kintoneの音声入力AI — iOSだけ・録音5分・1回5クレジット、導入前の確認表つき
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kintoneは2026年9月13日のアップデートで、iOSのモバイルアプリに「レコードの音声入力AI」を加えました。記録したい内容をまとめて話すと、AIが入力先のフィールドを判断して振り分けます。使うには管理者の有効化が要り、1回の利用で5クレジットを使います。公式ヘルプから、対応する12種のフィールド、録音5分の上限、上書きの注意、データの扱いを読み、導入前の確認表にまとめます。

目次
kintoneは2026年9月13日のアップデートで、iOSのモバイルアプリに「レコードの音声入力AI」を加えました1。 記録したい内容をまとめて話すと、AIが入力先のフィールドを選んで値を入れます。現場の点検記録や外出先の報告を、キーボードを使わずに残せます。この記事では公式ヘルプから、使う前に決めておく設定と注意点を読み、確認表にまとめます。
この記事でわかること
- 音声入力AIは、話した内容をAIが各フィールドへ振り分けて入れる機能です
- 対応はiOSのアプリだけで、管理者がPCから有効にするまで使えません
- 入力先になるのは文字列・数値・日付・ルックアップなど12種のフィールドです
- 録音は5分が上限で、編集で使うと既存の値が話した内容で上書きされます
- 1回の利用で5クレジットを使い、クレジットは全員で共有します
kintoneの音声入力AIとは
レコードの音声入力AIとは、話した内容をもとに、AIがレコードの各フィールドへ値を入れる機能です2。 ヘルプは特徴として、フィールドを1つずつ選ばず「思いついた順で自由に発話するだけ」で入力できる点を挙げています2。
何が変わるのか
キーボードの音声入力では、入れたい欄を選んでから話します。新しい機能では、AIが入力先のフィールドを判断し、フィールドの形式に合わせて内容を組み直して入れます2。そのため、「日付」「場所」「結果」を1回の発話で話せば、それぞれの欄に分かれて入ります。
想定されている場面
アップデートの告知は、外出先での商談報告や現場での点検記録を例に挙げています1。作業中や移動の合間に記録しやすくなる、というのがサイボウズの説明です1。紙のメモを事務所で打ち直している職場ほど、変わる部分が大きい機能です。
使い始めるまでの設定
音声入力AIは初期設定では無効で、kintoneのシステム管理者がPCから有効にしないと使えません1。 設定は1回で済みますが、契約のコースによっては使えない点に注意します。
使える契約
kintone AIの機能は、2026年6月14日の正式提供から、スタンダードコースとワイドコースで使えます7。個別の申し込みは不要です7。一方で、ライトコースと開発者ライセンスでは、kintone AIの機能を使えません4。
管理者が有効にする手順
有効にできるのは、kintoneのシステム管理者か、cybozu.com共通管理者です5。手順は次のとおりです5。
- 画面上部の歯車のアイコンから「kintoneシステム管理」を開く
- 「AI」の欄にある「kintone AI管理」を開く
- 「kintone AIを有効にする」にチェックを入れる
- 「AI機能一覧」で「レコードの音声入力AI」の「有効にする」にチェックを入れて保存する
3の全体の有効化を外すと、各機能にチェックが入っていても使えなくなります5。管理者の設定のほかに、利用者のiOSの端末でもアプリの更新1と、マイクと音声認識の許可が要ります3。
Androidはまだ使えない
2026年9月26日時点で、対応しているのはiOSのモバイルアプリだけです2。サイボウズは、Android版でも同様の機能の提供を「予定」としています1。社員のスマートフォンがAndroid中心なら、導入の判断はAndroid版の提供を待つ形になります。
入力先になるフィールドと、話し方の注意
音声入力AIの入力先になるのは12種のフィールドで、アプリにこの中のフィールドが1つも無ければ使えません3。 話し方の注意は、上限時間・中断・上書きの3つです。
対応する12種のフィールド
| 分類 | フィールド |
