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ChatGPTの月額はデジタル化・AI導入補助金の対象になるのか

悠 Yu NiiboriAIエンジニアプロフィール

下書き AI出典の確認 別のAI出典 4件作られ方

自社で契約したChatGPTなどの月額は、そのままではデジタル化・AI導入補助金の対象になりません。公募要領は、補助の対象を「あらかじめ事務局に登録されたITツール」の導入費用に限っているからです。生成AIを含む業務ソフトなら対象になりうるものの、汎用のツールだけでは申請できず、交付決定の前に契約した分も外れます。公募要領(2026年8月28日改訂)の原文から、対象になる条件・外れる経費・締切を読み、申請前の確認表にまとめます。

すりガラスのフォルダーに3つのチェックの欄が並び、いちばん上の欄だけが珊瑚色に光っている。右には透明な硬貨の積み重ねと、日付のマスが並ぶ卓上カレンダー
イメージ(AI生成)
目次
  1. ChatGPTの月額は補助の対象になるか
  2. 対象になるAIツールの3つの条件
  3. 汎用のAIだけでは申請できない理由
  4. 補助の対象から外れる経費
  5. 補助の額と、クラウド利用料の期間
  6. 申請までの準備と締切
  7. 申請前の確認表
  8. よくある質問
  9. まとめ

自社で直接契約したChatGPTなどの月額は、そのままではデジタル化・AI導入補助金の対象になりません。 公募要領は、補助の対象を「あらかじめ事務局に登録されたITツールの導入費用」に限っているからです1。生成AIを組み込んだ業務ソフトなら対象になりえますが、汎用のツールだけでは申請できず、交付決定の前に契約した分も外れます1。この記事では公募要領の原文から、対象になる条件と外れる経費を読み、申請前の確認表にまとめます。

この記事でわかること

  • 補助の対象は、IT導入支援事業者が事務局に登録したITツールだけです
  • 公募要領はソフトウェアに「AIを含む」と書いており、AIだから外れるわけではありません
  • 汎用のツールだけでは申請できず、業務のプロセスを持つソフトと組む必要があります
  • 交付決定の前に契約した分と、無償で提供されているものは対象外です
  • 通常枠の次の締切は2026年9月29日17時で、その次の回は事業スケジュールの更新を待ちます

ChatGPTの月額は補助の対象になるか

自社でOpenAIと直接契約した月額は、登録されたITツールではないので、それだけでは補助の対象になりません。 公募要領は補助対象経費を「IT導入支援事業者が提供し、あらかじめ事務局に登録されたITツールの導入費用とする」と定めています1。つまり、補助の窓口は製品ではなく、登録された販売・導入の事業者です。

ITツールの定義に「AIを含む」とある

公募要領のITツールの定義では、「ソフトウェア」の直後に「AIを含む」と括弧書きがあります1。AIの機能を持つことは、対象から外れる理由になりません。問われるのは、そのツールが登録されているかどうかです。

解説記事でも言い方が分かれている

「ChatGPTは対象」「ChatGPT単体は対象外」と、解説記事の言い方は分かれています。ただ、特定の製品が登録されているかどうかは、公募要領を読んでも分かりません。登録の有無は、事務局のITツール検索で確かめます4。

対象になるAIツールの3つの条件

AIを含むツールが補助の対象になるには、登録されていること・業務のプロセスを持つこと・交付決定の後に契約することの3つが要ります。 3つは順に確かめられ、どれか1つで「いいえ」なら対象になりません1。

THREE CHECKS 01 02 03 登録されたツールか 業務のプロセスを持つか 交付決定の後に契約か ITツール検索で確かめる 自社で直接契約した 月額は当たらない 1種類以上が要件 汎用のツールだけなら 業務ソフトと組む 決定の前の契約・発注は 補助の対象外 払い済みの月額も外れる どれか1つでも「いいえ」なら対象外 3つとも満たせば対象になりうる CHECK
3つの問いのどれかで「いいえ」なら、その費用は補助の対象になりません。

1つ目:ITツール検索に載っているか

事務局のITツール検索では、「事務局より採択を受けている『IT導入支援事業者及びITツール』を検索することが可能です」と書かれています4。一方で、2026年版への移行登録を済ませたツールは「順次更新中につき、検索結果に表示されない場合がございます」とも書いています4。載っていないときは、使いたいツールを扱う事業者に、登録の予定を聞くのが確実です。公募要領は、AIの搭載の有無を含む機能の概要も、この検索で確かめられるとしています1。

