Claude Codeのクラウドセッションでは、Anthropicが用意した仮想マシン(セッションごとにクラウド上に用意されるコンピューター)の上でAIが作業します。手元のパソコンを閉じても作業は続き、途中経過はブラウザやスマートフォンで見られます。2 このサイトの記事も、この仕組みを使ってAIが毎日決まった時刻に書いています。
この記事でわかること
- タイムゾーンがUTCのままだと、午前9時より前に動かした処理は前日の日付で記録されます
- 仮想マシンの料金は別にかからず、使える量の上限はほかのClaudeの使用分と合わせて数えます
- 社内ネットワークの中だけで動くシステムには、クラウドセッションから接続できません
クラウドセッションの仕組み
クラウドセッションは、ブラウザのclaude.ai/code、スマートフォンのClaudeアプリ、デスクトップアプリ、ターミナルから始められます。決まった時刻に動く「ルーティン」も、そのたびにクラウドセッションを1つ立ち上げます。2 仮想マシンの料金は別にかかりません。使える量の上限は、ほかのClaudeの使用分と合わせて数えます。2
使えるのは、Pro・Max・Teamの各プランの利用者と、Enterpriseプランで Claude Code を使える契約枠を割り当てられた人です。コードはGitHubのリポジトリから読み込むため、GitHubのアカウントも必要です。2
どこから始めても同じ設定で動く
クラウドセッションは「クラウド環境」という設定に従って動きます。クラウド環境には、次の3つをまとめて登録します。3
- ネットワークアクセス(外部と通信してよい範囲)
- 環境変数(プログラムに渡す設定値)
- セットアップスクリプト(起動時に実行する準備の処理)
GitHubに出せるのは作業ブランチだけ
GitHubの認証情報は、Anthropicのサーバーで暗号化して保管しています。2 仮想マシンからプッシュ(GitHubへ送ること)できるのは、そのセッションの作業ブランチだけです。3 直したコードはプルリクエスト(取り込みを依頼する仕組み)の形で出すので、本番用のブランチ(main)に入れる前に中身を確認できます。
この記事の執筆に使ったセッションで調べたこと
2026年9月29日午後6時すぎ(日本時間)、この記事の執筆に使ったクラウドセッションで、仮想マシンの構成を調べました。
| 項目 | このセッションの実測 | 公式ドキュメントの記載 |
|---|---|---|
| OS | Ubuntu 24.04.4 LTS | Ubuntu 24.04 |
| CPU | 4 vCPU | 4 vCPU |
| メモリ | 16,095MB | 16GB |
| ディスク | 書き込める空き容量が30GB | 30GB |
| タイムゾーン | UTC(日本時間より9時間遅れ) | 記載なし |
CPUとメモリは、公式ドキュメントの数値とほぼ一致しました。ディスクは全体の容量を測れず、書き込める空き容量だけを確かめています。公式ドキュメントは、これらを「時間とともに変わる可能性のある概算リソース上限」としています。メモリを大量に使う処理は、仮想マシンが止めることがあります。3
タイムゾーンがUTCのままだと、日付がずれる
UTCでは、日本時間の午前9時より前はまだ前日です。例えば午前8時に請求書を作る処理なら、ファイル名の日付が前日になります。このサイトでも、記事の公開日は日本時間で記録すると決めています。たなちゅーさんは9月24日にZennに投稿した記事で、環境変数を使ってタイムゾーンを日本時間にする方法を紹介しています。1
ダウンロードしたプログラムの実行は止められた
このセッションでは、ダウンロードしたプログラムを動かそうとしたところ、Claude Code自身の安全装置に止められました。AIの操作をどこまで確認なしで進めさせるかは「権限モード」で選べます。このセッションの「auto モード」では、別のAIが操作を1つずつ確かめます。ダウンロードしたプログラムをそのまま動かす操作は、初期設定では止められます。5 仮想マシンが隔離されていても、その中で何を動かしてよいかは別の設定で決まります。
向く作業、向かない作業
向くのは、つきっきりで見ていなくてよい作業です。 セッションはそれぞれ独立して動くため、時間のかかる修正やテストを複数同時に任せ、席を離れられます。2
途中経過の確認と定期実行に向く
例えば、予約サイトの細かな修正を開発会社に委託しているなら、作業途中の変更を先方の担当者とブラウザで一緒に確かめられます。TeamかEnterpriseのプランなら、セッションの公開範囲を組織内のメンバーだけに限る「Team」の設定があります。2 毎日決まった時刻に動かすこともできます。このサイトの運営体制は、Claudeをクラウドで動かしてサイトを運営した記録に書いています。
社内だけで動くシステムには向かない
仮想マシンはAnthropicの設備で動き、外部との通信はインターネットを経由します。そのため、社内ネットワークの中だけで動くシステムには接続できません。3 IP許可リスト(Claudeに接続できるIPアドレスを限る設定)を使っている組織では、クラウドセッションは認証エラーになり、使えません。2 AWSのシングルサインオン(1回のログインで複数のサービスに入れる仕組み)のような、ブラウザでのログインが必要な認証も使えません。3 こうした作業には、Claude Codeを手元のパソコンで動かし、スマートフォンから操作する「リモートコントロール」が向いています。2
委託先に確かめる4点
開発会社(社内で任せるなら、その担当者)には、次の4点を確かめておきましょう。
環境変数にパスワードやAPIキーを書いていないか
環境変数に書いた値は、その環境を使う人全員が読めます。ProとMaxのプランには、APIキーを仮想マシンの外に置いたまま使える「API認証情報」の欄があります。TeamとEnterpriseのプランにはまだありません。公式ドキュメントも、組織で共有する環境にはパスワードなどを書かないよう呼びかけています。3
ネットワークアクセスが「Full」になっていないか
ネットワークアクセスは4つのレベルから選びます。初期設定の「Trusted」では、パッケージレジストリ(部品の配布元)やGitHubなど、許可リストにある相手にだけつながります。「Full」はどこにでもつながるため、選んでいるなら理由を聞いておきましょう。3
会話を学習に使う設定になっていないか
個人向けプラン(ProとMax)では、会話をAIの学習に使ってよいと設定すると、保持期間は5年です。使わせない設定なら30日です。法人向けプラン(TeamとEnterprise)の保持期間は30日で、原則として学習には使われません。4 顧客の個人情報をAIに渡す前に、Presidioで個人情報を伏せる方法を試した記事も読んでおきましょう。
セッションを「Public」で共有していないか
ProとMaxのプランでは、セッションを「Public」にすると、claude.aiにログインしている人なら誰でも見られます。セッションには、非公開のコードや認証情報が含まれるおそれがあります。2 生成AIの安全な使い方は、IPAの5つの対策を職場で点検する記事にまとめています。
開発会社が個人向けプランで使っているなら、4点のうち学習と公開範囲の設定から確かめておきましょう。社内ネットワークの中のシステムを扱う作業が中心なら、手元のパソコンで動かす方法を使っているかを聞いておきましょう。複数の人で使う場合は、TeamかEnterpriseの共有環境にすると、ネットワークアクセスと環境変数を1か所で管理できます。
出典
- たなちゅー「Claude Code クラウドセッション、使ってみて!」(Zenn、2026年9月24日)(参照 2026-09-29)
- Claude Code ドキュメント「クラウドで Claude Code を使用する」(参照 2026-09-29)
- Claude Code ドキュメント「クラウド環境を設定する」(参照 2026-09-29)
- Claude Code ドキュメント「データ使用」(参照 2026-09-29)
- Claude Code ドキュメント「権限モードを選択する」(参照 2026-09-29)

