要点

対象:画像生成AIを仕事で使い始めた会社の担当者

  1. ノイズを約50回に分けて取り除く
  2. 文章を数値に変えて手がかりにする
  3. 小さな文字・左右・事実は間違えやすい

画像生成AIには、拡散モデルという仕組みを使うものがあります。砂嵐のようなノイズだけの画面から、少しずつノイズを取り除いて、絵を作ります。12

この記事の目次(5節)
  1. 学習では、ノイズを取り除く練習をする
  2. 絵を作るときは、ノイズを少しずつ取り除く
  3. 文章を数値に変えて、手がかりにする
  4. よくある誤解
  5. 仕事で使うときに確かめること

Stable Diffusion(画像生成AIのモデルの名前)は、この仕組みを使っています。3 文章を作るAIの仕組みは、別の記事にあります。

HOW AN IMAGE IS MADE 01 02 学習: ノイズを取り除く練習 絵を作る: ノイズから始めて取り除く 本物の画像 ノイズが少し混ざる ノイズだらけ ノイズを足す回数は決まっている(論文の実験では1,000回) AIは、混ざったノイズを推定して1段階前に戻す練習をする ランダムなノイズ 少し取り除く(約50回) 絵ができる 文章を数字に直した手がかり 文章は、CLIPなどのAIで数値に変えて使う
学習では、本物の画像に少しずつノイズを足し、1段階前に戻す練習をします。絵を作るときは、ランダムなノイズから始め、文章を数値に変えたものを手がかりに、ノイズを約50回に分けて取り除きます。

学習では、ノイズを取り除く練習をする

学習では、本物の画像にノイズを少しずつ足していきます。足す量は、あらかじめ決めてあります。1

AIが練習するのは、その逆です。ノイズの混ざった画像を見て、どこがノイズかを推定し、その分を取り除いて、1段階前の画像に戻します。3

たとえると、写真に砂を少しずつかけていき、砂を払い落とす練習です。実際は数式で計算します。

絵を作るときは、ノイズを少しずつ取り除く

絵を作るときは、ランダムなノイズの画面から始めます。AIはノイズを推定して、少し取り除きます。これを繰り返すと、ノイズが減り、絵が現れます。13

回数は、論文と実際のツールで違います。

条件ノイズを取り除く回数
拡散モデルの論文(DDPM)の実験1,000回
Stable Diffusionの初期設定(Hugging Faceの解説)約50回

Hugging Faceの解説は、宇宙飛行士が馬に乗る絵を作る例を挙げています。50回では整い、15回に減らすと、服と馬の形に問題が出ました。3

文章を数値に変えて、手がかりにする

打ち込んだ文章は、そのままでは使えません。文章を読む別のAI(CLIP)で、数値の並びに変えます。3

文章を数値の並びに変える別の例は、EmbeddingGemma 2を試した記事にあります。

ノイズを推定するAIは、この数値の並びを入力として受け取り、どんな絵に近づけるかを決めます。3

指示への従い方は、guidance_scaleという設定で変えられます。値を上げすぎると、指示には近づきますが、絵が似通ってきます。3

よくある誤解

「どのサービスも、同じ仕組みで絵を作っている」

仕組みを公開しているサービスなら確かめられますが、公開していないサービスもあります。

Nano Banana 2.1(発表時の記事)も、その1つです。モデルカードには、Gemini 3.6 Flashをもとにしたモデルだとあるだけで、絵の作り方の記載はありません。4

「書いたとおりの絵になる」

文章は手がかりにすぎず、設定の値によっても、絵の変わり方が違ってきます。3

Nano Banana 2.1のモデルカードは、苦手なことを挙げています。

  • 小さな文字は、1Kのモデルでぼやけやすい
  • 入力した画像と、作った画像で、キャラクターがそろわないことがある
  • 左右などの位置を取り違えることがある
  • 事実の正確さには限りがある

仕事で使うときに確かめること

確かめること理由
絵に入れた文字・数字小さな文字は、1Kのモデルでぼやけやすい4
左右などの位置の関係位置を取り違えることがある4
事実が入る絵(グラフや説明図など)事実の理解に限りがあり、ハルシネーション(もっともらしい誤り)も起こりうる4
同じキャラクターを続けて出すとき入力した画像と作った画像で、そろわないことがある4

Gemini APIで作った画像には、AIで作ったと分かる透かし(SynthID)が入ります。5

見た目が整っていても、文字や数字は人の目で確かめましょう。

出典

  1. Ho ほか「Denoising Diffusion Probabilistic Models」(arXiv:2006.11239、2020年)(参照 2026-10-19)
  2. Rombach ほか「High-Resolution Image Synthesis with Latent Diffusion Models」(arXiv:2112.10752、CVPR 2022)(参照 2026-10-19)
  3. Hugging Face「Stable Diffusion with 🧨 Diffusers」(2022年8月22日)(参照 2026-10-19)
  4. Google DeepMind「Nano Banana 2.1 モデルカード」(2026年10月6日)(参照 2026-10-19)
  5. Google AI for Developers「Gemini API 画像生成」(参照 2026-10-19)