2つ目:業務のプロセスを持つか

通常枠で申請するソフトウェアは、業務のプロセスを「1種類以上」含む必要があります1。補助の申請額が150万円から450万円なら、4種類以上です1。通常枠のページは、この要件を「汎用プロセスのみは不可」と短く書いています2。プロセスの分け方は、次の節で表にします。

3つ目:交付決定の後に契約するか

公募要領は「交付決定前にITツールを契約、発注した場合は補助対象とならない」と書いています1。すでに払っている月額を、あとから補助に回すことはできません。

汎用のAIだけでは申請できない理由

業種も業務も限らないソフトウェアは「汎用プロセス」の区分になり、単独では申請できません。 公募要領は汎用プロセスを、業務のプロセスと一緒に導入することで「更に労働生産性を向上させるもの」と位置づけています1。文章の下書きや要約だけに使うAIは、この区分で登録されている可能性があります。

業務プロセスと汎用プロセスの違い

種別コード中身
共通プロセス共P-01顧客対応・販売支援
共通プロセス共P-02決済・債権債務・資金回収
共通プロセス共P-03供給・在庫・物流
共通プロセス共P-04会計・財務・経営
共通プロセス共P-05総務・人事・給与・労務・教育訓練・法務・情シス・統合業務
業種特化型各業種P-06業種固有プロセス
汎用汎P-07汎用・自動化・分析ツール

表は公募要領の「業務プロセス」の図を写したものです1。上の6つが業務のプロセスで、最後の汎P-07だけが汎用です。汎用のツールも、共P-01から各業種P-06のどれかと組めば「1プロセスとしてカウントされ交付申請が可能」になります1。

どのプロセスかは登録で決まる

どのプロセスで登録されているかは、使う側ではなく、登録した事業者が決めています。文章の下書きに使いたいだけなら、まず組める業務ソフトがあるかを考えます。

補助の対象から外れる経費

AIのツールで外れやすいのは、交付決定前の契約・無償のもの・金額が決まらないもの・リースの4つです。 公募要領は補助対象外の経費を10項目挙げており、次の表はそのうちAIのツールに関わるものを抜いたものです1。

公募要領の文言AIのツールで当たる例
交付決定前に購入したITツール申請の前から払っている月額
対外的に無償で提供されているもの無料のプランのまま使う生成AI
交付申請時において、ITツールの利用金額が定められないもの使った分だけ払う料金で、申請時に額が決まらないもの
リース・レンタル契約のITツール端末を借りて使う契約

左の列は公募要領の文言のまま、右の列はこの記事が当てはめた例です1。右の列の例が実際に外れるかは、ツールの登録内容と料金の決め方で変わります。とくに使った分だけ払う料金は、登録した事業者に、申請時の金額の決め方を聞いてから進めます。

補助の額と、クラウド利用料の期間

通常枠の補助率は1/2以内で、1プロセス以上なら補助額は5万円以上150万円未満です。 条件を満たす場合は、補助率が2/3以内になります2。

補助率と補助額

区分補助額
1プロセス以上5万円以上150万円未満
4プロセス以上150万円以上450万円以下

補助率が2/3以内になるのは、令和7年度改定の地域別最低賃金未満で雇う従業員が、全従業員の30%以上であることを示した場合です2。期間の条件もあるので、該当しそうなら原文で確かめます。

月額の料金は最大2年分

月額・年額で料金が決まっているソフトウェアは「最大2年分の費用を補助対象とする」とされています1。機能拡張などのオプションは最大1年分で、導入の設定や研修などの役務は、1申請あたり200万円が上限です1。たとえば補助率1/2で、月額2万円の登録ツールを2年分なら、48万円の経費に対して補助は24万円です。この計算は公募要領の率と期間を当てはめた例で、実際の額は申請の内容で決まります。

申請までの準備と締切

申請には、GビズIDプライムの取得と、SECURITY ACTIONの宣言が要ります。 公募要領の申請要件は、この2つを満たすことを求めています1。

先に済ませる2つの手続き

GビズIDは、複数の行政サービスを1つのアカウントで使える認証の仕組みです1。公募要領は、プライムのアカウントの発行まで「おおむね2週間」かかるとしています1。取得の手順はGビズIDプライムの取得手順にまとめています。SECURITY ACTIONは、IPAが実施する、情報セキュリティ対策に取り組むことの自己宣言です1。本事業では「一つ星」か「二つ星」のどちらかの宣言で足ります1。宣言のやり方はSECURITY ACTIONの宣言の手順で読めます。