|---|---|
| 文字 | 文字列(1行)・文字列(複数行)・リンク |
| 数と日時 | 数値・日付・時刻・日時 |
| 選択 | ラジオボタン・チェックボックス・複数選択・ドロップダウン |
| 参照 | ルックアップ(振り分けのあとに「取得」をタップする) |
表の分類はこの記事の整理で、フィールド名はヘルプのとおりです3。ヘルプの一覧に添付ファイルは含まれていないので、写真は従来どおり手で添付します。点検項目を選択肢のフィールドで作っておくと、話した内容を当てはめる先がはっきりします。
録音は5分まで、途中で止まる操作がある
録音時間の上限は5分で、上限に達すると自動で止まり、そこまでの内容が振り分けられます3。ほかのアプリに切り替える、端末をロックする、電話に出る、のどれかをすると録音は中断します3。中断した内容はフィールドに入っていないので、もう一度録音を始めると最初からやり直しになります3。
編集で使うと、既存の値は上書きされる
既存のレコードの編集にも使えますが、話した内容でフィールドの値を上書きします3。ヘルプは、元の内容を残したいときは「既存の内容も含めて発話してください」としています3。さらに、意図したフィールドに入らない場合があるので、保存の前に振り分けを確かめるよう書いています3。
対応する言語
認識する言語は日本語と英語です3。どちらで認識するかは端末の設定の「優先する言語」に従い、キーボードと音声入力言語の追加も要ります3。
AIクレジットの使い方
音声入力AIは1回の利用で5クレジットを使い、クレジットは契約全体で共有します4。 検索AIやスレッド要約AIは1回10クレジットなので、ほかのAI機能と同じ枠を分け合う形です4。
月の上限はユーザー数で決まる
月ごとの上限は、スタンダードコースが「契約ユーザー数×500」、ワイドコースが「契約ユーザー数×1,000」です4。上限に達すると、その月はkintone AIの機能を使えません4。余った分は翌月に繰り越せず、追加購入のオプションは2026年11月18日から販売の予定です4。
月に何回使えるかの計算
たとえばスタンダードコースで10人の契約なら、月の上限は5,000クレジットです。音声入力AIだけに使うと、5,000÷5で月1,000回になります。検索AIを多く使う職場では、そのぶん回数が減ります。使用量は「kintoneシステム管理」の「AIクレジットの使用状況」で、機能ごとに確かめられます4。
声のデータはどこへ行くか
iOSの音声入力AIについて、ヘルプは「入力された音声は端末内で処理され、音声や発話内容が外部に送信されることはありません」と書いています3。 一方で、kintone AI全体のセキュリティの説明には、外部のAI基盤に送る機能の説明があります6。
kintone AI全体の説明
kintone AIは、AI基盤としてAmazon Bedrockを使い、現時点ではAnthropicのClaudeを使っていると説明しています6。質問の内容や回答の結果は、このAI基盤に送信されます6。そのうえで、入力データがAIモデルの学習に保存・利用されることはない、としています6。
社内で記録しておくこと
音声入力AIの扱いは、全体の説明とは別に専用のページに書かれています3。サイボウズは、使うAI基盤やモデルが今後変わる場合があるとも書いています6。社内の決まりに書くときは、ヘルプの記事番号と確認した日を一緒に残しておくと、あとで見直せます。AIの使い方全般の点検は、IPAが挙げる生成AIのセキュリティ対策が参考になります。
顧客や患者の情報を話すときの法律の線
顧客の名前や住所を話して記録するなら、個人情報保護法の線も確かめます。 個人情報保護委員会は2023年6月2日、生成AIサービスを使う事業者向けの注意点を示しました8。
利用目的の範囲に収まるか
注意喚起の1つ目は、個人情報を含む入力が「特定された当該個人情報の利用目的を達成するために必要な範囲内であることを十分に確認すること」です8。顧客に伝えている利用目的と、その記録の用途が合っているかを先に確かめます。記録の目的と関係のない情報まで話して残すのは避けます。
提供事業者の学習の扱い
