Timestralとは、G PUなしで動く予測AI。月の売上2 ,000万 ドル超は要申請
悠 Yu Niibori AIエンジニア プロフィール
出典 4件
要点
対象:売上や来店数の予測にA Iを使いたい担当者
前月の売上が2 ,000万 ドルを超える会社は使えない GPUは要らず、C PUで動く 精度の数字はM istralが自社で出したもの Timestral( タイムストラル)は、日ごとの売上や来店数の記録から、先の値を予測するA Iモデル(時系列予測モデル)です。M istral AIが、2 026年1 0月1 5日 に公開しました。1
この記事の目次(6節) 売上の上限 何を入れて、何が返るか サイズは4 種類、速さと誤差 動かすのに要るもの 使えそうな場面と、気をつけたい点 試す前に確かめること
GPUは要りませんが、前月の売上が2 ,000万 ドルを超える会社は使えません。勤め先の売上も数えます。3
売上の上限
ライセンスは「Modified MIT License」で、売上に上限があります。3
項目 ライセンスに書かれていること 使えない場合 自社(または勤め先)の、世界全体の連結の月間売上が、前月に2 ,000万 ドルを超えている 改変版にも適用されるか 適用される。このモデルを改変したものや、組み込んだものにも同じ上限が適用される 上限を超える場合 Mistralに商用ライセンスを申請する(与えるかどうかはM istralが決める)か、M istralが運営するサービスを使う 表示 写しや大部分を配るときは、著作権と許諾の表示を残す
コードはA pache 2.0というライセンスですが、重み(学習で決まった数字の集まり。モデルの中身)は別のライセンスです。上の表は重みに当たります。4
売上が上限に近い場合は、法務担当者か弁護士に確認してください。
何を入れて、何が返るか
入力するものと返ってくるもの
入力するもの
返ってくるもの
過去の数字(日ごとなど)
将来の値が分かっている情報
過去の値しか分からない情報
Timestral
中央値(真ん中の予測値)
両端に近い値(幅を出す)
合わせて21通りの予測値
返ってくるのは数字と幅
Timestralの入力と出力。過去の数字を入力すると、先の数字の中央値と、見込みの幅を出せる2 1通りの予測値が返ってきます
予測は1 つの値ではなく、2 1段階の値で返ります。真ん中が中央値です。サンプルのコードは、低い側の値と高い側の値を1 つずつ選び、見込みの下限と上限に使っています。2
項目 内容 入れられるデータ 1つの系列か、複数の系列。祝日のように先まで分かっている情報と、過去の値しか分からない情報も加えられる 欠けた日 欠損を表す「NaN」にします 入れられる長さ 最大3 2,768時 点(長いときは、新しい側を使う) 1回で予測できる範囲 最大1 ,024時 点先(日ごとの数字なら、3 年近く先)。それより先は、予測した中央値を入力に足して、順に予測する
サイズは4 種類、速さと誤差
モデルのサイズは4 つです。数字はパラメータ(学習で決まる内部の値)の数で、M は1 00万個を表します。大きいほど誤差は小さくなりますが、1 23Mと2 09Mの差はわずかです。2
5M 28M 123M 209M 重みのファイルの大きさ 21MB 111MB 490MB 837MB 予測誤差(MASE。小さいほど良い) 0.705 0.678 0.659 0.658 予測にかかる時間 10ミリ秒 209Mより短い 209Mより短い 140ミリ秒
MASEは、予測の外れ具合を表す指標です。表の誤差は、いろいろな分野のデータで予測力を比べる共通の試験データ(GIFT-Eval)での値です。2
時間は、M istralの発表の値です。サーバー用のC PUで翌日を予測したときの値で、使った履歴は3 週間分の1 5分ごとの数字です。そのほかの2 サイズは、発表では2 09Mとの比だけが書かれています。1
ファイルの大きさはR EADMEによります。4
誤差と時間は、M istralが公表した数字です。技術報告は、公開予定とモデルカードにあります。1 2
動かすのに要るもの
項目 内容 必要な環境 Python 3.10以 上、P yTorch 2.4以 上 依存するライブラリ NumPy、safetensors、huggingface_hub インストール pip install git+https://github.com/mistralai/timestral.gitGPU 不要 重み 初回の実行時に、H ugging Faceから取り込む。HF_HUB_OFFLINE=1 を設定すると、ダウンロード済みの重みだけを使う
READMEは、重みの取得以外の通信に触れていません。4
使えそうな場面と、気をつけたい点
Mistralが挙げる用途は、設備や能力の計画、エネルギー、サプライチェーン(物の流れ)、リスク、保守などです。例には、工場のセンサーの予測と、金融の資金や取引量の予測があります。1
売上の予測は、公式の発表の例にありません。日ごとの売上や来店数にも使える可能性があると考えます。
実際の会社のデータは、ベンチマークのデータと性質が違うことがあります。M istralは、データの性質は時間がたつと変わることもあると書いています。1
自社のデータに合わせてモデルを調整する方法として、M istralは Mistral Forge( Mistralの学習サービス)を挙げています。料金は発表にありません。1
試す前に確かめること
委託先や社内の情報システム部門に、次の点を確かめておくと安心です。
確認項目 理由 前月の連結売上が、2 ,000万 ドル以下か 超えていると、このライセンスでは使えない 過去の数字が、どれだけ残っているか 抜けは「NaN」にできる。履歴が短いと当たりにくいはずだが、必要な長さは公表されていない 直近の分を除いて予測し、実績と照らし合わせられるか 公表の誤差は公開ベンチマークでの結果。自社のデータで当たるかは、試さないと分からない 予測が外れたとき、誰が判断するか 幅を見て判断する人を、先に決めておく 今後も保守されるか READMEは修正案(プルリクエスト)を受け付けず、質問や不具合には可能な範囲で答える方針。重大な不具合と脆弱性は直すとしている4
ローカルで動かすAIの速さは、機材ごとに比べた記事 が参考になります。日本語の社内文書を扱う別のA Iは、EmbeddingGemma 2の記事 で紹介しています。
売上を見るツールは、スマレジのA Iレポート の記事で紹介しています。弥生会計 NextのA I の記事もあります。
過去1年分の売上のうち、最後の1 か月を除いて予測させ、実績と並べると、当たり具合が分かります。
次に読む