通常枠の締切

枠締切交付決定日(予定)
通常枠・インボイス枠・セキュリティ対策推進枠(5次)2026年9月29日(火)17:002026年11月9日(月)
複数者連携デジタル化・AI導入枠(3次)2026年10月30日(金)17:002026年12月10日(木)

表は2026年9月26日に事業スケジュールのページで確かめたものです3。同じページは「確定している募集回のスケジュールのみ公表しております」としており、6次以降の日付はまだ出ていません3。9月29日の回は3日後なので、GビズIDプライムがまだ無いなら間に合いません。その場合は、次の回に向けて2つの手続きを先に始めます。

申請前の確認表

生成AIのツールで申請するかどうかは、ツール・契約・会社の準備の3つを確かめると判断できます。 下の表は、公募要領の条件を確かめる行動に置き換えたものです。

デジタル化・AI導入補助金 AIツールの確認表

□ 使いたいツールが、ITツール検索に載っているか(載っていなければ事業者に登録の予定を聞いたか)

□ そのツールは、共P-01〜各業種P-06のどれかのプロセスを持つか

□ 汎用のツールなら、組み合わせる業務ソフトを決めたか

□ まだ契約・発注・支払いをしていないか

□ 料金は、申請の時点で金額が決まっているか

□ GビズIDプライムを取得したか

□ SECURITY ACTIONの一つ星か二つ星を宣言したか

経費の見込み:月額____円 × __か月(最大24か月)+ 役務____円 =____円

補助の見込み:経費____円 × 補助率(1/2 または 2/3)=____円

確認した日:____ 確認した事業者:____

補助の見込みが5万円に届かないなら、通常枠の補助額の下限を下回ります。その場合は、補助を使わずに小さく始めるほうが早く進みます。最初の月は、AIに任せた作業の件数と、人が直した回数を数えておくと、2年目に続けるかの判断に使えます。

よくある質問

Q. ChatGPT Plusの月額はデジタル化・AI導入補助金の対象になりますか。
A. 自社で直接契約した月額は、登録されたITツールの導入費用ではないので、そのままでは対象になりません。

Q. デジタル化・AI導入補助金の対象ツールはどこで調べますか。
A. 事務局のITツール検索で調べます。2026年版への移行分は順次更新中で、表示されない場合があると書かれています。

Q. すでに契約しているAIツールの料金は補助されますか。
A. 補助されません。公募要領は、交付決定の前に契約・発注したITツールを補助の対象外としています。

Q. 文章作成のAIだけで申請できますか。
A. できません。汎用のツールは単独では申請できず、業務のプロセスを持つソフトと組み合わせる必要があります。

まとめ

  • 補助の対象は、IT導入支援事業者が事務局に登録したITツールの導入費用だけです
  • AIを含むことは問題にならず、登録と業務のプロセスの有無が分かれ目です
  • 交付決定の前の契約、無償のもの、金額が決まらないものは外れます
  • 通常枠の次の締切は2026年9月29日17時で、GビズIDプライムとSECURITY ACTIONが前提です

まずは確認表の上の3行を、ITツール検索で埋めてください。

使いたいツールが検索に無く、登録の予定も無いなら、補助を前提にせず社内の使い方を先に決める段階です。その場合は、AI事業者ガイドラインの使う側の7項目から始めてください。入力してよい情報の線は、IPAが挙げる生成AIのセキュリティ対策で決められます。医療機関で申請を考えているなら、医療機関のAI導入に使える補助金2026に、医療法人の扱いをまとめています。

出典

  1. デジタル化・AI導入補助金2026 公募要領(通常枠)(2026年8月28日改訂)(参照 2026-09-26)
  2. 通常枠 | デジタル化・AI導入補助金2026(参照 2026-09-26)
  3. 事業スケジュール | デジタル化・AI導入補助金2026(参照 2026-09-26)
  4. ITツール・IT導入支援事業者検索(コンソーシアム含む) | デジタル化・AI導入補助金2026(参照 2026-09-26)