要点

対象:従業員を雇い、Claudeを試し始めた事務の人

  1. 虐待の禁止は極端な場合だけ
  2. シフトや給与の判断は人が確かめる
  3. 社内の下書きは人の確認の対象外

Claudeを作る米Anthropicは10月8日、Claudeの利用ポリシー(使うときに守る決まり)を改定し、11月12日から適用すると発表しました。1

この記事の目次(5節)
  1. 虐待の禁止は何を指すか
  2. 利用ポリシーが適用される人
  3. 採用やシフトをAIの案をもとに決めるとき
  4. お客さま向けのチャットボットと口コミ
  5. 当てはまるかを確かめる2点

翌9日、IT系のニュースサイトのASCII.jpがClaudeへの虐待の禁止を報じ、話題になりました。3

11月11日までは、いまの版が適用されます。筆者がいまの版と改定版を読み比べると、会社の仕事で関わる決まりは、ほとんどがいまの版にもありました。変わったのは主に書き方で、新しい禁止事項も1つ加わりました。15

虐待の禁止は何を指すか

改定版は、Claudeに対して、理由もなくひどい扱いをしつこく続けることを禁止事項に加えました。12

これは極端な場合に限って当てはめる項目です。ふつうの不満や反論、暗い題材の創作、モデルの検証や研究は対象外です。1

回答が期待外れで、強い口調で頼み直す程度なら、この項目には当たらないとみられます。

Claude.aiと、開発者向けのClaude Codeには、こうしたまれな会話をClaudeが打ち切る機能がすでにあります。この禁止事項に反した場合は、会話を打ち切ることが今後も主な対応になるとしています。13

利用ポリシーが適用される人

利用ポリシーは、Claude.aiを無料で使う個人を含め、Claudeのアプリを使う人だけでなく、自社のシステムにClaudeを組み込む会社や、そのサービスを使う人にも適用されます。2

違反が疑われると、Anthropicは警告したり、利用を制限・停止したりすることがあります。2

採用やシフトをAIの案をもとに決めるとき

雇用は「高リスク」の分野の1つ

改定版は、人の健康や権利、お金、暮らしに関わる11の分野を「高リスク」としています。法律・医療・金融・保険・住宅・雇用・教育などです。2

雇用の分野で挙がっているのは、次のような判断です。2

場面改定版に挙がっている判断
採用応募者の選考や順位付け、次の選考に進めるか、採用・不採用
勤務シフト・勤務時間・給与の決定や変更
処遇昇進・降格、仕事ぶりや勤務態度の評価、懲戒・出勤停止・解雇

いまの版も、雇用の分野に採用の可否や書類選考を挙げ、そのほかは雇用に関する判断とひとまとめにしています。シフトや給与は挙がっていません。5

改定版では、アルバイトのシフトや時給を決めるのにAIの案を使う場合も、対象になると考えられます。

人が確かめ、本人に伝える

こうした判断にAIの案を使うなら、その判断に必要な知識や経験があり、案を直せる立場の人が、中身を確かめてから決める必要があります。確かめた人は、伝えた内容や決めた内容に責任を負います。2

AIの案をもとにした助言や判断を受ける人には、AIを使ったことをはっきり伝える必要があります。Claudeの名前まで出す必要はありません。伝え方(紙か口頭か)までは、ポリシーには書かれていません。2

Anthropicは、この2つの要件は変えておらず、どの使い方が対象になるかを分かりやすく書き直したと説明しています。1

社内の下書きは対象外

改定版では、対象にならない使い方の例も示しています。最終的に本人へ示す案でなければ、社内の下書きや調べもの、要約、分析は対象外です。人がすでに決めたことを実行するだけの使い方も外れます。2

店長がAIの案を直して決めたシフトが、この下書きに当たるかどうかは、ポリシーの文面からははっきりしません。

筆者なら、AIの案に自分で目を通して直してから決め、従業員にはAIで下書きしたと伝えます。下書きと見なされても、そうでなくても、問題になりにくいためです。

お客さま向けのチャットボットと口コミ

チャットボットはAIだと示す

お客さまと直接やり取りするチャットボットは、相手にAIだと伝える必要があります。いまの版も、会話のたびに冒頭で伝えるよう求めています。25

改定版は、製品の画面に表示しておくやり方でもよいとしました。ここでもClaudeの名前は要りません。25

偽の口コミは前から禁止

偽の口コミや、人のふりをするボットは、いまの版でも禁止です。改定版は、ばらばらだった決まりを、サクラの投稿やなりすましのように人をだます工作を禁じる1つの項目にまとめました。125

日本では2023年10月1日から、広告であることを隠した広告(ステルスマーケティング)が景品表示法違反になりました。4

AIに書かせた文を、お客さまのふりをして自分の店の口コミとして投稿すれば、景品表示法違反と、Claudeの利用ポリシー違反の両方に当たるおそれがあります。

当てはまるかを確かめる2点

Claudeに頼んでいる仕事を書き出し、次の2点に当てはまるかを確かめてください。お客さまとのやり取りに使っているかどうかと、採用・シフト・給与の判断にAIの案を使っているかどうかです。

どちらにも当たらなければ、ふだんの使い方を変える必要はなさそうです。

国の指針がAIを使う会社に示していることは、AI事業者ガイドラインの記事にまとめました。

AIの回答の確かめ方は過信と不信の記事で取り上げました。AIが相手へ送る知らせはAI秘書の記事にあります。

当てはまる仕事があれば、AIの案が人の目を通らないまま、従業員やお客さまに届いていないかを見てみてください。

出典

  1. Anthropic「2026 Usage Policy update」(2026年10月8日)(参照 2026-10-09)
  2. Anthropic「Usage Policy」(2026年11月12日から適用される版)(参照 2026-10-09)
  3. ASCII.jp「「AIをいじめないで」Anthropic、Claudeへの虐待を禁止」(2026年10月9日)(参照 2026-10-09)
  4. 消費者庁「ステルスマーケティングに関する景品表示法の規制」(参照 2026-10-09)
  5. Anthropic「Usage Policy」(2025年9月15日から適用されている、いまの版)(参照 2026-10-09)

任せる

AI秘書に任せる

問い合わせの受付から請求書の作成までの業務を、AIで自動化します。

できることを見る 相談する(初回無料・30分)