2つ目は、本人の同意なく個人データを入力するなら、提供事業者が「機械学習に利用しないこと等を十分に確認すること」です8。kintone AIは学習に使わないと説明しているので、その文言を記録しておきます6。改正された個人情報保護法の施行の予定は、個人情報保護法の改正と施行の時期にまとめています。
導入前の確認表
音声入力AIを入れるかどうかは、契約・端末・アプリ・決まりの4つを確かめると判断できます。 下の表は、ヘルプの条件を確かめる行動に置き換えたものです。
kintone 音声入力AI 導入前の確認表
□ 契約はスタンダードコースかワイドコースか(ライトコースは対象外)
□ 記録する人の端末はiOS(iPhoneなど)か(Android版は提供予定の段階)
□ 記録するアプリに、対応する12種のフィールドがあるか
□ 写真は添付の手順を別に決めたか(添付ファイルは対象外)
□ 1回の記録が5分以内に話し終わる長さか
□ 編集では上書きになることを、記録する人に伝えたか
□ 顧客の情報を話すなら、利用目的の範囲内か
月の上限:契約ユーザー数__人 ×(500 または 1,000)=____クレジット
音声入力の見込み:1日__回 × 5クレジット × 月の稼働日__日 =____クレジット
確認した日:____ 確認した人:____
見込みが月の上限の半分を超えるなら、ほかのAI機能と取り合いになります。その場合は、使う人か使う場面を先に絞ります。最初の2週間は、振り分けを手で直した回数と、直した欄の種類を数えておくと、アプリのどこを変えるべきかが分かります。
よくある質問
Q. kintoneの音声入力AIはAndroidで使えますか。
A. 2026年9月26日時点では使えません。対応はiOSのモバイルアプリだけで、Android版は同様の機能の提供が予定されている段階です。
Q. 音声入力AIを使うのに追加料金はかかりますか。
A. スタンダードとワイドコースなら、毎月付与されるAIクレジットの範囲で使えます。1回の利用で5クレジットを使います。
Q. 録音の途中で電話が来たらどうなりますか。
A. 電話に出ると録音は中断し、内容はフィールドに入りません。着信を拒否した場合は、そこまでの内容が振り分けられます。
Q. 話した音声はサイボウズに送られますか。
A. iOSの音声入力AIのヘルプは、音声は端末内で処理され、音声や発話内容は外部に送信されないと説明しています。
Q. 既存のレコードに話して追記できますか。
A. 編集にも使えますが、話した内容で値が上書きされます。元の内容を残したいときは、既存の内容も含めて話します。
まとめ
- 音声入力AIは、話した内容をAIが12種のフィールドへ振り分けて入れる機能です
- 使うには、管理者の有効化・スタンダード以上の契約・iOSの端末の3つがそろう必要があります
- 録音は5分まで、編集では上書きになるので、保存前の確認を手順に入れます
- 1回5クレジットで、ほかのAI機能と月の枠を分け合います
まずは確認表を埋め、いま紙やメモで残している記録を1つ選んで試してください。
確認表で端末がAndroid中心だったなら、提供を待つあいだに記録のアプリの項目を整えておく段階です。記録の中身が点検や検査なら、製造現場の検査記録をAIで下書きする方法が次の参考になります。社内の決まりから作るなら、AI事業者ガイドラインの使う側の7項目から始めてください。
出典
- kintone ヘルプ「2026年9月版 主なアップデート」(参照 2026-09-26)
- kintone ヘルプ「レコードの音声入力AI」(参照 2026-09-26)
- kintone ヘルプ「iOSのモバイルアプリでレコードの音声入力AIを利用する」(参照 2026-09-26)
- kintone ヘルプ「AIクレジットについて」(参照 2026-09-26)
- kintone ヘルプ「kintone AIの有効化と利用する機能の選択」(参照 2026-09-26)
- kintone ヘルプ「セキュリティとプライバシーについて」(参照 2026-09-26)
- サイボウズ「kintone AI」正式提供のお知らせ(2026年4月22日)(参照 2026-09-26)
- 個人情報保護委員会「生成AIサービスの利用に関する注意喚起等」(令和5年6月2日)(参照 2026-09-26)