Claude Mythos 5が量子回路を設計、正しいかは評価プログラムが毎回判定
悠 Yu Niibori AIエンジニア プロフィール
出典 4件
要点
対象:AIに長い作業を任せたい職場
楕円曲線の計算でゲート数が1 7分の1 8種類の課題で最良の回路を上回る 任せる前に、答えの確かめ方を作る AIの「Claude Mythos 5」が量子コンピュータの回路を設計し、これまでに公表された最良の回路を上回りました。A nthropicが1 0月16日に発表しました。1
この記事の目次(4節) ゲート数は最大で1 7分の1 に 人・C laude・評価プログラムの役割 気をつけたい点 仕事でA Iに長く任せるときに要るもの
楕円曲線の点の足し算の回路では、ゲート数が1 7分の1 になりました。この課題で人が渡した指示は1 段落ほどで、C laudeは5 3時間続けて作業しました。1
ゲート数は最大で1 7分の1 に
量子ビットは、量子コンピュータが情報を持つ最小の単位です。その量子ビットに、ゲートと呼ばれる簡単な操作を順に加えて計算します。どちらも少ないほど計算が軽くなり、実用化が早まるかもしれません。1
課題は、化学・最適化・数論など8 種類です。発表では、このうち2つを詳しく説明しています。1
回路 比べた相手 結果 楕円曲線の点の足し算 量子ビット数が最も少なかった従来の設計 ゲート数は1 7分の1 、量子ビット数は1 2%増 最適化の問題を解く方法(DQI)の復号の部分 Googleが以前に発表した設計 ゲート数は約12分の1
楕円曲線の回路は、量子ビット数が従来の設計より1 2%多 くなった代わりに、ゲート数を大きく減らしました。表のD QIを含む残りの7 つの課題では、ゲート数と量子ビット数がどちらも大きく減りました。2
人・C laude・評価プログラムの役割
分担
01
02
人(研究者)
Claude
評価プログラム
求めることを
ふつうの言葉で渡す
回路をPythonで書き、
点数を見て直す
正しく計算するかを判定し、
採点して返す
往復をくり返す(楕円曲線の課題で53時間)
1回ごとに人は口を挟まない
ときどき
探す範囲を広げるよう促す
この研究で人・C laude・評価プログラムが受け持ったことです。人は最初に指示を渡し、ときどき探す範囲を広げるよう促しました。C laudeが回路を直すたびに、評価プログラムが判定して採点しました。
担い手 したこと 人(研究者) 回路に求めることを文章で書いて渡した。いくつかのやり方を並行して試すことも、最初の指示に入れた Claude 回路をP ythonで書き、点数を見ては直す作業をくり返した 評価プログラム 回路が正しく計算するかを判定し、量子ビット数とゲート数を掛けた値で採点した
Claudeが直しては採点を受ける間、人が1 回ごとに口を挟むことはありませんでした。最初の指示のほかには、ときどき探す範囲を広げるよう促した程度です。1
簡単な規則が大きな数で崩れ、数学から組み直した
楕円曲線の回路で、C laudeが最初に試した簡単な規則は、小さな数ではうまくいきました。ところが、実際に使う大きな数では外れました。1
そこでC laudeは、新しい等式をいくつか証明して、そこから規則を導きました。その規則を大規模な計算で試し、最後にL ean( 証明が正しいかを機械で確かめる言語)で書き表しました。1
初期の実験では、C laudeは慎重すぎる傾向があり、よくなったように見える結果を何度も確かめ直しました。よく知られたやり方に流れやすかったため、研究者は別のやり方も並べて試させ、ときどき促しました。1
気をつけたい点
論文は1 0月15日に論文の公開サイトa rXivに出たもので、査読はまだ受けていません。2
回路を小さくしても、量子コンピュータをすぐ実用化できるわけではありません。計算中の誤りを直す仕組みや、機械の制御も要ります。1
Claude Mythos 5は、A nthropicの審査を通った組織しか使えません。仕様と料金は、一般に使えるC laude Fable 5と同じです。3
仕事でA Iに長く任せるときに要るもの
今回の回路の計算は、入力ごとに答えが1 つに決まり、ふつうのコンピュータで正しいかを判定できます。研究チームは、C laudeにこの課題が向く理由の1 つにこの点を挙げています。1
評価プログラムが毎回判定したから、C laudeは5 3時 間続けられたとみています。仕事でも、結果を機械で照らし合わせられる作業ほど、A Iに長く任せやすいはずです。
たとえば、請求書の合計が明細と合うか、表の行数が元のデータと同じかは、プログラムで照らし合わせられます。そうした仕組みを作れない作業は、どこで人が見るかを先に決めておくとよいでしょう。
人がどこまで確認するかの考え方は、AIに書かせた下書きを人がどこまで確認するか で取り上げました。A Iどうしで点検させるときの注意は、AIにレビューさせるときに確かめること にあります。
AnthropicのC laude Codeチ ームは、AIが出したレビューの承認を人の承認に数えていません 。
このサイトも、記事の公開をA Iに任せています。運用の記録 では、任せる範囲を決め、A Iが止まったと気づける仕組みを持つことが大事だと書きました。
AIに任せたい作業を1 つ選び、その結果をどう確かめるかを1 行で書いてみてください。
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