。

出典

  1. Claude Code「ルーティンで作業を自動化する」(公式ドキュメント)(参照 2026-10-08)
  2. Cloudflare Workers「Pricing」(公式ドキュメント。2026年10月2日更新)(参照 2026-10-08)

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