BayerのA Iエ ージェント、分析基盤への質問の約8割をエンジニアを介さず解決
悠 Yu Niibori AIエンジニア プロフィール
出典 3件
要点
対象:社内のシステムへの質問をA Iに任せたい担当者
約8割をエンジニアを介さず解決 失敗の調査は1 時間超から1 0分未満に ツールの権限は読み取り専用 BayerのA Iエ ージェント(頼まれた作業を自分で進めるA I)は、社内のデータ分析基盤について社員が出す質問の約8割に、エンジニアを介さずに答えています。導入の第1段階での数字です。1
この記事の目次(7節) 困っていたのは、結果を読み解くこと 振り分け役のA Iが、2 2の専門エージェントに質問を回す 失敗が「成功」と数えられていた 担当の範囲にしか触れない 約8割をエンジニアを介さずに解決 ブログが触れていないこと 任せる範囲を、調べて答えるところまでに絞った
Bayer( バイエル)の農業部門、B ayer Crop Science の事例です。B ayerとA WSの担当者が共同で書いた記事を、A WSが1 0月23日に自社のブログに載せました。A WSは、この仕組みが使っているサービスを売る会社です。1
困っていたのは、結果を読み解くこと
この部門では、作物の品種改良(育種)のために、機械学習モデルを数百通りの設定で動かしています。利用者が増えると、モデルを動かすことよりも、出てきた結果がなぜそうなったかを調べることに手間がかかるようになりました。1
分析の処理(ワークフロー)が失敗した理由を調べるには、ログやダッシュボードなど、どのシステムを見ればよいかを利用者が自分で分かっていなければなりませんでした。そこでB ayerは、ふだんの言葉で質問できるA Iの窓口を作りました。1
振り分け役のA Iが、2 2の専門エージェントに質問を回す
種類 役割 振り分け役のA I 質問の中身を見分けて、合う専門エージェントに回す。分野をまたぐ質問は、答えをまとめる 22の専門エージェント 担当のシステムから情報を引き、答えを返す。たとえば調査の係はログを読み、図の係はグラフを作る
Bayerの農業部門:分析基盤についての質問に答える流れ(出典:AWSのブログ)
利用者
ふだんの言葉で質問
振り分け役のAI
質問の中身を見分けて
合う専門エージェントに回す
22の専門エージェント
権限は読み取り専用
ワークフローは書き換えない
エンジニアを介さずに解決した質問
約80%
失敗した理由の調査 1時間超 → 10分未満
振り分け役のA Iが質問に合う専門エージェントに回し、専門エージェントが担当のシステムから読み取って答えます。
たとえば、育種の担当者が「昨日の処理はなぜ失敗したのか」と聞いたとします。調査の係のエージェントがログと処理の状態を読み、どこで失敗したかを突き止めます。答えは、振り分け役のA Iを通して利用者に返ります。1
失敗が「成功」と数えられていた
運用を始める前の準備で、エージェントが作業に失敗していても、監視ツールには成功と記録されていたことが分かりました。アプリの中でエラーが受け止められ、ふつうの返事として返っていたためです。1
チームは、エージェントが失敗した回数を数えて、アラームで知らせる仕組みを足しました。ツールの呼び出しが失敗したときや、答えが決められた形で返ってこなかったときも数えます。1
担当の範囲にしか触れない
それぞれのエージェントには、担当の仕事に要る権限だけを渡しています。調査の係はログを読めますが、ワークフローを書き換えることはできません。1
ツールの権限は読み取り専用で、答えは社内のデータとログに基づいて作ります。社内への提供も、全社に一度に広げず、対象を絞って始めました。1
エージェントを動かす土台には、A WSの「Amazon Bedrock AgentCore」を使っています。A Iエ ージェントを本番環境で動かすためのサービスです。1 2
このサービスには、A Iが使えるツールやデータに権限を付けて絞る機能と、本番環境での動作を監視する機能があります。3
約8割をエンジニアを介さずに解決
以前は、利用者が自分でログを探し、エンジニアの手が空くのを待っていたため、失敗の調査に1時 間超かかっていました。1
項目 数値 エンジニアを介さずに解決した質問 約80%( 第1段階) 処理が失敗した理由の調査にかかる時間 1時間超から1 0分未満に 運用開始後の利用者 100人超
ブログが触れていないこと
約80%は、いつからいつまでの何件の質問で数えたか
エージェントの答えが間違っていたとき、利用者がどう気づくのか
仕組みを動かす費用の総額はいくらか(AIに渡す文章の量で決まる費用を、2 0〜30%減 らした工夫は書かれています)
任せる範囲を、調べて答えるところまでに絞った
読み取り専用なら、エージェントが答えを間違えても、処理そのものは壊れません。だから、エンジニアが1 件ずつ確かめなくても、エージェントに答えを返させられたと考えています。
計算の基盤をクラウドで提供するRescale も、毎晩のテストで出た失敗をA Iに振り分けさせ、直すのはエンジニアに任せています。
エージェントの権限の分け方は、自律型A Iエ ージェントを設計する記事 にまとめています。作業を後から確かめる記録の残し方は、監査ログの記事 にあります。
まずは、社内でよく聞かれる質問を1 つ選び、答えに要るログを読み取り専用の権限でA Iに渡せるかを、情報システムの担当者と確かめてください。
次に読む